表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/12

第10話:若手社員のコンサルティング(服選び)

デート前日の金曜日の夜。

俺は自室の万年床の上に、持っている限りの「休日の私服」を並べ、深い絶望の淵で腕を組んでいた。


(……終わった)


そこにあるのは、休日のゴルフコンペ用のくたびれたポロシャツか、すっかりヨレヨレになった謎のチェックシャツしか存在していなかった。

ダサいと思われたくない。いや、それ以前に「犯罪者」に見えてはならないのだ。


散々悩んだ末、俺は泣きながらスマホの画面をタップし、部署で一番モテる20代の若手社員(男)にLINEで通話をつないだ。


「……頼む! 助けてくれ!」

「ぶ、部長!? 夜分にどうしたんですか!?」

「明日、絶対に犯罪者に見えない、かつ清潔感のある服を教えてくれ! 俺にはチェックシャツしかないんだ!」


必死の形相で哀願する俺に対し、電話越しの若手社員は、まるで神託を下すかのように冷徹で的確なコンサルティングを開始した。


「部長、落ち着いてください。とりあえず、その手元にあるヨレヨレのチェックシャツは、今すぐ燃やしましょう」

「も、燃やす……!?」

「はい。そして明日、朝イチで駅前のユニクロに飛び込み、マネキンが着ている服を上から下まで『一式全部』買って、そのままトイレで着替えてください」

「ま、マネキン一式を……!」

「そうです。絶対に、ご自身のセンスを一つも混ぜてはいけません。無地です! 無地に限ります! 大人の男はね、変に若柄を狙わず、安心感と清潔感があればそれで100点なんです!」


若手社員――いや、若手コンサルタントの力強い説得に押され、俺は渋々ながら、己の敗北とチェックシャツの処分を受け入れたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ