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王子様とは話したこともございません  作者: 橘 花桜里


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第1話 デビュタントの準備はバッチリですが、気が進みません。

初投稿です。

よろしくお願いいたします。

「お母様、どうしても行かないといけないかしら?」

「大切なデビュタントよ。変な子ね。

マダムヘレナのオーダーメイドの特別なドレスよ。一週間前まではあんなにはしゃいでいたのに・・・・・。どうしちゃったのかしら。」


鏡に映るドレスをまとう私は妖精のように可憐に見えた。豪華に宝石のちりばめられたエメラルドグリーンのドレスは白い肌を引き立たせ、タフタのたっぷり使われた幾重にも重なるチュールは細い腰を優雅に際立たせている。


お母様はため息をついて心配そうに私を見つめる。

小さい頃から私に甘く、私を叱ったことなんて数度だけ。

そんなお母様の愁いを帯びた表情を見ると切なくなってくる。


「お母様、もちろん楽しみにしてるわ。王太子様もいらっしゃるし、こんな素敵なドレスを着ていけるなんて幸せすぎるぅ~。」


不自然にはしゃいでみるも、お母様は心配そうな顔で私を見つめた。

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