1/1
第1話 デビュタントの準備はバッチリですが、気が進みません。
初投稿です。
よろしくお願いいたします。
「お母様、どうしても行かないといけないかしら?」
「大切なデビュタントよ。変な子ね。
マダムヘレナのオーダーメイドの特別なドレスよ。一週間前まではあんなにはしゃいでいたのに・・・・・。どうしちゃったのかしら。」
鏡に映るドレスをまとう私は妖精のように可憐に見えた。豪華に宝石のちりばめられたエメラルドグリーンのドレスは白い肌を引き立たせ、タフタのたっぷり使われた幾重にも重なるチュールは細い腰を優雅に際立たせている。
お母様はため息をついて心配そうに私を見つめる。
小さい頃から私に甘く、私を叱ったことなんて数度だけ。
そんなお母様の愁いを帯びた表情を見ると切なくなってくる。
「お母様、もちろん楽しみにしてるわ。王太子様もいらっしゃるし、こんな素敵なドレスを着ていけるなんて幸せすぎるぅ~。」
不自然にはしゃいでみるも、お母様は心配そうな顔で私を見つめた。




