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逮捕

これは令和元年~令和七年までの警察署から拘置所そして刑務所のなかの実態である。

いきなり肩を叩かれて、振り向くと、見知らぬ人に

「Aだな。」

と声を掛けられた。

 よくTVや映画などで容疑者が逮捕されるときに、私服の警察官が、最初に人定を行うときに使うこのセリフは本当に聞かれる。

 ちなみにまず、2人以上の捜査員が容疑者の目の前に現れるが、他にも多くの捜査員が配置されていて、容疑者がどの方向に逃走してもいいように見えないところに配置されている。

容疑者の自宅に直接訪れるのであれば、逃走経路に使われそうな窓や裏口などはすべて捜査員がいるとみて間違いない。また、マンションなど内定捜査でも容疑者が住民票を移動させていないなどの理由で部屋の特定が難しい時は、マンションから出てきたところを確保する為、逃走経路も多く、その分捜査員を多く投入しなければいけない。

自分はこの外パターンであった。


「Aだな。」

「はい。」

「警視庁だ。」

「どこ?」

「本部の4課だ。なんの件かわかるか?」

「どの件?」

「Bの件だ。」

「わかった。」


ここまでの会話の流れは大体、TVや映画と同じである。

ただ、「本部の4課だ」これについては、よくわかっていない人が多いのではないだろうか。

多分TVや映画でよく」出てくるのは、「本庁の捜査一課〇〇係」とかではないだろうか。


本庁と本部は同じである。本庁は日本で唯一、警視庁だけが使うのもである。他は〇〇警察本部となっているので、本部と使うし、警視庁の警察官でも本部と使う人も多い。

そして、最近は匿名流動型犯罪トクリュウとかも横行しており、警察組織の内容も変わったらしいので、自分の書き方は古いかもしれないので、しっかり知りたい人は各自で調べてもらいたい。


まず、各都道府県には、各警察本部が存在する。東京なら警視庁、大阪府警察本部は府警本部、神奈川県警察本部は県警本部、北海道警察本部は道警本部とも略される。

この各本部の下に各警察署があり更にその警察署の下に交番などがある。

そしてこの各都道府県警察本部を統括するのが、警察庁である。よく警視庁と警察庁を間違るが、警視庁は東京、警察庁は全国の警察を統括するところである。

イメージはグループ会社の本社が警察庁、各支店が各警察本部、支社が各警察署、出張所が交番である。

自分もこの警察庁については、警察映画での知識しかないので、書かないでおく。


そして、本題の4課についてだが、捜査4課という部署で、簡単に言うと、暴力団が関わっている犯罪を扱うところである。1課は殺人や強盗など。2課は詐欺などだが、ここでややこしいのが、例えばよくTVや映画で暴力団員が殺人を犯すことがあるが、普通なら殺人事件だから捜査1課が担当するが、暴力団が関わっている犯罪なので、協力関係にはあるかもしれないが、取り調べなどは4課が担当する。

なのでよくTVドラマでは殺人事件を1課が捜査していくうちに暴力団が関わっている犯罪だと判明することがあるが、その場合は4課の捜査員も参加して、取り調べなどは4課の捜査員が行うことが多い。

これには事情があり、暴力団員というのは、自己顕示力が非常に強い。街中での職務質問にも、交番の制服警察官や所轄(各地域の警察署)のただの警察官だと一切応じないが、所轄の暴力係の刑事が来ると途端に応じたりする。「暴力団員である自分を専門の担当官じゃない者が担当するのは、自分が雑に扱われている。」と思って不貞腐れてしまうのである。


それにこれは警察側にも大きなメリットがある。

暴力団員は日常的に犯罪の中で生活している。それに、最近はとても減ったが義理や人情を大切にする人達であるので、警察がしっかり対応すれば「俺のメンツを気にしてくれている。」と下手な犯罪者よりも取り調べがスムーズにいく。

そうした中で、暴力団専門の4課の担当刑事が取り調べると、過去にその容疑者の組の関係者や知人などを担当していたり、組事務所の家宅捜索に行ったときにお互い居たなどの共通点が多くあり、信頼関係が構築される。そうすると、事件の取り調べがスムーズに終わった後に、

「そういえば、あの事件のこと知らないか?」

と刑事が聞くと

「あ~あの事件は実は…」というように調書を作成してというような証拠になるような物は難しくても、ヒントになるくらいの情報をもらえたりするのである。


ここで補足をすると、4課と所轄の暴力係は同じく暴力団関係の事件を扱うが、本部の警察官なのか、その下の所轄の警察官なのかで呼び方が違う。各都道府県の本部にいけるのは、キャリア採用の人間か、所轄で優秀な成績を収めていたり、上司からの推薦など、選ばれた人間がいける場所なのである。

なので、あの有名な青島刑事が出てくるシリーズでは、本部の人間が所轄の人間に対して偉そうにしているのである。

これは余談だが、よくヤンキーや半グレの中に暴力団員から職務質問での特別扱いを聞いていて、自身が職務質問を受けたときに「4課の人間を出せ」とか自分も特別扱いしてほしくてそのような要求をする人がいる。そして一応その人間がどのような人間か職務質問に応じないので現場の警察官も判明できない為、一応その地域の警察署の刑事課暴力係の人間に応援を頼む。暴力係の人間が到着すると、腕に暴力係の腕章をつけているのでわかりやすい。

しかし、ヤンキーや半グレは「4課か?」と聞くが、所轄の刑事は「暴力係だ」というが、ヤンキーや半グレは理解できていない。この時点で暴力係の刑事も「あ、この程度か。」と判断する。


話を戻すが、自分の場合は昔少しだけ暴力団の真似事もしていて逮捕されたこともあるので、4課の人間が対応するのかと納得もした。

そのまま、二人の捜査員と近くに待機していたレンタカーに向かうと、一人の捜査員が電話をかけ、

「確保です。これから車両に向かいます。」

というようなことを話し終えた途端あちこちから捜査員が出てきた。おそらく20人はいたと思う。

実は、自分の事件は東京や関東での犯行だったのだが、自分は直接関与していたのではなく、犯罪をしたいと言ってる人を集めてくるリクルーターと犯罪組織の人間をつなげる仲介役のような立場だったので、東京にいる必要なかった。またこの逮捕の直前に関東から

「逮捕されるかも知れないから匿ってほしい。」

とお願いしてきた後輩を京都の家に住まわせていて、自分が不在に時にそこに警視庁の刑事が突入してその後輩を逮捕するということがあり、自身も危ないかなと、京都から兵庫に移り住んだばかりで、警察も部屋の特定ができずに、外での逮捕になった為、捜査員が沢山必要だったということだ。

しかし、警視庁の捜査官は東京まで連れて帰るのに必要な5人くらいで残りは兵庫県警の応援である。さすが本場の県警本部の4課である。見た目もすべてが暴力団員と変わらない。屈強な捜査員が沢山いた。


今回は自分の事件についてではなく、生活を伝えたいので犯罪の内容は割愛させていただく。


兵庫県から東京までは新幹線で行くことになった。初めて知ったのだが、新幹線には個室がある。広いだけで椅子も二人掛けがあるだけだが、ほかの人と会わないだけマシである。

東京駅に着くまでは、4課の刑事特有の信頼関係の構築の仕方で、手錠をかけずにグリーン車両手前の喫煙所でタバコも吸わせてくれた。

これは「俺はお前を信用する。」という合図だ。ここで自分が逃走したり、暴れたりすれば、確保した時に手錠をしなかった担当刑事の責任になるから、全く信用できない人間には絶対しない。

先ほども言ったように暴力団員は自己顕示欲が非常に強いので、特別扱いすればするほど、その担当刑事に対しての信頼感が増していく。

4課の刑事に必要なのは、アメとムチの使い方と、人間観察能力とリスクマネジメント能力、そして一番は勇気だと思う。

自分もこの時にすでにこの担当刑事Cに対して信頼感が生まれていた。


東京駅に到着した後は八重洲口に迎えの車両が到着しているとのことで向かっていると、TVクルーが待っていて撮影された。自分は今までも逮捕はあるが、TV撮影は初めてでびっくりした。赤羽警察署に着いた時も沢山報道陣がいた。車にカーテンが付いてるのに、閉めないのだ。

これはCから聞いたがあの報道陣が沢山いるのは、各警察署の副署長が報道陣に伝えるらしい。


そしてこれは犯罪者側の意見なのだが、よく車の後部座席に真ん中に座っている映像や写真を見たことがあると思うが、あれは物凄く映りの悪く見える瞬間を切り取っていることが多い。

報道側の気持ちもわかるが、あれは良くないと思う。


そして赤羽警察署では、取調室に連行され、手錠は外されるが、腰縄はそのままで、腰縄と手錠は自分の座るパイプ椅子に繋がれる。

そこでまず、調書を作成する。ここも調書の内容などは割愛する。

自分の生い立ち(身上調書)や今回の事件の簡単な調書である。


ここで説明したいのは、取り調べについてだが、これは次に話したいと思う。


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