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第046語 公開処刑

 死について考える、鬱回。

 次のお話もセットで更新します。


 ブックマーク登録をしていただき、時間があるときに読んでいただければ幸いです。


 ルベルからの吉報を待ってから、七日。

 その後ルベルからの報告はなく、わたしが村の広場で公開処刑される日がやってきてしまった。

 ルベルのことは心配だけど、下手に動いてまた捕まっちゃっても大変だし。まぁ、ルベルが安全な場所にいられるのであれば良しとしよう。


「さあアンネ。移動するんだな」


 ここで逃げたところで意味はないと思う。スマザさんを突破できたとしても、公開処刑がある当日なんだ。村のみんなが敵だと思わないといけない。

 でも。

 村のみんなとは、戦いたくない。


 わたしは、素直に両手に縄をつけられる。そしてそのまま、スマザさんに引かれて行く。


「魔女には死を!!」

「村に平和を!!」


 村長宅を出た瞬間から、村のみんなから怒号を浴びせられる。その目は怒りで満ちていて、虚ろじゃない。

 主に中高年以上の人達で、若い人も少しいた。その中に、ディリィ達幼なじみや、名前の知っている人はいない。


 ……わたしが死んだら、ディリィ達は悲しんでくれるかな。そうだと良いな。


 一度命を狙われたのか脅しかわからないけど、攻撃されたことがある。あのときはただただ、怖いと思っただけだった。


 わたしはこれから死ぬ。死ぬって、どんな感じだろう。


 自分が死ぬというのに、他人事のように思えた。それは、自分が死ぬということを自覚できていないからかもしれない。


 これまで、ただ普通に生きてきただけなのに。

 村の開発をしようとしただけで、こんなに非難されるものなのか。


 あぁ、そうか。

 わたしは、村の開発をしようとしたから、死ぬんだ。


 リダロさんから、亡くなったお姉さんの話を聞いた。リダロさんのお姉さんも、村の開発推進派だったから、亡くなっている。

 お姉さんは、どんな亡くなり方だったんだっけ。


 体中に傷がついて、水分がなくなって……。


 スマザさんに縄を引かれ、広場まで来た。

 村長さんは、広場で待機していたみたい。

 その広場の中央に、大きな牢屋がある。その中央には、藁が積まれていた。

 魔女だと言われているから、火あぶりにでもされるんだろうか。


 熱いのは嫌だな。たぶん、なかなか死ねないよね。

 そうか、なかなか死なせず、苦しませるために火あぶりなんだ。

 あれだよね。いっそのこと斬首だとか剣で心臓を一突きだとか、そんなやり方の方が早く死ねると思う。

 いや、そんな死に方なんてしたことないから、実際は火あぶりよりも苦しいかもしれない。


 スマザさんに縄を引かれ、広場中央に置かれている牢屋の中に入れられる。

 そして、スマザさんを手伝うように何人もの人が、わたしを藁の上の磔台に固定した。

 牢屋の外では地属性の魔法師が詠唱して、小石を大量に作り出してる。それを風や水の魔法師達が両手で掴んだ。

 なるほど。火あぶりだから、湿気ちゃったり藁が飛んでっちゃいけないもんね。魔法師の村で、魔法ではなくて物理なんだ。


 石を投げられるのか。当てられたら、痛いだろうなぁ。


 牢屋に外から鍵がかけられ、いよいよわたしの公開処刑が始まるみたい。

 集まった火属性の魔法師達が、詠唱を始めた。


 石は、いつ投げられるんだろう。火あぶりが始まってからかな。

 殺されるのならいっそ、ここで舌を噛み切ってしまおうか。そうすれば、火あぶりされるよりも早く死ねるかも。


 詠唱をしている魔法師達が、大分時間をかけている。これは特大の火魔法が放たれるのかな。

 それなら、一気に燃え上がる? 早く燃えれば、すぐに死ねるのかな。わたしは髪の毛も長いし、そこからも引火するかも。


 自分で自分の死を決めるなんて、そんな覚悟はできていない。

 やっぱり、怖いものは怖い。

 だから、足下の藁に火が放たれるのを待つ。




 火の魔法師達によって練り上げられた魔法が、巨大な火の玉になって現れた。


 あれじゃ、牢屋の中に入らないんじゃないかな。

 そんな風に思っていたら、ダダダダッと、まるで馬が全速力で走ってくるような音が聞こえたような気がした。







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