専属メイドと勉強会①
「ん…」
「レイティーン!あぁレイティーン!やっと起きた!!」
「カ、ラ、メロ…。どう、したの?」
聞くところによると、私は2週間昏睡状態だったらしい。永続的に脳の損傷が遺る時間だが、異常はないのも、きっと神関連なのだろう。
「カラ、メロは大、丈夫?」
「確かに魔力量はレイティーンの半分くらいまでに増えたけど、私への直接の加護じゃないから軽い疲労で済んだよ。」
「よかった…」また再びまどろみの中へ、勝手に落ちていく。
「おはようございます、お嬢様。何か必要なことがあったらリリエッテにおっしゃってください。では私はこれで。」やっぱり使用人が冷たい。カレンダーはまだ1日しか昨日に加えて眠っていない。カレンダーと時計が日本と同じで便利だ。
「てか1日しか、か…。」なんか冷たくされて自嘲気味になっちゃってるけど、せっかくチートが手に入るんだから気分を上げよう。乙女ゲームについては、攻略対象は現実では王子以外問題なさそうだし、ヒロインは名前も容姿も選択できたのでオリジナルのこの世界がなんだったかはわからない。幼少期に関しては王太子の情報もない。
「だったらまず周りの関係改善とこの国の勉強をしよう!」
「珍しくまともね〜。良いんじゃないかしら。」
「珍しくってなによ…。」そう呟きながらベルを鳴らす。
「はっはい、なんでしょうか?」まだ幼さの残る可愛らしい声。リリエッテは魔法学園に一緒に入学してついていけるように男爵家の末娘で同い年の子供だ。乙女ゲームのキャラになるくらいだからこの世界の人は全体的に顔面偏差値が高いが、リリエッテは特に美少女。ゲームでは悪役令嬢のメイドなんていなかったから、きっと何らかの理由で学園入学までに辞めるのだろうが…。
あぁ震えている。彼女のほうが周りから好かれているからってよくティーカップとか投げて虐めていたんだよな…。
「あのね、勉強したくない?」
「べ、勉強ですか?」
「そう、確か我が家には子爵家の侍女のメイド長がいたわね。ジェリーだったかしら。ジェリー・フェルン」彼女は三十歳の柔和な表情だけ浮かべているような人。でもメイドの統制はバッチリらしい。彼女に勉強を教えてもらって仲良くなれば、周りとも関係改善しやすいだろう。それに…。
「勉強を教えさせろという命令ですね!承知いたしました。すぐに伝えてきます〜!」
「い、いいえ断られたらしょうがないわ。それにレイティーン、あなたも同い年でしょう?教わらない?」
「わ、私なんかで良いのですか?」
「ええもちろん」




