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もうやだよぉ

「なんで!?なんで、あなたはそんなすごい魔法使えるのよぉ?」

「天才だから」

「なるほどねえ」

「いやそこ納得しちゃだめでしょ!」

「なんで?」

「明らかに手ぬいた回答でしょ?」

「そいえばそうね…」

「私は光魔法適性だけ異様に高くて魔力量はどれもものすごく少ないの。だから、この力を発揮するために光魔力量がものすごく多い人の使い魔になるって決められていたんだよ~」

「それが私かぁ」

そういえばレイティーンのサイドストーリーにカラメロは実は…ってのがあったと思う。私はプレイしてないけど従兄弟にネタバレされかけてやめたやつだから、そこまでしか知らない。まぁ使い魔のほうが優秀だなんて隠しがりそうだな、レイティーン。カラメロはゲームではいつもやつれていた。虐待でもされてたのかな…。


「さ、レイティーンもやってみて」

「あんなすごいの見せられたあとに…。『我、七柱の神の一柱、光の女神に助力を請う。我にたぎる力を癒やしと創生へ変化させ、我が望みを叶えたまえ。』」

…………。

「別に、何も起こらないことで優秀な使い魔が羨ましくなったりなんてしてないしぃ。」

「かわいそ…(笑)」

「ちょっとなんなのよその態度!こんな設定にしたやつ誰よ!制作?乙女ゲームの世界?魔法がすべてのこの世界で生き延びられても私には過酷な道しかないじゃないの!もういい!周りから好かれず能力もないなんてとんだ罰ゲームだわ!あんたらの思い通りになんてならない!自害してやるわ!ハッハッハ…。カラメロ、ナイフを作りなさい!」

「我、七柱の神の一柱、光の女神に助力を請う。我にたぎる力を癒やしと創生へ変化させ」

「カラメロくらいはとめてくれるかと思ったのに…。あぁそう。この世に本当に未練はないわ!そういえばこの世界には神がいるのですっけ?7つ集まらないとろくに仕事もできないような馬鹿神たちよ見てなさい!」

カラメロのナイフを喉元に振りかざす。と、触れる直前に意識が途切れた…。


「ンん?ここは…」

天国、だろうか。綿のような柔らかさなのに不思議と安定感のある、淡く発光する床。視界は霧で覆われていて、切れ目から一条の黄金色の美しい光が差し込んでいる。服もいつの間にかドレスからシンプルな白いワンピースに着替えてある。

「レイティーンなのは変わんないか…」

なんか大きいキャラメルみたいなのがある…。はっもしかして両腕で持ちきれないくらいのキャラメルをほおばりたいという願いが叶った?!

「神様大好きありがとう!さっきはゴメンナサイ!」

そう叫んで近づくと、正体はカラメロ。

「なぁんだ。キャラメルじゃないじゃん。前言撤回神様ひど〜い!」

「ん?あ、レイティーン」

「後追い?」

「違うわ!従魔の契約では主の指定がない限りどこでも従魔がついてくの!」

「天国も?」

「うん」

あ、じゃぁ死んだんだ…。ギリギリ刺さなかった気がするんだけどなぁ。

「ちなみにナイフをレイティーンに指定された通り作ってしまったのも従魔の契約が原因で、主に命令された魔法はできるものはすべて返しするしかないんだよ。」

「なぁんだ。死んでもいいって思ったんじゃないの?」

「そんなことレイティーンに思うわけないじゃない…」

「カラメロ!」

「感動の打ち解け中悪いけれどこちらの誤解も解いてもらおうかしら」

高く澄んだ、荘厳な響きを帯びた声が聞こえた。

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