初のクエストは…
グチャ
今の音は、リリとカラメロが地面に衝突してグチャってなる擬態語だね。え、ええとぉ、私達は薬草の主な大産地、北の方にあるディシカル高原に来ました。
「いや、それで説明終わりにしたいでください!ジュロンを置いて出てきた私たちは、南の街からこんなに遠いディシカル高原にどう行くのかと思ったら、お嬢様にまた魔法で空を飛ばされて、そしたらお嬢様が『みんな強そうだしココでいっか!』っておっしゃって標高2000mのところで魔法を切ったせいで地面に追突したんじゃないですか!」
「まぁ、みんな無事だし?」
「「うっ!」」
ちなみにリリとカラメロの下にはカラメロの魔法でふかふかのクッションがいくつも積み重なっており、リリが魔法で2人(1人と一匹?)の怪我を治している。
「ほ、ほら!怪我はしてるよ、レイティーン」
「う〜ん。かすり傷じゃん」
「うぐっ」
「これから戦場では私の魔力の温存のためこうするかもだし予行演習だったんだけど…だめ?」
…この人、カラメロとリリがその分たくさん魔力使っているのを分かってない
1人と一匹の心が一致し、ツッコむことをやめた瞬間だった。
「ちなみに…お嬢様にお怪我は?」
「私は無事よ!あぁ本当にギロチンでも死にそうにないわね!」
ちなみに私の周りには未だに砂埃が舞い、半径十メートルの半球が生成されている。
「クレーターってこんな感じ?」
いや、隕石かいな!って突っ込んでくれるの期待したのに、やっぱクレーターは通じなかった。悲しい。
「で、お嬢様。私たちすでに疲弊しているのですが薬草とります?」
「あっはは!みんな体力ももないわね!でも、いいわ。お昼にしましょう」
ちなみに前世の私は階段十段で肩で息していた人種ですが?地方の中学校通ってたから一人暮らしで色々自分でやらないとで超疲れていましたよ?
「「ありがとうございます!!」」
なんか騙してる気分になるのはなぜかしら?
「今日のお弁当はサンドイッチよ!」
「私サンドイッチ大好き!」
「よかったわ、カラメロ。実はね、これ私が作ったの。」
「え?お嬢様の手作りですか?厨房へいつの間に…」
「深夜に起きて作ったのよ!さあ、BLTサンド、召し上がれ!!」
そう蓋をとって出てきたのは…
いっぱい中の汁が溢れ出て食パンを食べやすく湿らせているトマト。薄く削る段階よりも前、味付けて焼くところからこだわって作ったのだが切り方が下手すぎてなぜか十人十色状態のベーコン。挟み方の問題でトマトの汁に浸され、シナシナになったレタス。
極めつけには、周りが黒焦げになった食パン。
「あ、…。まあ、失敗してしまう日だってあります!気にしないで…」
「え?誰が失敗、だなんて言ったの?」
真顔で聞き返してみる。本当は料理下手な自信はあるし、味見したらベーコンはしょっぱすぎるし色々食べづらいし全体的にシナシナだして、『まあ、栄養取れればいっか』みたいな味ではあったが。私はチートを手に入れたのだ!前世は一応家庭料理くらい作れた!今世では料理が下手になっただなんて認めないぞ!!
「「いただきます」」そんな死の淵にいるような顔しないでよ…
2時間後
「そろそろ回復した?」
「は、はい。申し訳ございません…。お嬢様のサンドイッチがあまりにも素晴らしくて…」
「心にも思ってないことはお世辞でも言わないで。いやぁ、私ね、この力が大きすぎて苦労してるのよ」
実は、このサンドを作る途中たくさんハプニングがあった。
1、トマトをまな板に乗せようと、軽くつまむだけでつぶれた
2、包丁を振りかぶったら、まな板ごとキレてしたの台にも切れ目がついた。
3、スパイスをふってたら前世の感覚の十倍くらいの量でた
4、パンを炙ろうとしたら、火魔法が強すぎて最初のパンは一瞬で消し炭になった。
5、挟もうとしたら、色々潰れてしまった。
はぁ。
実は、日常生活で使うものについては強化魔法をかけてちょっとやそっと力を込めても原型を保てるようにしてある。しかし、食べ物に関しては魔法をかけるわけにはいかず、この有様だ。
「さ、さあ!薬草採取よ!」
「はいっ!」
しかしどれが薬草なのかまったくわからん。
「クエストではフォグネスの花でしたよね…。」
フォグネスの花は色んな薬に使う基本的材料だと、レイティーンの記憶にある。上の方がピンクで下にかけて紫にグラデーションする花らしいけど、背丈が低いみたいだから、うまく見つからない。
「どうしましょう、お嬢様。」
「あっちにも、こっちにもある!」
カラメロだけがどんどん採取していく。
「う〜ん。あ、闇魔法の中に変身魔法があったわよね」
「はい、さまざまなものに姿を変えられるっていう。」
「それよ!」
「え?」
「ほらリリ、手をグルッと回して叫んで!『へ〜んしん!』」
「変身!うわぁぁぁぁぁぁ~!」




