冒険者ギルド
ギィ
木製の重い扉を開くと、暑苦しいほどの冒険者の熱気と、むせ返るようなアルコール臭を感じる。ここのギルドは酒屋も兼ねているようだ。少し中へ入って周りを見渡す。一階がギルド、二階が酒場か。変なマントの小さい身長の者たちが入ってきた、ということで一部は注目してくるが、銀髪に紫瞳を晒すよりは良かったと思う。このマントはもしマントの隙間から腰まで伸びた銀髪が見えたりしても、銀だとよくわからないように特殊加工してある。そう、このマントをかぶった私は、レイティーンではなく最強の冒険者リールなのだから!あえて男とも女ともつかない名前を選んだ。とことん身バレの警戒だ。私も含め、全員が話さないということにもしている。念話を覚えた。まぁカラメロは肩に乗っているので、従魔だというのはわかるだろうが。
(冒険者登録は特に身分証とかいらないんだよね?)
(ええ、そう聞いたわ)
(あそこのカウンターだと思います!行きましょう)
念話は高度な光魔法だ。パーティが皆とで、良かったと思う。
「いらっしゃいませ、冒険者登録でしょうか」
ギルド嬢のイメージとは反対に、受付は若い男の人だった。
「深くローブをかぶっていらっしゃいますね。冒険者登録の際は、お手数おかけしますがローブを取って顔を確認させていただかないと、重複登録を犯しているか確認できませんので…」別人としてギルドに2回以上登録するのは犯罪だ。いつか来るだろうとは思っていたが、まさか顔の確認がこんなにも早いだなんて…。
ギルド員は防衛はできるが、こちらが特に何もしない限り攻撃できない。しかし相手にレイティーンだと叫ばれたら?それが今一番の私達への攻撃だ。
ゆっくりと右手と左足に魔力を集中させ始める。
(私がとんだら、扉を開けて)
(はい。)
短い言葉で手に取るように伝えるのも念話のいいところ。私が今からしたいことがちゃんと伝わったようだ。
「ですので、ローブを…。っ!」魔力が集まった瞬間。魔力を使って身体強化した。あれから何回か魔法の練習をしているうちに気がついた、私は自然にできるようになっていたけれど他の人にはなかなかできないらしい、魔力を使った身体強化。幼く細身のレイティーンを助けるのに、これ以上ない技。おそらく総括神が授けてくれたのはこのことだろう。
右手で男の襟首をもち左手で口を塞いで叫べないようにする。勢いをつけた左足で、ひとっ飛びにギルドの裏口へでた。
「は、なしてく、だっ」
どうせ顔を見られるなら喋ってもいいかな
「手荒な真似をしてすみません。しかしこちらにも事情がありまして」あ、…。
ニコニコ言ったけどすごい悪党ぽい台詞になっちゃった。
反省しつつローブをとる。リリとカラメロのもだ。
「銀髪……。紫!」一瞬のことだった。
そう叫んだ彼は、素早く私の後ろに回り込んで短剣を突きつけている。
「あなたは…?」
「どうせあなたは死ぬのだから話してあげましょう。
私はリキャリニス公爵の部下ですよ。訳あって ギルド員をやってます。」
「父の…」
「あの方を父と呼ぶなっ!オチコボレがっ!」
激しく叫ぶ彼はしかし、本心で言ってるようには思えなかった。
「あの、やるなら早くやってクダサイ」
「はぁ?自分の命だぜ?」
「いや、私死なないと思います。少なくとも国宝級のミスリルソードで伝説の勇者、とかにやってもらわないと」
思わず真顔になる。
そう、チートが過ぎて多分なかなか死ねないのだ。まあ、私を追う人を殺さないといけなくなるのも嫌だし、ギロチンだと死ななくてもちょっと痛そうなので断罪回避はするけれど。
「ちょ、調子を崩しやがって!もう許せん!」
彼が短剣を首に刺した。いや、刺そうとした。
かすり傷一つないレイティーンの首と、割と高そうなのに刃だけが綺麗に折れて床に転がっている、持ち手のみの短剣を、思わずというように重往復して口をあんぐり開けている。
「ぎゃふん」
人って本当にそういうんだな~。呑気にそんな事考えてたら、泡を吹いて倒れた。
「っここは…」
「目が覚めましたか?」
おかしい。完璧故に傲慢だが、肝心の魔法が使えないと陰口を叩かれている少女が魔法で氷を生成して、あろうことか、さっき自分を殺そうとしたものの看病をしている!?
「改めて名乗りましょうか。レイティーン・ド・リキャリニスです」微笑んではいるが、隙がない。
なんとなく、礼儀を守らないと命が危ない感じがして名乗る。
「ジュロンです」
「家名がない…ということは平民?」
「はい、捨て駒ですよ」不思議だ。話すつもりがなかったことまで話してしまう。
「捨て駒…」
「あなたのお父様からね、僕たちは命じられているんです。仮にレイティーン様と二人きりになったら、必ず殺すようにって。その機会があるのに何もしなければ、次はお前たちの首が飛ぶぞって」
もしも3000pvいったらお祝いでちょっと本編から関係ない話書きます!
1ハロウィン
2夏祭り
3お正月
どれがいいか、感想でお寄せくださると嬉しいです!
(集まらなければルーレットで決めます!)
本編とはキャラ設定、世界線設定以外関係ない短編ですね!どうぞよろしくお願いします!




