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作戦編

修平は怒っていた。


ワトソンの高専時代の友達、しゃちくのリーマン修平は。


渡邊の野郎、幼少時代の空手の時から、俺をうちのめし、高専で同じクラスになったと思いきや、偉そうな発言に、余裕ぶっこいた態度。


挙げ句俺が片思いしていた、Dさんが渡邊に思いをよせ、そんなことにも気づかず、しらんぷりで、遊びに遊んで、就職し、社会に通用しないでざまぁと思いきや、その後実家に帰ってきて、スロットなどで生活。


苦しんで苦労して、ようやく生活している俺達反渡邊軍にとって、渡邊が病気になったという一報は最高の朗報だったのに。


なのに。


それをからかい嘲笑おうと、思っていた矢先、アイツは、ふざけたことをしやがった。


あいつにとって、世の中から、金の概念を消しやがった。


俺の計画や、考え、思いは全てパーになった。


全ては何も意味もないものになってしまった。


くそう!


この野郎。


絶対許さない。


これが、幼少期から高専時代、そして今にいたる修平の声や気持ちである。


勿論これは、ワトソンの一方的な妄想なのだが。


ある人間はこうだ。


コヒレ。


コヒレの萌ちゃんの声や気持ちはこうだ。


あのやろうぅ、クリスマスプレゼントから、散々私にアピールをしておいて、いっぱい必ず、メロンソーダ頼んでおいて、連絡先一つ私に教えず、いったい何を考えていたんだ、まったく、くそ。


どうせ、ヤリモク小僧だろって、思っていたのに。


いつのまにか、世の中の全員が気になる、日本の関心事になりやがって。


あいつを絶対わたしのものにしてやる。


くそぉ。


もう、逆に私たちの声盗聴器の受信機を渡して、聞かせまくってやる。


まぁでも、その盗聴器の受信機にも、盗聴器入ってるんだけどね。


あるときのやり取りはこうである。


コヒレと複数の女の子が。


「ってかさ、あの、ワタナベっていう奴いるじゃん。あいつマジやばくない?」


「ああ、あの毎回絶対飲み物買う人でしょ」


「うんうん、ぱないぱない」


「あの人さ、正直ヤリモクだと思うんだけど、いつ仕掛けてくるんだろうね」


「そうそう、全然進展しないなしだよね、やばくない」


「ってか、あの子もしかして、童貞じゃない?」


「うっそー? それは、ありえんくない? 童貞だったらまじやばいんだけど」


「だってさ、だってさ、ずっと飲み物頼んで、楽しそうに会話ふっかけてくるけど、めっちゃ奥手じゃん、きっと童貞だよ」


「間違いないね、童貞確定」


「童貞! いぇーい!」


「おい、童貞聴いてるか、そろそろやらせろや、こっちからは動かねぇからな、マジふざけんなよ、ぶっころすぞ」


「ってかこれ、本人に盗聴されてたらやばくない?」


「まぁ、盗聴させてあげてるんだけどね」


「ってなわけで、待ってるよ♡ ワタナベくんっ!」


そんな乱暴な会話がコヒレ達のグループで展開されているという妄想があったりで。


そして、ある人は、こうだ。


学生時代の男友達、池田。


それは、就職先で。


池田が人生の先輩上司達に学生時代の話をして。


上司が。


「君達の友達で、ゲイみたいなノリの面白い子はいなかった?」


すると池田が。

「あ、いました」


上司が言う。


「ふーん……そいつ全然勉強とかしなかったし、できなかったっしょ?」


「そうですね、確かに」


「ギャンブルとかやってて強くなかった?」


「強かったです」


「で、今病気になって、実家で療養してるっしょ?」


「してますね」


なんでわかるんですか?


「ああ……そのパターンね。そいつは、おそらくカープファン。で、そいつ多分その後テレビに出るぞ。そしてあるいわ、漫画家になるか……作家になるか……」


「そ、そうなんですか!?」


「ああ、いつまでも、みんな友達学生気分ってやつは、最終的には芸能人になる可能性高いよ」


「うそだ」


「まじまじ。まぁ作家になったパターンだったら、そいつと縁は切らないほうがいい。その後その子の健気な姿から、物凄く元気が貰えるから」


「そうなんですか」


「うんうん」


という、そんな就職先での職場でのやりとりが展開されているという妄想もあって。


ある人は、こうだ。


学校の先生たち。


高専時代の先生。


授業で寝てばっかりの俺に、物凄い剣幕で怒り、説教し、顔もみたくないと言わしめたドイツ語、倫理社会担当の超優しい藤本先生。


「わたなべくん、逮捕されちゃったの~~~~、やっぱりぃ~~~~またか~~~~。でも、知ってたよ。実は、本当は優しい子しか留置所へは行けないってこと。先生は、あの時めっちゃ叱りつけちゃったけど、ごめんねぇ~~~! わたなべくんの事を思って言っただけだからねぇ~!」


数学の滑舌が悪く面白い、超怖い、山崎先生こと崎さん。


「カープファンの子いじめちゃだめだからねぇ。君には、気をつかって怖い思いはさせないようにしていたよ。いやぁ~今君の風が吹いてるねぇ……すごい! こんなに世間の人が注目してて、女の子も君に夢中なのに、絶対に『泌尿器科に行かない男』おもしろいねぇ。てっきりカープの優勝を気に君は、中日ファンに移るとおもったよぉ」


野球部先生顧問担当、千葉先生は。


「わたなべ……うーん……なんかうーん……」


中学の理科担当中山先生。


「お、カープ優勝しましたか。わたなべくんは、面白い存在だったね。きっと作家になると思ったよ。先生はそう思ってみてたよ」


小学校の一学年下のクラスを受け持った美人な佐藤先生。


「わっちゃん、いい男になったねぇ! 先生とさ、楽しいことしない?」


先生関連の妄想。


あげるときりがないが、こんな感じである。


他にも、有名芸能人、平成ノブシコブシ吉村、哀川翔、アンジャッシュ渡部、やくみつる、明石屋さんま、有村かすみ、あげるともう霧がない妄想の数々。


プロ野球会では、スカウト末永真史さん、カープのミスター山本浩二。現役選手では、丸佳浩選手や、菊池涼介選手。


その全ての人達が、一度、どこかで、この「ワトソン盗聴盗撮大追跡」の全貌を明らかにするべく、集合会食を望む声が集まっていた。


そして、その集合会食をセッティングするため。


動いた男がいた。


そいつが、そう。


ガンダム00監督―-水島清二監督である。


俺の妄想では、よく水島監督が、出てくる。


やくみつる同様、ワトソンをからかう行為や妨害をしてくるが、それはやくみつるのそれとは、質が違う。


水島は相手が、本当に嫌がることをしてくる。


完全に極悪極まりない妨害行為。


たとえば、俺が気持ち良くポップンミュージックを弾いてるときに。


勝手に内部オプションをいじり、ポップンの落ちてくるのを、バラバラに左右移動させたり、消えたり、隠したり。


そんなやくみつるの愛あるいじわると違い、相手の感情を逆なでする、酷い妨害がほとんどで。


その水島清二監督が、この集合会食をすべく、様々な作戦を立案していた。


ここは、こうして、ください。


ここは、こう、そうそう。


そんな感じで、さまざまな人間や、罠を仕掛け、本日。


集合会食をするたけに、ワトソンーー渡邊祐樹をおいつめる。


あくまでも、妄想だが、


ここからは、水島組織グループの目線で。


水島「星は動いたか?」


秘書の美人「いえ、まだです」


水島「そろそろ、動くころだ。おそらく、パチンコ店に行く時間だ」


秘書の美人「あ、動きました。パチンコ店へ」


水島「では、おのおの作戦Tを開始する。今から、作戦内容をみんなにメールで通達する」


秘書の美人「らーっじゃ!」


水島が、各戦隊にメールを送信した。


メールの内容はこうだ。


「これより、作戦Tを開始する。まず、パチンコ店の店員、及び、お客ども。目標ワトソンの顔をじっと見るんだ。とくに女性。もし、物凄く魅力的に見えたら、私に教えて欲しい。めちゃくちゃ、かっこよく見えて、ドキドキした者。それをわたしに教えて欲しい。あと、ついでに、監視部の人。アイツの家族の家に言ってあるものを取って来て欲しい。あるものはのちほど言う。脅迫、賄賂なんでもいい。絶対にそれが必要だ。それと、情報部。あの秘密兵器を用意してくれ、あの方だ、秘密兵器Sだ」


そして、作戦は開始された。


水島は、オレンジ色のテントウ虫と呼ばれた車、マツダのスバル360に乗り、ワトソンがいるパチ屋移動。


「これより、ワタナベユウキ--ワトソンを集合会食へ招待するための追い込みをかける。各自位置についたか! では開始する!」


こうして、俺と、組織との、最後となるかもしれない、全面戦争が、今。


始まった。

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