9/26
ノベオクリ La funebla ceremonio
野辺送りに付き添い歩む。
道の両側は薄く積もった雪で真っ白だ。暗い空高くに虹色の光の帯がはためく。
私はずっと泣いている。何がそんなに悲しいのかよくわからない。誰の葬儀なのかも知らないのだ。
黙って列とともに歩み、たどり着いた先、火葬の場所にはすでに冷たい石が積まれてあった。
その上に人体が横たえられる。人々は隠しから星の小さな欠片を取り出し、積石に放る。
私も倣って星を投げた。それはコツコツと石に当たり激しく燃えだす。音のない、青白い炎が立ちのぼる。
さようなら、と私はつぶやく。
すると次の瞬間、私が火の上で葬送の集団を見下ろしている。さようなら、と言葉を残し上昇していく。
今日、私の中の何かが、要らないものが行く世界へと赴き、私はおとなになった。
だが要らないものの世界とはこの世だろうか、空の向こう側だろうか。
Fino