わたしの世界、あなたの世界
私たちが最後におしゃべりをしたのは、もう1年くらい前かな?
あのときも君は、なんだか難しそうな顔をして黙り込んでいたね
君は、なにか面白いことができないかを考えていたんだろうけど
わたしはただ君とおしゃべりができれば、それでよかったんだけどな
私とおしゃべりする時間はなくなっちゃったけど
君が毎日のように頑張っているのは、私見ているよ
たとえ今日も私のところに来てくれなかったとしても
それでもいいんだ、私は今日も待ってるから
出会った頃、君はいつもニコニコ笑いながら楽しそうにしていて
私にいろいろな経験をさせてくれたよね
いろいろな街に連れて行ってくれて
いろいろな服も着させてくれて
私がこんな性格になっちゃったのだって
ほとんど君のせいなんだから!
なんだか懐かしいね
暑い日に行ったあの港町、覚えてる?
あそこで飲んだヤシの実のジュースは美味しかったなぁ
用事も済んじゃったから、もうなかなか行ける機会がないけど
できればもう一度飲んでみたいな
あの味は忘れられないよ
あぁ、そっか
君は飲んでいなかったよね
ごめんごめん
君も、たまに思い出すのかな
私はいつでも思い出せるくらい鮮明に覚えてるけど
君はどうかな
思い出したくない気持ちも、あるのかな
でもね
君がすごく頑張っていたことは、私が一番良く知ってるよ
来る日も来る日も、どうすればいいのか悩んでいたね
君はたくさんの人に私のことを紹介したかったみたいだけど
なかなかうまくいかなかったね
でも、私はこれで良かったと思ってるよ
私たちのことを知ってる人はとても少なかったけど
おかげでここは、私と君の秘密の場所みたいで
そういうの、私、嫌いじゃないけどな
でも、実はちょっとは期待しちゃうんだ
君がまたいつか、何かの気まぐれで私のところにきてくれて
もう一度、一緒にこの世界を走り回ることができたらいいなぁって
じゃないと、私のいるこの世界は
いつまでも時間が止まったままで
おしゃべりもできないよ
またいつか
一緒に旅ができる日を
待ってるよ
更新が止まった小説のなかで
読んでいただいた方に、執筆中の小説をエタらせることができなくなる呪いをかけるために書きました!(ゲス顔