次の地獄
次の地獄に行けそうな男。
次の地獄はどんな鬼やどんな裁きをするのか。
男は不安ながらもしっかりと仕事をこなしていく。
俺はこの前、死んでしまい地獄の鬼になった。
当たり前だが、鬼になるのは初めてだ。
何をすればいいかなど、全然わからない。
ぼーっとしていると、青鬼が俺のほうに迫ってきていた。
何かされないだろうかなど不安だったが、いきなり「お前が新しく入った鬼か!よろしくな!」
なんか案外なれなれしくて優しい感じだからよかった。
怖い鬼だったらどうしようかと考えていたほどだ。
「ここは等活地獄だ。まぁそんなに深くないところだな。」
なるほど、地獄にも種類や高さがあるのか。
「ここでは、殺人を犯した奴が落ちるところだ。下に行けば行くほどどんどんやばくなるぞ。」
なぜかニヤニヤしている。まぁ鬼には面白い話なのだろうか。あ、俺も今は鬼か。
「ここではお前も拷問するんだ。一日に100人くらいかな?」
100人なんて!俺はまず人を痛めつけるなんて到底できない。
「一つ言っておこう、俺たちも楽しんでやってるわけじゃねぇ。ちゃんと罰するという心をもって苦しめろ。」
なんかいいことを聞いた気がする。やはりみんな楽しいわけじゃないんだな。
「あとな、地獄では相手を苦しめて罰せなければいけない。そこで、ある呪文を使うんだが「活活」と唱えれば相手を蘇らせることができる。まぁ、やってみればわかるさ。」
そんなものがあるのか、自分がされると思うと冷や汗が出てくる。
「まぁ、頑張ってやっていけば次の地獄に行くことができるから頑張れ!」
なるほど。まぁやらないと何も始まらない。
人の心を無くして、楽しまず。
「あああああああああ!!!!!」
すごき痛そうだ。だが、こいつは悪いことをした人間なのだから罰せなければ。
「あああ…………。」
死んでしまった。「活活!!!」
「………ああああああ!!!!」
本当に生き返った。あぁ、すごく痛そうだ。
これを何回もやるなんて精神が持つかどうか…。
あぁ、何人やっただろう。おそらく9人くらいやったと思う。まだまだだな。
その日はすごく疲れがたまっていてので寝た。
鬼は順番交代で入れ替わり、拷問をするらしい。
かなり大変な仕事だ。
俺はそれを毎日毎日やった。
すると、あの青鬼が「次の地獄に行けるな!頑張れよ!」
次の地獄かぁ。まだ何があるかなど、どんなことをするかなど全然わからない。
わかっているのは、ここよりも残酷で。深いということ。
大変な仕事だということが身にしみてわかる。
俺も頑張らねば。俺は毎日毎日拷問し続けた。