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笑顔の絶えない世界~道楽の道化師の軌跡~  作者: マーキ・ヘイト
第四章 冒険編 オークと子供達
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レベルアップ

今回から第四章です。

 「本当にいいんですか?」


 オオラカ村の入り口まで、村長とアメリアは真緒達の見送りに来ていた。そんな中、村長がリーマに大会の優勝商品であった、“アーメイデの魔導書”の引きちぎられたページを手渡した。


 「勿論です。元々、アメリアを笑わせてくれた人に贈呈するはずの物でしたから、あなた方に受け取って欲しいのです」


 「そういうことでしたら、喜んで受け取りましょう……よかったねリーマ」


 「……はい」


 村長にお礼を述べつつ、小声でリーマと喜びを分かち合う。


 「では、こちらを……」


 リーマが受け取った瞬間、懐に入れていた“アーメイデの魔導書”が光始めた。


 「な、何!?」


 引きちぎられたページも光始め、二つそれぞれが浮遊する。


 「いったい、どうなっているんだ!?」


 魔導書とページ、二つの光が空中で回り始め、次第に近づき重なり合う。一つの光となり、リーマの両手に収まる。


 「……なんだったの今の?」


 「分かりません……」


 「すごい、ぴかぴかって、ひかってたね」


 「そ、そうだね……」


 アメリアの素直な感想に落ち着きを取り戻す。


 「リーマ、ページはどうなったの?」


 「あ、そう言えば……」


 リーマは魔導書を開いて見る。


 「こ、これって……!」


 そこで目にしたのは、引きちぎられたページが魔導書と結合し、ちぎられた痕も無くなっていた。


 「凄い……あんなにシワシワだったのに、こんなにも綺麗になってる……」


 「これが魔法の力か……」




***




 「村長さん、この度は色々とお世話になりました」


 「いえいえ、私も娘を助けていただいた恩人の方々に、細やかですがお礼が出来て嬉しいです」


 魔導書の一件でバタバタしてしまったが、改めてお別れの挨拶を済ませた。


 「それでは、私達は行きますね」

 

 「皆様の旅のご無事を祈ります」


 「おねーちゃん、またあそびにきてねー!!」


 「うん、必ずまた遊びに来るからね!」


 真緒達はアメリアに手を振って別れを告げた。そう、真緒達の旅は始まったばかりなのだ……。




***




 

 「それにしても、アメリアちゃん可愛かったね」


 「そうだなぁ、元気一杯でごっぢまで元気を貰っぢゃだだよ」


 「それに、笑った時がとにかく可愛くて、癒されましたよ」


 「確かに可愛かったが……元気が良すぎて、疲れてしまった」


 フォルスの顔が、少し(やつ)れたように見える。


 「アメリアちゃん、フォルスさんにベッタリでしたからね」


 「子供に好がれやずいんだろうねぇ」


 「素敵ですよ、“フォルスパパ”」


 「止めてくれ、俺の年になると冗談に聞こえなくなる」


 「「「あははははは」」」


 しばらく、アメリアの話題で盛り上がると、真緒が後ろにいるエジタスの方に視線を向ける。


 「そう言えば、師匠。あの時のスキルは何ですか?」


 「あの時?」


 「ほら、ゴブリンの時やハイゴブリンの時ですよ」


 「あ~、あれですか」


 エジタスはゴブリンの時に見せたスキルの事を思い出した。


 「あれは私のスキルの一つで、“滑稽な踊り”と言います。能力は実に単純で、私の半径一メートル以内の生物を対象に、私から目が離せなくなってしまうのです」


 「つまり、視界を奪うってことですか?」


 「その通りです。解除方法は二つ、私の踊りを最後まで見るか、私を殺すか、です。あのハイゴブリンは後者を選びましたが、残念な事に私は“転移”が使えるので、いつでも避けられるのですよ」


 「はぁー、また師匠の最強が証明されたわけですね」


 真緒は尊敬するエジタスが強すぎるあまり、吐息を漏らす。


 「そんなことありませんよ~、このスキルにも弱点があるんですから……」


 「弱点?」


 「はい、実はこの“滑稽な踊り”が発動中は、他のスキルを発動出来ないんですよ」


 「それでも、魔法が使える師匠は、最強なことに変わりありません!」


 「そうですか~?そう言ってもらえると、こちらも嬉しいですね~」


 真緒に褒められて、舞い上がるエジタス。


 「私も早く、師匠のように強くなりたいです……」


 「おや?それでしたら、この間の戦闘で、マオさんとリーマさんのお二人、レベルが上がっていましたよ」


 「「え!?本当ですか!?」」


 真緒とリーマがエジタスに詰め寄る。


 「え、ええ、この前の戦闘後に鑑定したので間違いありません。何なら、確かめましょうか?」


 「ぜひ、お願いします!」


 「私もお願いします!」


 「では、いきますよ……スキル“鑑定”」




サトウ マオ Lv8

種族 人間

年齢 17

性別 女

職業 目覚めし勇者


HP 870/870

MP 670/670


STR 485

DEX 400

VIT 350

AGI 625

INT 520

MND 515

LUK 800


スキル

鑑定 ロストブレイク 過去への断罪

 

魔法

“New”光魔法 


称号

過去を克服せし者




リーマ Lv13

種族 人間

年齢 15

性別 女

職業 魔法使い


HP 160/160

MP 320/320


STR 20

DEX 153

VIT 85

AGI 105

INT 265

MND 188

LUK 90


スキル

なし

 

魔法

音魔法 改変魔法


称号

なし


所持品

アーメイデの魔導書




 「本当だ……少しステータスが上がってる」


 「それだけじゃありません……新しい魔法まで覚えています……」


 「そうですね~、マオさんは光魔法に追加されて、リーマさんは新しい魔法そのものを覚えていますね」


 「は、早く調べてみましょうよ!」


 初めてのレベルアップに、興奮が治まらない真緒。


 「落ち着いてください、慌てなくても調べますから……スキル“鑑定”」




光魔法


ライト ホワイトボディ




 「“ホワイトボディ”というのが増えてます」


 「では、詳しく調べてみましょうか」



 

ホワイトボディ


白く輝く衣を身に(まと)い、あらゆる災難から守ると言われている。常に発動している。


能力 弱い毒や呪いを無効化する。


 

 

 「凄いですね~、常に発動しているということは、わざわざ言葉にしなくても良くなりますから、毒や呪いに怯えなくてもいい訳です」


 「便利ですね!」


 「では、次はリーマさんの番ですね」


 「はい、よろしくお願いします」




改変魔法


ネームドチェンジ



 

ネームドチェンジ


物理 魔法 スキル それぞれの、名称カテゴリーを変更できる。




 「……えっと、つまりどういうことですか?」


 いまいち、理解できないリーマ。


 「つまり、それぞれ他の枠組みに変えられる、ということです。たとえば、マオさんのスキル“ロストブレイク”をスキルの技としてではなく、魔法としての技に変えられる、感じです」


 「それって、何か意味があるんですか……?」


 「いや~、それはちょっと分かりませんね~、私も初めて見る魔法ですから……」



 エジタスはここに来て、初めて戸惑いを見せた。


 「そんなー、せっかく覚えたのに……」


 あまり需要が無いと分かってしまい、落ち込んだ表情を見せる。


 「まぁ、まだ覚えたばかりの魔法ですからね、今後のレベルアップの際に、新しく追加されるのを期待しましょう」


 「…………はい」


 エジタスの励ましの言葉に、少し落ち込みを取り戻したリーマ。


 「それで、今度は何処に行くつもりなんだ?」


 今後の予定について、フォルスが訪ねてきた。


 「あ、それはもう決めてあります!」


 その問いに真緒が答える。


 「昨日の夜、村長さんから聞いた話ですけど、ここから三日間歩いた先に、荒地地帯があるらしいので、そこに行ってみようかと……」



 「成る程、ついにこの草原を抜け出すという訳だな」


 「それでは、行きましょう。目的地は、“クレバの荒地”です!」


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