真緒パーティー VS ゴブリン軍団(前編)
最近、更新する前に寝落ちしてしまう……。
さてそんなことより、今回は前編、後編と分かれます。
「……って言ったはいいけど、何処にいるのか知らない」
真緒達はあの憎きハイゴブリンから、アメリアの大切な七色に輝く玉を取り返すべく、村を勢いよく飛び出したのだった。しかし、肝心のハイゴブリンの居場所を知らなかった。
「戻っで、村の人達がら聞いでみるがぁ?」
「あんな自信満々で取り返すって、言ったのにですか?」
「四の五の言ってても仕方ないだろ、どうやってあのゴブリンを、見つけ出すか考えるんだ」
「ん~、そうですね~」
各々が頭を捻り、考え始める。
「……そうだ!こういうのはどうでしょう?」
「どういうのだ?」
真緒は閃いた自身の考えを皆に伝える。
***
「グギャア!!」
真緒達は今現在、数匹のゴブリン達と戦闘している。
「はぁ!」
真緒がゴブリンを斬り倒し、残るは最後の一匹になった。
「ギィィ……」
ゴブリンが真緒達の予想以上の強さに、狼狽えていると……。
「ふぅ、さて残るはあなただけですね。ですが、あなたは殺さないであげましょう」
「?」
「意味が分かりませんか?あなたには、伝達役になってほしいのですよ。あなたのボスに伝えなさい!私達はゴブリンを全滅させる者だと!!」
「……ギィ!」
生き残りのゴブリンは一目散に逃げていった。
「行ったな……」
「それじゃあ、追いかけましょうか」
そう言うと、真緒達は逃げ出したゴブリンに、気づかれない程度の距離を保ちつつ、追いかけ始めた。
「じがじ、よぐ思いづいだだね」
「敵のゴブリンを一匹だけ生かして、アジトの案内役にさせてしまうんですから」
「頭が良いな」
「感心しましたよ~」
「えへへ、そんな大したことではありません」
真緒の考えた作戦は、そこら辺にいるゴブリン達と戦闘をして、わざと一匹だけ残せば、助けを求める為に一度アジトに戻るだろうから、それを追いかければあのハイゴブリンに会える筈、というものだった。
「取り敢えず、第一段階は成功だな。あとはあいつが、ハイゴブリンの所に行くかどうかだが……」
「そこは天に祈りましょう」
真緒達はそのまま、逃げるゴブリンを追いかけていく。
***
しばらく追いかけていると、ゴブリンはそこそこ大きな、洞穴へと入っていった。
「あそこが目的地かな?」
真緒達は洞穴の入口前で止まった。
「少し、中の様子を覗いてみよう」
「うんだな」
「そうしましょう」
真緒達は洞穴の中を見るため、顔だけ覗かせた。すると……。
「ギィィ」「ギャギャ」「キシシシ」
「クキキ」「グギャギャ」「ギャジジ」
そこには大量のゴブリン達が、巣くっていた。
「あんなに沢山いたんですか!」
「多ずぎで、数えられないだぁ……」
「これじゃあ、どれがあのハイゴブリンか分かりませんよ……」
「いや、分かるぞ。あの一番奥にいるふてぶてしい奴だ」
フォルスが指差した方向には他のゴブリンよりも、頭一つ分大きいゴブリンが座っていた。
「あ、本当だ!確かに、あいつです!絶対に許しません!!」
「落ち着け、まだその時じゃない。作戦では夜中に侵入して、玉とポーションを奪還するんだろ?それまで堪えろ」
「うう、分かっていますけど……」
そう、真緒の作戦では戦闘をしない。目には目を、歯には歯を、盗みには盗みでやり返すつもりだ。
「ギャキャ!」
見逃したゴブリンが、ハイゴブリンの下まで辿り着いた。
「あアん?いったいドウした?」
「ギギギ、グギャグギ」
ゴブリンは先程あった真緒達の、伝言を伝えた。
「成る程~ソレで俺にわざワザ、伝えに来てクレタのカ……」
するとハイゴブリンは、見逃したゴブリンの肩に手を乗せて、そのまま腹にナイフを突き刺した。
「ギィギャア!?」
「敵の罠にまんマト嵌まりヤがっテ!チょっト考エレば、尾行されテイルって気づクダロウが!!こノ、面汚しガ!」
何度も何度もナイフを突き刺すと、次第に、見逃したゴブリンは動かなくなった。
「フー、おい!ソコにいるのは分かっテル。出てこイ」
ハイゴブリンの目線はしっかりと、真緒達のいる場所を捉えていた。バレてしまった以上、盗むのは不可能。真緒達は大人しく出ていった。
「オンや~誰かト思えば、昨日のバカどもじゃネェか?」
「どうして……」
「あア?」
「どうして殺したんですか!?仲間じゃないんですか!?」
真緒は、無惨にも殺されたゴブリンに対して、同情していた。
「そうイウコトカ……バカかお前?こいツラは俺様の手下ナンだよ。仲間ナンカよりもずっト扱いヤスい道具ナンだよ」
その言葉には一切の暖かみは感じられず、そしてまた、ゴブリン達もそれが当たり前だと思っている。
「……許せない。あなたみたいな、仲間を道具としか見ていない奴は、絶対に許さない!」
真緒の言葉から、強い怒りの感情が読み取れる。
「許さナイだぁ?それはコッチのセリフだ!勝手に俺様のアジトに足を踏み入れタンダ、覚悟は出来てるンダロうな?」
逃げられないように、真緒達の周りをゴブリン達が取り囲む。
「テメーら、コノ小生意気な連中ヲ殺せー!!」
「ギャギャッア!!!」
ゴブリンの大群が、真緒達へと襲い掛かる。
「はぁあ!」
真緒は咄嗟に剣を抜いて、襲い掛かるゴブリンの一部を斬り伏せ、身を守った。
「私だってやれば出来るんです……“スネークフレイム”!
「ギィィ!?」
リーマの魔導書から、炎で形成された蛇が生み出され、ゴブリン達に放たれる。ゴブリン達は炎に身を包まれて、悶えながら死んだ。
「おりゃゃゃ!!」
ハナコは持ち前の手の大きさを利用して、張り手感覚で薙ぎ倒していく。
「スキル“ロックオン”からのスキル“急所感知”……そら!」
「グギャア!?」
フォルスはスキルのロックオンと急所感知を巧みに操り、数は少ないが確実に減らしていく。
「ほい、そい、は~い、他の人ばかり見ては駄目ですよ~私を見てください。スキル“滑稽な踊り”」
「ギィギィ……!」
エジタスは、ゴブリン達の猛攻に難なく避けていく。そして、スキルを発動すると突如エジタスが踊り始める。それはとても変な動きで、ゴブリン達は目を離したくても、離せなくなってしまった。そのゴブリン達の隙を突き、他のメンバーが止めを刺す形になっていた。
「オい!何やっテル!一斉に攻撃を、仕掛ければいいだろうが!!」
ハイゴブリンの助言により、一斉に襲い掛かるゴブリン達。
「不味いだぁ!このままじゃ殺られぢまう!!」
「この人数に弓矢は厳しかったか……」
「どうしましょう!?」
「皆!私の側を離れないで!」
真緒の言葉に従って、一塊になる。そして、ゴブリン達が一斉に飛び掛かってきた。
「スキル“ロストブレイク”!!」
「キギィ!?」
その瞬間、大量のゴブリン達が吹き飛ばされた。
「な、ナンだありゃ!?」
あまりに突然の出来事に、ゴブリン達は動きを止めて、ハイゴブリンも動揺を隠せない。
「……チッ、構うこトハナイ!一斉に襲い続けろ!!」
ハイゴブリンの言葉に、ゴブリン達は再び一斉に飛び掛かってきた。
「スキル“ロストブレイク”!」
それを吹き飛ばす真緒。このやり取りが何回か繰り返され、遂にゴブリン達は全滅した。あのハイゴブリンを残して……。
「はぁ、はぁ、はぁ、さぁ追い詰めたよ。あとはあなただけだよ!」
「…………」
無言。真緒の言葉に反応を示さない。観念したのかと思ったが……。
「ギッシャシャシャ!!追い詰メタ?追い詰めラレタの間違いだろ!」
観念するどころか、挑発までしてきたハイゴブリン。
「お前達は、越えテハいけナイ一線を、越えタンダよ!……いいぜ、ココからは俺様自らが相手してヤルよ!!」
今まで座っていたハイゴブリンが、遂に立ち上がった。黄金のナイフを、先程刺し殺したゴブリンの死体から引き抜いた。
「皆、気を引き締めて行くよ!あの時の借りをここで返す!!」
「泣いて詫びタッテ、もう遅いカラナ!!」
次回 ハイゴブリンと決着!
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