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役立たず

やった、今回はいつもより早くに更新できた。

この調子で目指せ0時!

 「この役立たずが!!」


 城下町のあるお店。そこから怒鳴り声が聞こえてきた。その矢先、扉から一人の少女が摘まみ出された。


 「あう……」


 「毎度毎度、割りやがって!もぉー我慢ならねぇ!お前は、クビだーーー!!!」


 「そ、そんなぁ。あの……」バタン!!


 弁解を求めようとしたが閉じられてしまい、叶わなかった。

 

 「これからどうしよう……」


 少女は摘まみ出された時、一緒に放り出された紫のトンガリ帽子にマント、そして一冊の本を拾い集めた。それらを手に取るとギュッと抱きしめ、涙を流し始めた。


 「師匠……ごめんなさい」


 誰かに謝罪すると少女はトンガリ帽子を被り、マントを羽織る。本を片手にふらふらと国の外へと歩きだした。




***




 武器屋を後にした真緒とハナコは性能を確かめるため、カルド王国周辺の草原に向かっていた。


 「いいのが手に入って良かったね」


 「ごれも全部、マオぢゃんのお陰だ、本当にありがどう。でも、よがっだん?オラなんがに大事なお金を使っぢゃっで……」


 「いいも何も、ハナちゃんと私は友達でしょ。友達の喜ぶ顔が見れたんだから安いもんだよ」


 「マオぢゃん……オラ今人生で最も幸ぜだー」


 あまりの嬉しさに涙目になるハナコ。


 「ほらほらハナちゃん、早くそのガントレットの性能を確かめに行こ」


 「うん!」


 二人は草原に向かって走り出した。




***




 カルド王国周辺の草原。真緒とハナコは互いに向き合う形で立っていた。


 「じゃあハナちゃん、まずはそのガントレットの事を鑑定してもいい?」


 「どんぞ、どんぞ」


 「スキル“鑑定”」




 不壊のガントレット

 

 かつてはどこにでもある普通のガントレットだった。しかし、壊れる度に硬い金属を溶かした液体を上塗りしたことによりその強度が増していき、いつしか決して壊れることのない防具へと変化した。どのような攻撃を持ってしてもこのガントレットを破壊するとは出来ない。

 



 「“不壊のガントレット”。これならハナちゃんの強力な拳にも耐えられるはずだよ!」


 「いづも壊しでばっがだっだオラでも、使う事が出来る……よーじ気合い入れで頑張るぞ!」


 「待って、他にも鑑定したい事があるから。スキル“鑑定”」


 続けて真緒はハナコにあったスキル“熊の一撃”と称号の“破壊者”を鑑定した。




 スキル 熊の一撃

 

 熊人の一族に伝わりし、固有スキル。その一撃を見た者は戦意喪失するほど強力だと言われている。




 称号 破壊者

 

 一つの対象物を三回連続で破壊すると、得られる称号。


 効果 STRが二倍になる。




 「凄い……ハナちゃんのポテンシャルを最大限に発揮させられる物ばかりだね」


 「ぞ、ぞんなぁ、あんまり褒められるど照れでじまうだぁ……」


 両手で真っ赤になった顔を隠す。


 「早速だけどその“熊の一撃”使ってよ。あそこにある木で威力を確かめよう」


 「ぞんだな、じゃあ遠慮なぐ……」


 木の前へ移動したハナコは片手を前方に反対の手は後方へと構える。


 「…………スキル“熊の一撃”!!」


 前方に出した手を後方に引き、後方に引いていた手を前方に勢いよく突き出した。


          ボガァン!!

 木は粉々に吹き飛び、その一部が近くで座り込んでいた少女に襲い掛かるように飛んでいった。


 「あ、危ない!」


 「避げでー!!」


 慌てて危険を知らせようと少女に声を掛けるが間に合わない。


 「……えっ、い、い、いやーーー!!!」


 その瞬間少女の叫び声が、飛んできた木の一部を跡形もなく消し炭にした。


 「「え?」」


 二人は突然の出来事に思考が追い付かなかった。だが、今はそんなことを言ってる場合じゃない。無事だったとはいえ、当たりそうになった少女に謝りに行く。


 「大丈夫ですか?」


 「お怪我はありまぜんがぁ?」


 「………………え、あ、は、はい大丈夫です」


 少女は深く被っていたトンガリ帽子を元の位置に被り直す。


 「それにしてもさっきのは、凄かったですね。魔法か何かなんですか?」


 「は、はい。一応、音魔法と呼ばれるユニーク魔法です」


 「ユニーク魔法!?じゃあ、あれはあなただけの魔法なんですね。羨ましいです」


 「まぁ、うまく扱えてないんですけどね…………」


 「どう言うことですか?」


 「いや、初対面の人に話すことでもないですし……」


 少女は消極的な態度でこちらの目を見ようとしない。


 「でんも、悩んでる事なら誰がに話す事で、少じは気が楽になる筈だよ」


 「…………私の音魔法は感情の起伏が激しくなると勝手に発動してしまうんです」


 「感情の起伏?」


 「私が怒ったり泣いたりすると私の意思とは関係なく、音の超音波みたいな物を発動させてしまうのです。さらに対象物の周波数と同じ音を出してしまうため、割れたり、最悪の場合先程の木のように消し炭になってしまうのです。ついさっきも働いていたお店でゴキブリを見てしまって叫んだら、店中の瓶を割ってしまい、役立たずだってクビになってしまいました。」


 「それは大変でしたね……」

 

 少女は思い出したのか持っていた本を強く抱きしめる。


 「ん、何だぁ、ぞれ?」


 「あ、これは……私の師匠の形見なんです」


 「師匠?」


 「はい、師匠は私に魔法の何たるかを、教えてくださった人なんです。でも生まれた時から体が弱く、修行を終える前に亡くなられてしまいました」

 

 「その師匠さんの形見って事ですか?」


 「はい、師匠が亡くなる直前私に託した魔導書なのですが……」


 何かを言いかけたと思ったら、少女は本を開く。すると…………。


 「こ、これって……」


 「びりびりに破がれでいるでねぇが!?」


 魔導書は一ページだけ残して他は全て引きちぎられていた。


 「師匠が言うにはこの魔導書は昔、勇者の仲間の一人が使っていたらしく、この世のありとあらゆる魔法が記されていたんだとか……しかし、所有者が亡くなってから人の手に渡る際、欲深い人が魔導書の一部を引きちぎったんです。それからは魔導書のページを手に入れられれば魔法を覚えてない人でも覚えられるなんて噂が広まって、師匠の元に来たときにはもう魔導書は今の状態だったと言われています」


 「それで実際、どうだったんですか魔法は覚えられたんですか?」


 「いいえ、魔導書は特殊な文字で書かれており素人には読むことが出来ません。私は師匠のお陰で読むことが出来ますが、今でも魔導書のちぎられたページはこの世界のどこかにあるはずなんです。それを見つけ出して、この魔導書を完成させるのが私と師匠の夢なんです」


 「もじかじで、ざっぎの音魔法はぞの魔導書がら?」


 「いえ、あれは私が生まれた時から持っていた魔法です。そのせいで被害に耐えかねた親は私を捨てました、しかしその後師匠が拾って育てて下さったのです」


 「ぞんな事が…………」


 「魔導書の残ったページに書かれていたのは火属性魔法についてでした。だから実質、私が使えるのは火属性魔法だけです」


 一通り少女の話を聞いた真緒はある決断をした。


 「あの、もしよろしければ私達と一緒に旅をしませんか?」


 「旅ですか?」


 「実は私達、いろんな場所を巡ってそこの文化に触れたり、体験したりしてこの世界の事をもっと知ろうと思っているんです」


 「それってつまり……」


 「私達と旅をすればもしかしたら、魔導書のちぎられたページが見つかるかもしれませんよ」


 「でも、今日初めて会った方々にそんなご迷惑を掛けられません」


 すると真緒は少し、思い詰めた表情になり話始めた。


 「私にも師匠がいましてね。だからその気持ち、よく分かります。師匠の思いを叶えてやりたい、それが私に出来るせめてもの恩返しだから……」


 「………………分かりました。そこまで言ってくださった方の誘いを断るわけにはいきません。私も皆様の旅にお供させてください!」


 「ありがとうございます!これから一緒に頑張りましょう。あ、名前をまだ言ってませんでしたね。私は佐藤 真緒。真緒って呼んでください」


 「オラはハナコだよ。よろじぐだぁ」


 「私は魔法使いのリーマです。これからお世話になります、どうぞよろしくお願いします」


 「よろしくリーマさん、早速だけどリーマさんのステータスを鑑定しても大丈夫ですか?」


 「別に構いませんよ」


 「ありがとうございます。スキル“鑑定”」




リーマ Lv10

種族 人間

年齢 15

性別 女

職業 魔法使い


HP 140/140

MP 300/300


STR 20

DEX 150

VIT 85

AGI 100

INT 250

MND 180

LUK 90


スキル

なし

 

魔法

音魔法


称号

なし


所持品

アーメイデの魔導書

ちょっと会話部分が多かった気がします。

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