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新八戸領 部隊編成。

◆◆◆


根城 秘密の工房


「若、いえ殿、お召しと聞き参上しました。」


「小助、そんなしゃべり方しなくていいぞ、まあ晴政様とかが居るとき位だな、普通にしてれば良い。」


「では失礼して、御用ですか。」


「うん、合金炉でサンプルを採ったついでに、本格的に焼き入れして板バネに加工してみたんだが、組合せを見たいっていうか使ってみての意見が聞きたい。」


「コレですか、馬上弓としては少し長いかと、我々にはもう少し短めの方が。」


「ふむ、じゃあ長さはこの位でこれはどうだ。」


「前の弓も重かったですが、これはまた。」


「取り回しがたいへんなら少し細くするか?」


腰を基点に弓を回し、左右に引き絞り込む。


「いえ、この位なら問題なく。」


この位って……結構重いって言うか、俺には扱えない弓なんだが軽々かよ。


「うちの弓兵は相手より射程をとって反撃されない事を目的として装備を作るつもりだからな、鎧や盾は装備させないし、弓と山岳移動で使う鉈がメインだからな。」


「弓と鉈ですか。」


「侍扱いしてないみたいで、心苦しいがその方が絶対楽だから。」


「猟師のようですがなるほど、戦で我々がどのような戦法を取るのかわかりました。」


「馬上弓もやってもらうが、主に味方の後背から射撃と周囲の索敵だな。」


「いえ、我々にとって慣れた戦い方、問題ありません。」


「あと、近接戦闘になりそうだったら即撤退が基本だから、逃げるのはイヤとかはナシだからな。」


「はっ、御命令とあれば従います。」


「とりあえず、山岳移動の訓練のあと、槍隊と戦闘訓練をするから。」


「鬼ごっこですな、わかりました。」


「隊員には今調整したような弓を配るつもりなんだが、隊長や小助には自分で調整できるように弓兵の宿舎に工房を作る予定だ、鋼材や部材を置いておくから利用してカスタムしてくれ。」


「わかりました。ありがたく使わせていただきます。」


小助 ……カスタム、メイン、サンプルか、何のことか後で頭に聞いておこう話の流れは理解できたから問題ない、しかし本当に弓兵の大隊を任されるとは、槍隊との訓練か……なにがなんでも勝ちにいかなくてはな。


政栄 ……鋼材を使った弓は単純な造りではないから調整は大変だろうが、ある程度は任せた方が良いだろう、戦い方を指定しておけば間違った方向に向かうことも無いだろうからな。

射程外から牽制できる部隊は野戦では垂涎だからな連携を密にすればあらゆる戦場で楽ができるぜ。


◆◆◆


「若、いえ殿……」


「その下りはいらん、普通にしててよいぞ!偉い人が居るところだけで良い。」


「では、なに用でしょうか?」


「工藤、ちょっとそこにある盾を持ってみてくれる。」


スパイクのついた巨大サイズの盾が壁に立て掛けてある。


「また随分と派手な盾で御座るな、どれって……重い。」


「それと、となりにある、ハンマーっていうか金鎚もセットでね、あと重鎧を着ると……どう?」


「どう?って……動けません。」


「そうか、合計二十三貫(八十キロ)なんだが重すぎたか。」


「殿、私には無理で御座るよ。」


「わかった、とりあえず脱ごうか。」


「アレを如何するおつもりだったのですか?」


「盾兵のね、強化を計りたかったんだが動けないんじゃ意味ないしね。」


「あの盾に付いている杭は何なのですか?」


「アンカーボルトだ、杭打ちして地面に盾を固定するんだが重すぎるか、横にも連結できてな五連結すると干渉しあって十分馬止めとして機能するんだがな。」


「盾と金鎚だけなら何とか持てますが、重鎧を付けて動くのは無理です。」


「戦場で全力で戦闘できないとただの的だからな、動きやすいように鎖帷子に変更して、手足は薄い鋼板を仕込んだ皮靴と皮手だな、頭は旧日本軍のヘルメット、あれは煮炊きの鍋になるか……」


「殿?もしもし、殿!」


「ああスマン、ちょつと考えごとをな、そうだった工藤には盾兵の部隊を預けるつもりだ三人の中で一番体格が良いからな、うちの中核となる部隊だ、そのうち新しい鎧と盾の試着と実験するからよろしく!」


「実験?で御座いますか?」


プイッ


「殿、なんで横を向くんですか。」


「ハッハッハ、まあ良いではないか。大丈夫多分、きっと、だといいなー。」


「殿~?」


◆◆◆


「うむ、と言うわけで、前回活躍出来なかった君たち……誰だっけ。」


「舘です」「市川です」


「そう、舘君と市川アタックだったか。」


「市川です。」


「そう、市川君、……君たちに新たに大隊となる部隊を任せたいんだが槍隊と足軽どちらが良いっていうか、歩兵部隊は工兵と合併して武装も変えるからそのつもりでいるように。」


「説明が早くないですか。」


「このやり取り三回目で飽きた。」


「酷いですよ。」


「ああ、あと弓隊と訓練するからよろしく、相手気合入ってるから死なないようにね。」


「マジですか。」


◆◆◆


工兵には、スコップと歩兵用ヘルメットだな。あと全員に中空の連結構造にして強度を上げた金属柄の長槍だな鎧は無しの方向で籠手と胴丸だけの軽装歩兵で統一だな。


五年後には八戸領で三万の兵を一年間出兵できるようにする予定なんだが、盾兵五千、足軽工兵補給合わせて一万五千、弓兵五千、騎馬兵五千の全体で三万か、二正面作戦以外なら基本負ける気がしないな。相手が武田とか軍神とか天災レベルは別だがね。

そういう災害には守り一辺倒が一番だからね。


万の兵同士の会戦になれば、鉄砲が無い限り、盾兵の固定ハメが役に立つんだが、とにかく模擬戦で何度か試してからだな。

あとは、そうだなあ食事と運動で体を仕上げてか……なんとか十五貫(約五十キロ)ぐらいは無理かなあ?


◆◆◆



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