小型高炉作り 中盤
一関攻略の二ヶ月程前
小型高炉工場に浄化給水システムを作る行程に入った。
川の水を汲み上げて鉄にかけます、出来るかー!不純物が混じるわ。
と言う訳で、最低三回ぐらい蒸留を繰り返し蒸留水を工場内に供給します。
動力は初動は石炭ボイラー、高炉、合金炉やコークス炉が稼働していればそちらの熱を利用します。
加熱してタービンを回して川の水を溜めた貯水槽から水をくみあげ濾過棟を通してから、高炉やコークス炉を経由させ高圧蒸気を高所に設置した冷却棟で蒸留、冷却して下の貯浄水槽へさらに高所からの水圧を利用して工場内に水道施設を設置する。
とまあ、説明するのは簡単ですが、プラントのパイプ廻しはセンスが問われるし、位置次第では作業効率が低くなるため工場の生命線と言って良い重要な行程なのです。
そしてこの施設が出来ることにより、待望の蒸気動力の装置を作って、稼働させることができるのです。
蒸気甲冑?なんのことかわからないな。
簡単な蒸気圧延機を作り鋼線の成形を、蒸気動力の巻き取り機を使い鋼線を巻き取り、蒸気動力クレーンで吊り上げる。
鉄で作ったワイヤーの編み機に鋼線を通して鋼のワイヤーを編みあげる、更にそれを七本使い太い穴の編み機で編み上げれば、現代でつかっている極太鋼線ワイヤーの完成である。
今まで使っていた鉄のチェーンより汎用性がまし(チェーンは使い所を選ぶのでね)、使い勝手がかなり良くなる事だろう。
要するに今まで使っていた麻の綱から鋼線ワイヤーにグレードアップしたことになる。もちろん、交換していくにはかなりの時間が掛かるし、麻の綱は腐食耐性が高いので船ではまだまだ主力選手だ。
蒸気圧延機は今までの技術で製作可能です、蒸気と浄水の供給が必要だったので今回の登場となりました。
恐らく突っ込み所のパッキンは銅と金のメタルパッキンです。鉛は使いません(風呂や飲み水にも使いますから)。
浄水が工場内に循環したので高炉に、銑鉄を粒の状態に冷やすショットを付け加えます、循環している浄水に溶けた銑鉄を垂らして、粒状にするのです。
ん?インゴット?銑鉄はインゴットにはしないで粒状で売ります。だってその方が便利だし。
粒状の銑鉄はそのまま売る物は出荷され、残りの銑鉄は合金炉で目的に応じた鋼鉄や合金に加工します。
玉鋼のインゴットに加工して刀鍛冶に売ったり、H鋼に加工して建材として使用します。
高炉は生き物で進化をしていくと言うのは、合金炉で腐食耐性合金を作り、配管などにして更に耐久性の良い物に、H鋼で建屋を強化し、高炉の炉自体も鉄から耐熱合金性に変えて行きます、そう高炉は更に良い材料を生み出し、さらに使い易く便利になるように時間と共に進化していくのです。
◆◆◆
視察
工場が半稼働状態になり小型高炉で銑鉄の生産を始めたところで九戸の視察団がやってきた。
愛姫 「既存の多々良炉とは違うと聞いていたのだけど、多々良炉とは次元が違うことがわかりました。」
政栄 「さすが愛姫でごさるな、分かるなら説明は要らないということで。」
「全くわからないって言ってるの!説明しなさいよ。」
「いいんですか、三日ほどかかりますが絶対途中でやめませんよ、説明したくてウズウズしてますから。」
「いやそこは掻い摘まんで説明しなさいよ。こっちは半分以上お金をだしてるんだからね。」
……お金の事をいうなんて、なんていやし……
「殺るわよ……」
「すいませんでした!」
◆◆◆
「………と、こうなります。よろしいですか。」
愛姫 「まだ、完成ではないと、言う事かしら。」
……おお、理解したよ、流石だねえ九戸の内政を支えているだけはあるね。
「隣の二号棟は併設高炉で倍の量が処理できるようになります。」
「今の倍って、どれだけの鉄を作る積もりですか?九戸の鉱山の一年間の産出量を遙かにこえてますよ。」
「足りないんなら、原石や、酸化鉄塊(川床鉱脈)を買ってくれば良いかと、玉鋼や武具に加工して売り捌きましょう。」
「それでも、かなり余りませんか?」
「中々正確に把握してますね、残りは鋼材にして船とかに使うつもりです。」
「今建造中の大型船ですか?」
「いえ、更に大型の輸送艦を作ろうと思ってます。」
「他の人が聞いたら馬鹿だと思うけど、実際可能になっていますしね、そんなに大きな船でなにを運ぶ気なんですか?」
「主に、米?後は保存の利く食糧かな?外国産の野菜とかフィリピン?今はシャム王国かな?……あの辺からバナナの苗も輸入したいな。まあ、世界中から色々?」
「いえそういう話ではなく、東北統一とか関東進出とかは。」
「東北統一はしますけど、それ以上は特に要りません貿易で十分儲かりますし。」
「儲かりますって。」
「だいたい、南部が関東制覇するころには中央を統一した大名がいるでしょうから、その時点で勝てませんしね。」
「あー関東制覇は出来ると考えてるんですね。」
「まあ、軽く二十年以上は掛かりますがね、なんとかなるんじゃないかな~。」
「ハー……なんか疲れました。」
◆◆◆
愛姫 八戸政栄か、軍才は既に認めているのだけど、内政、開発、外交と八面六臂の活躍ぶり、高炉の一件だけでもどれだけの知識を持っているのか見当も付かないわ……少なくとも敵対関係にないのだから、このままの関係……いえ、積極的に取り込むべきよね。彼はまだ子供が出来る年齢ではないし、九戸の姫は、今年齢が合う子はいないのよね。わ、わたしにむすめがいれば(爆)………頑張ろう、いろいろと。
何号棟とか書いてるから、川崎にある巨大な高炉を思いうかべるかもしれないけど、町工場クラスですからね、あくまでも小型高炉ですから。浄水施設とか付けてるけどたいして大きくありませんからね。
いいとこ、年間百トンに届かない程度ですからね。
どちらかと言うと、石炭置き場とか、鉄鉱石置き場のほうが大きいですから、モデルは1900年位のイギリスの単発式小型高温還元炉です。配管などに気を付ければ地方の大名でも再現可能ですね。
多々良炉を持っている九戸氏ならそれ程予算をかけず再現可能です。
鉄を大量生産する近代になって効率の良い連続高炉と周辺設備のシステムが完成したのであって。
主人公は高炉単体ではなく、港や川など周り全てをリンクさせた生産システムを導入したのです。
微妙に小さいサイクルですけどね。
結論……うん、駄文と説明不足が悪いね、申し訳ない。




