水車開発計画
「ハッハッハ」
イヤー、笑いがとまらんよ、ドケチの権化だと思っていた親父がなんと、予算を増額してくれましたー
「ふっふっふっ、これで頓挫していた、水車開発が出来るぜ。」
石臼とか精米や脱穀と一村に一台、あると便利な水車ちゃんだぜ、開墾にも絶大な効果をもたらす、水車ちゃんだぜ!。
機構が難しくて何度もぶっ壊れた水車ちゃんだぜ(泣)。
「失敗は成功のマザー、ざますからな、頑張らないと。」
というわけですか大工町にやってきました。
「なんた、棟梁、ノコギリに頬ずりして、顔が傷だらけだぞ?」
「いや、そんなこと、してないぞ」
「て、い、う、か!どっからだしたそんな高価なもの、そのいろ鍛鉄だろうが!」
「まさか、ついに歌手デビューしたのか?」
「なんでやねん!馬養のおっさんがよう、塩とこうかんしてくれたんだよー(笑)、いやーこんな高価な物うけとれねぇっていったんだけどなー」
「受け取ってるじゃねえか。」
ニヤニヤして、ノコギリに魅了されている、今日は使い物にならないな、だめだこりゃ。
しかたない、水車の歯車の件で熊んところにも用事があったし、行ってみるか。
「くっくっくっ、これだけの玉鋼があれば、わらいがとまらないだよ。」
「熊、貴様もか。」
「なんだ、熊八も馬養のおっさんにもらったのか。」
「んだ、いいっていったんだども、日頃世話になってるって、きかないんだすよ」
「ほう、恩を返すとは奇特な肩だな。」
「若、漢字がまちがってるだよ。」
「イヤ、いい年したおっさんがとる行動とは思えなくてな。」
「なにを、言われてもきにしないだー」
まあ、なんか幸せならいいか、今日は厄日だかえるか。
◆◆◆
暗躍
暗闇のなか、奥羽街道を急ぐ馬の列
「あぁバカばっかりだぜ、あそこの領の奴らはよう、これを上方で売り払えば大儲けまちがいなしだってのによう。」
「持ってた、荷のほとんど交換しちまったけど、大金持ち間違いない。」
パーン!!!
「ウワー、なんだ、静まれードウドウ。」
「馬養いどの、ちと欲がすぎたようですな。」
「なんなんだ、貴様ら、イヤ、この荷はわたさんぞ。」
黒ずくめの集団が無言でおそいかかる。
「チキショー、おれは南部の御用商人だぞ!」
「だからですよ、口止め料だけで我慢していればよかったのに。」
「信用を落としましたな、あの世で後悔して下さい。」
◆◆◆
「なにを、ホクホクしているのだ、爺?」
「いえ、臨時収入がはいりまして。」
「貴様もか、まったく、みな浮かれすぎだ、私を見習え。」
「予算をもらって踊っていたではないですか。」
「うむ、八戸では、そんな風習があるのだ(嘘)」
「それは、さておき、水車の件だがな、水路と取水口の工事の計画案ができたのでな、地主たちに説明会と言う名の、強制労働の案内だ。」
「身も蓋もないですな。」
「農具の借りはお早めにだ。」
地主たちを集めて、しやっ...じゃない農具のかりを返して貰うためと、水車の完成後の利用方法を説明するため、説明会を行った。
自分たちの利益になることには人間敏感である。
簡単に人足があつまった。チョロイぜ。
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根城館
つうわけで、お揃いの皮鎧を20と朱糸の弓盾、そうだ源....の
「失礼します。来客中でしたか。」
「ああ、いまいったやつでたのむ、黒塗りで頼むぞ。」
「おう、政栄なんかようか。」
「なにか、皆、浮ついている感じがするのですが?」
「そんなことは、ないだろう。」
「まあ、いいです、水車の件です、領内に20台の水車小屋を設置して、ある程度の管理を地主にまかせる計画ですが、全員賛成だそうです。収穫が終わったところから、取水口の工事に入ります。」
「それと、水車小屋設置の後になりますが、養鶏を希望する農家に鶏舎の設置を行いたいと思いっております。」
「豚の放牧地とかなり距離があるな、領の両端じゃないか。」
「疫病の予防対策も兼ねてますから。」
「ふーん、よく分からんが判った、まかせる。」
「そうだ、今年の収穫量から、どのぐらいの軍を起こせる?」
「一ヶ月軍事行動をするとして...3000が限界...です。」
「最大規模で何人だ。」
「防衛重視なら5000、遠征を考えれば2000ですね」
「2000か、おれが500で遠征をするとしたら?」
「4000、籠城なら1200で三ケ月ですかな」
「4000か、まあそんなもんだな、ふむ。」
「あの、盛政様?」
「おう、下がっていいぞ」
4000か...騎馬2000相手にするのは、ちと苦しいか。
三戸の援軍がくるまで籠城策、ここじゃ無理くさいな。
領内を蹂躙されるのはムカつくんだが...。
三陸征伐とは、こんな時にふざけた命令だしやがって。
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