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水平城(中新田城)の戦い その四

◆◆◆


二ノ丸 殺し間飾り門付近


城攻めは後出しができるジャンケンみたいなもので、対応できる手があればそれほど苦労せずに攻略できるということなんだが。


三方囲まれて反撃出来ない高さから弓で射掛けられるとか酷くない?


「ちっ盾で守れん角度で矢が降ってきやがる、全軍ゆっくりと後退!」


実親 「政栄殿、如何します。」


正面の土塁に門があるんだが……本物かね?


「仕方ないですね、予定通り木砲で門を破壊しましょう。」


……砲弾たまと火薬が勿体ないなー。


「工兵部隊!木砲用意!正面に見える門付近に接近して砲撃!」


……出来れば、なんか恥ずかしいので木砲は使いたくなかったな、砲撃手を何人かでスクラムを組んで反動を抑えるんだが……見た目がもろ戦隊物の合体バズーカ砲そのものだからな(泣)


工兵部隊 「よし!出番だみんな!」「おう!!」


しかも、何故かこいつらこれがお気に入りときたもんだ、火薬が少ないのに、練習させろとか、撃たせろとかうるさいし。

どこで開発ツリーを間違えたんだろ?しばらく我慢して、アームストロング砲をつくるべきだったのでは?


実親 「何ですかアレ、オオオ!カッコいいですね!」


いたよ、ここにもこの手のが好きな人が。


「政栄様、準備できました!」


「よし!方陣陣形のまま突撃!門の手前に工兵部隊を送りこめ!」


「オオオオオオ!!!」


降り出した矢の雨のなかを盾兵が盾を掲げ工兵部隊を守りながら門へ突撃していく。


これが相手に鉄砲とかがあったら周りに竹束か金属盾を持たせないといかんな、軽合金は材料調達が難しいから大量生産にむかないし、鉄板のハニカムでなんとかするしかないか。

まあ、体格も良くなってきたし、そろそろ金属盾にバージョンアップしても良さそうかな?……あ!また足が遅くなるな……


「政栄殿、門の前のアレなんですか、木の柱みたいなのを皆で抑えて、神輿みたいですね。」


ん?、ああ、工兵フォーメーション?て神輿を担ぐのにも似ているな。おっと、いかんいかん現実逃避してしまったか。


工兵隊部隊長 …「火薬の充填よいか!」「火薬の充填よし!」


「砲弾の装填よいか!」「砲弾の装填よし!」


「火蓋を切れ、安全装置解除!」「火蓋を切ります、安全装置解除!」


いや、安全装置なんてついてませんが?


「砲撃!着火!」「着火します!」


「工兵隊!木砲発射!!」


ドゴーーーーーン


至近距離から発射された弾丸は門に命中して木っ端微塵に扉を破壊する、爆音が辺りに響き渡り矢の雨が止んだ……

辺りは静寂に包まれ黒煙が上がり破壊された門からは後ろの土塁が見えてしまっている。


「オオオオオオオオオ!!!!」「やった!一撃で門を破壊したぞ!!」「スゲー!」「オオオ!カッコイイ欲しい!」


味方からは歓声が上がり戻ってきた工兵隊部隊を褒めたたえる。


ん?欲しい?


「政栄殿、アレはいくらで売ってもらえますか?」


「欲しいの?」「ぜひ!」


「……後で愛姫に相談するといいよ。」「ハイ!」


「そうだ!門はまだあるし、私にも撃たせてもらえませんか?」


おーい、城攻めの目的と手段が変わってきてないかな?門を撃ちにきたのかお前は。


◆◆◆


中新田城 一ノ丸


伝令 「大変です!飾り門が破壊されました。」


定直 「さっきの轟音か……よし一ノ丸に続く門に兵を集めろ次はわしが直接指揮をとる。」


「それが、兵達の中に一関から逃げてきた者がいまして、さっきの轟音で震え始めてしまい、士気が……」


「一関の正門を壊したアレか、たしか接近してないと使えないと聞いたが?」


「今回のも、門の近くで柱のような物から火柱がでまして。」


「そうかわかった、兵の方は仕方がない戦えない以上外すしかあるまい他の兵から見えない所で休ませておけ。」


「はっ!」


門に近寄らせ無ければ良いのか、ならば門を背に背水の陣にするか?……なんだそれは城の利点である門を挟んでの攻撃や防御が全く使えないなら、寡兵のこちらが圧倒的に不利ではないか。

八戸のくそガキは閃光玉を使っていたな、それは閃光玉を大きくしたような物なのか?噂では東北最大の港をもって巨大な船が行き来していると聞くが外の國からの新しい武器なのか?

……いや考えても無駄だ今は接近しないと使えないという弱点と爆音がしたと言う事は恐らく火や油に弱いのだろう、門の手前に油を敷き火を放つ火計が使えるか。


「伝令!少し時間を稼がせる、守棟に途中の時間稼ぎを指示しろ、急げ!」


「はっ!」


「大丈夫だ!まだ負けた訳ではないぞ。」


本丸の方からドタドタと大崎義直とお付きの者が走ってくる。


「定直殿!今の轟音はなんだ!どうしたのだ!」


まだ、負けた訳ではないと思うんだが………


◆◆◆


二ノ丸 八戸政栄


「若、右手の櫓から攻撃が。」


やはり、本丸に続く道には櫓があるか……さっきのは意味なかったな……


「試作の弓、何張ある?」


「弦の張ってあるのが二張、張ってないのが五本あります。」


「小助!」「はっ!」


「試作の弓に弦(強化麻糸製)を張って、弓の巧いやつ八人で小隊作ってくれ人選は任せる。」


「私が選ぶのですか?」


「そう、弓に関する目はお前のほうが確かだからね、あと小助が隊長ね、直参十石の感状はあとで渡すから。」


「はっ!ありがたく頂戴します。」


「で、最初の任務はアレなんとかしてくれ。」


「私一人でも可能ですが小隊でなら簡単です。」


アレ?なんか期待以上に頼もしい!もしかして拾い物ですか。


◆◆◆


小助……八人か俺達(斎藤衆)は弓が下手で獲物がとれない奴は生きてこれなかったからな、ただこの弓を引いて狙いを付けられるとなると限られるな。


「おう、小助!面白そうな任務だって?俺も混ぜてくれよ。」


あいつの能力は申し分ないんだが……


「……俺が隊長なんだがいいのか?」


「おう!敵をたくさんやれば、隊長になれるんだろ!」


「……やっぱり、イイ他をあたる。」


俺は恩のある若の為に働きたい、あいつは俺の下には向いてない。


「なんだよ、ケチー。」


悪い奴はではないんだがな。


◆◆◆


「若!試作弓小隊八名揃いました!」


「では小助隊長、弓矢による櫓の制圧、行軍にさいして障害となる弓兵の排除を遊軍として行ってくれ。矢は特注品と普通のを支給するから好きに使ってよし。」


「はっ!では早速!」


「爺、小助の他も凄腕か?」


「まあ、我々に弓の下手なのはいませんから、中でも小助が選んだのは凄腕ばかりです。」


「そうか、じゃあ戦が終わったら小助を大隊長、彼等は小隊長にして弓専門の部隊を新設しようかな。」


「我々から侍大将ですか?」


「なに言ってんの爺だって家老じゃん。」


「若にはかないませんな。」


◆◆◆


「なあ小助、いや隊長か、なんか凄いことになったな俺達に大隊とか言ってるぜ。」


「……俺は若を信頼している、去年も一昨年も子供の餓死者はでなかった。」


「それ分かるぜ、五、六年前までは毎年のように飢饉続きだったからな獲物が獲れなきゃ俺ら死んでたし。今はガキどもも簡単な仕事がもらえるし、米や干し魚を日払いとか信じられんよ。」


「まあな、ここ二、三年食料が足りない話は聞かないどころか、根城の上に作った蔵はパンパンで新しい蔵をガンガン建てているからな。」


「本当か嘘かは知らんが、若が飢饉がきたら蔵を開けるといってたそうだ。」


「三年たって食えなくなりそうな小麦は飴や焼酎にするんだと、それを売って領内を回していくそうだ。」


「……やるか!」「おう!!」


◆◆◆


二ノ丸 氏家守棟


「クソ!防御が厚すぎる、角まで後退。」


親父……無理だよ、兵五百位じゃ足止めしてるのかも怪しいぜ。

櫓からの攻撃も逆に下から兵達が射貫かれるし、持ってる武器が違いすぎる。


「守棟様、もう持ちませんお逃げください。」


「全員撤退!撤退だ!急げ!!」


◆◆◆




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