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領内開発の野望

塩田開発


さて、戦国時代から江戸時代にかけて入り浜式塩田が主流だったわけだか、これはあまり効率がよくない、まあ藻塩取りにくらべれば格段の進歩のわけだか、瀬戸内の砂浜をほぼ占拠して作っても国内にいきわたるだけの量は生産できなかったわけで。

八戸領の少ない砂浜を使っても、年間2トンを生産するのでいっぱいいっぱい、領内にいきわたるだけの量は生産できなかった。

ないなら買えばいいじゃない、とどこかのおフランスの女王式でいきたいところだが。

八戸領に外から商人がくることはうーん、あれ?記録にないなあ

責任者はえーと関所の....

まあいい、商人に払う金もないし。

と言うわけで、流下式塩田という大変環境によろしくない方法で塩造りをするわけだ。

なんで環境によくないかって、海水を汲み上げて、トイから笹とか藪の葉っぱのうえに垂らしながら水分を蒸発させるやり方なんだけどねー。

とにかくこぼれるのよ海水やら濃縮した塩水とか、地面に落ちれば地下水脈や伏流水にダメージを与えるし、何百年後の環境とか怖くて考えられないくらいだぜ。


それは、まあいいとして(←え、大問題ですよ)鉄製の手押しポンプとか、錆びる消耗品の方が問題だよな。

竹管を使うからせいぜい四メートルが限界だろうし崖の上まで20台はいるだろうなー

生産を増やせば倍倍に台数が必要になるし、地上までもってくればちかくの川に設置した水車の動力を利用して上にあげるつもりだけど、かなり腐蝕するだろうし、一年間もつかな?

メッキ加工なんてできるわけないからなー


まあ、ここは数と力技でなんとかするしかないかな、人力で汲み上げてもいいんだけど(鬼)それなら入り浜式のほうが楽なんだよねー


ああ、手押しポンプは熊八の所に注文してるよ、もちろん後払いだけど(そろそろつぶれるかも)あ!そうだ領主権限で優先的にやってもらおう。


話を戻してと、川から海までの荒れ地は使って無かったわけだし塩の生産拠点でいいとする。

で、作った塩をどうやってはこぶかなんだよね、高台にあるから港までは下りだけど結構遠いんだよなー、だが港に目立たずに輸送しないと塩の生産拠点の場所がばれちゃうし。

大八車しかないよなー馬に引いてもらうとして....


「爺!、館の大八車はどこだ。」


「蔵の脇に何台かとめてあります。」


「よし、ちょっと人をあつめてくれ、五人ぐらいでいいぞ、あと馬をかりようか。」


「分かりました、すぐに。」


蔵の脇で塩を積んで実際に引いてみたけど、半分程度積み上げるたらうごかなくなった。

塩って重たいんだな、何年も使う物だしここは奮発していいもんを買いますかな。


◆◆◆


熊八 「無理か?」


「無理ですだ。」


「そこをなんとか、ならんかな」


「人手がたりません、あと払いのほうを...」


「よし、爺!次にむかうぞ。」


熊八に大八車の改良計画を話したら、手が足りないと断られてしまった、うーん?あとツケで作ってくれそうなところはあったかな?


「爺、木材、いや大工に知り合いはいるか?」


「大工でございますか?」


「うむ、新しい大八車を作ってくれそうなところが浮かばなかったからな、とりあえず木材加工は大工の領分だろ。」


「棟梁の北島どのなら大工町に住んでますが。」


「よし、案内してくれ。」


大工町 鍛冶丁の隣町にあり、丸太の加工から家の新築まで木材加工の職人を集めた町です。


「やあ、おまえがサ○ちゃんか。」


「人違いでさあ、あっしは北島公助で」


「水泳の方だったか。」


「まあ、いいあだなは○ぶちゃんで統一だ」


「なんのはなしでさあ」


「ふむ、実は大八車の改良をしたくてな、これが図面だ。」


「若!いつの間に、紙の無駄使いはいけませんぞ。」


「無駄使いではない、設計図だ。」


「どれ、見せてみな...」


大工の屋敷には始めて入ったが、墨壷とかはあるが江戸時代後期に登場する道具はないんだな、よし熊八のところで作らせよ。


「この車輪の所の黒いのはなんだ。」


「ああ、熊八の所に、試作した部品一式がおいてある、つくってほしいのはこの部分だ、あと、蝶番と釘は大工町にあるよな。」


「ああ、あるよ!なるほどな、だが四輪だとすでに馬車なんじゃないのか?」


「まあ、そうとも言う。」


「あと、棟梁、火消しをやってみないか?」


◆◆◆


根城館


新田盛政

「で、話ってな、なんだ。」


「はい、八戸領の農業についてです。」


「農業についてだぁ?」


「詳細はここに。」


爺 「若!また紙の無駄使いをしましたな。」


「無駄使いではない、計画書だ!」


「書き損じはいかがされました。」


「盛政様、これを。」


「おう、無駄使いすんじゃねえぞ、どれどれ.....」


まったく、必要経費というものを分かっていない、まあ、後で人手ができたら紙を試作してみるか、道具は棟梁に頼むか。


「おい、ここの米造りをやめるってのはなんだ」


「南部の五万石のうちの一万石はうちで作っている米だぞ、辞めてどうするってんだ。」


「大麦、燕麦、大豆、小麦に変更します。」


「ふむ?なんか考えがあるのか」


「論より証拠、来年から何か所かでの実験を行いたいのです。」


「実験なあ、米は年貢で基本だぞ、上納品だってのもある。」


「分かっております、とりあえず三年計画確かに申し上げました。」


「わかった、実験は許可する、あとは検討しておく。」


盛政視点


なんじやこりゃと思ったが、たしかに田んぼの大きさに比べて採れる米の量は少ないな、だから麦にかえるか、あとに書いてある五公五民とか、転作した農家への二年の減税とかはようわからん行政にきいてみよ。

しかし、できるガキだとは噂に聞いてたが、廃嫡しないで正解だったかな。


◆◆◆


棟梁 「で、なんのようだぁ」


「火消しの件はかんがえてくれたか?」


「ああ、大工が火消したぁ粋だとは思うがよ。」


「では、め組の頭ということで。」


「そこなんだが、普通、いろはの“い”からじゃねえんかい?」


「さ○ちゃんは、め組ときまっているんだ!、変更はない。」


「なぜ、自信たっぷりなのかは、分からんがまあいい、やってやるよ」


「それでな、防火水槽と木桶を頼みたい、初期消火は基本だからな。」


「ああ、計画書にあったやつだな。」


「でだ、ここからが本題でな、これと、これを見てくれ。」


「ほう、紙漉かみすきの道具か、なんだ爺さんに言われたこと気にしてんのか。」


「紙は溶かせば何度でも使えるからな、あと商品になることに気づいた、」


「まあ、高級品を作れればだがな、わかった材料は領の蔵からでいいな?」


「ああ、いいのがあったら使ってくれ、木の目利きはさっぱりだ。」


「で、分かんねえのがこれだな、これはなんでぇ?」


「木製のポンプだ、漆をかさねれば、防水にもなるし、金属である必要は無いと気づいた。」


「熊んところにあったあれか!」


熊八の所の井戸には試作した手押しポンプをつけている、ていうか代金がわりにとられちゃった。


「あれは、凄えな、考えたのはお前だったのか。」


「いや、昔のひとだ。」


「そうか、凄えやつもいたもんだな、でそれを木で作ろうってか。」


「アイデアだけだ、木のことは、ぜんぜん分からないからな、材料やモノの厚みは棟梁に任せる、金属でないと駄目な所は、熊八のところで調達してくれ、できれば半分程度木材をつかいたい。」


「わかった、時間はかかるがなんとかなるだろう。」


根城館


うーん、井戸用のポンプを作るネックは細い鉄管かあ、ネジとタガネがあるから継ぎ足しは可能だが鉄管をつくるコストがなー鋳物とはいえオール鉄ではコストがなー竹は塩田では使えるんだが井戸では短いからつかえないしな。

ああ先立つものがないと売れる物もつくれんな。

まあいい、量産型井戸ポンプ設計図はお蔵入りだな。

これを普及出来る日がくるといいんだが。


「若!、紙を無駄使いしては...」


「おお、爺いいところに来たな、紙漉の道具を棟梁に頼んだから、若い衆に紙をつくらせるぞ。」


◆◆◆


さて、鍛冶の親方の熊八、大工の棟梁のサ○ちゃんの協力を得て、プロジェクト塩田開発は順調に進行している。

実験の結果、竹管を使用したポンプは8メートルぐらいは楽に水を汲み上げることができたのは、嬉しい誤算です(^∇^)

ポンプの性能から逆算して、プールとポンプを設置を一段とする15段ぐらいの段段畑のような感じで崖を削る設計図を書き上げた。


あれ?プール?おお、忘れていたぜ、木や金属では腐蝕するだろうからな、じゃあコンクリートで固めるかな....

あれ、コンクリートの材料ってなんだっけ、砂利と貝殻をくだいてつくる、化学反応.....



忘れちゃったテへ。


とりあえず、南部の鉱山に連絡していろいろ鉱物を送って貰おう。たしか...あったよなあ?


◆◆◆


「ふむ、ようやく完成か。」


「軽量で丈夫にしろとか、無茶ばかりいいやがって。」


「熊八、ベアリングの油だが牛の脂と松脂で大丈夫だったろ。」


ボールベアリングの球の部分は鉄でつくるのは手造りではほぼ不可能なので(一応やらせたけどね)、テーパーローラー式のベアリングを採用、試作なのでかなりでかいベアリングになっちゃった。


「後は、試運転とブレーキの試験なのだが」


なぜか、みな、顔を背ける


「希望者はいないようなので、爺!、頼んだぞ」


御者台に爺をのせ坂の上から押す!


「若-、おたっしゃでーー。」


「それだけ余裕があれば、大丈夫だな。」


西洋馬車に付いているてこ式のブレーキ(もちろん、試作品)を

爺がおもいっきり引く。


「飛んだな。」


「飛びましたな。」


「馬車は止まったから成功か?」


「ふむ?馬体を痛めるといかん、もう少し弱くてもいいな。」


「そうでございますな。」


「何事もなかったように、会話にはいったな。」


「まあいい、後は調整して実際に走らせて見よう。」


「では、爺、あとは、頼んだぞ。」


大八車(改)よくみると馬車が完成した、だが積み荷はまだ無い。


◆◆◆


ちいさな、升に、レシピに書いた分量をまぜて入れていく。

同じような紙がはってある升が何十と置いてある。


「よし、次だ。」


「若様よぅ、なにをやってんだ、端材で作った升だけど、タダじゃないんだぜ。」


「○ぶちゃん、科学とは失敗の先にある物なのだよ。」


「ツケとくぜ!」


「いったか、まあ退屈な作業だからな。」


セメントのレシピなんてググれば一発なのにな。


あとは、乾いたら順番にハンマーで叩くだけか、あっ!一定の力で叩かんと、強度がわからんじゃないか!


「うーん、鉄球を落とすしかないよなー、棟梁、作って欲しいものがあるんだが....」


こうして、ツケが増えていくのであった。


◆◆◆

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