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尾張侵攻

◆◆◆


1554年 11月


八戸領 根城館


「若、駿河からの連絡がきました。」


「やはり急いでも三週間はかかるか、まだ小型帆船の訓練が終わらんしな。相馬と岩城が敵対すれば沖を通らないといかんし、頭の痛い問題ばかりだなぁ。」


「それで、戦況ですが……」


「そうだったな、尾張侵攻は片が付いた頃だった、それで今川の圧勝かな?それとも織田の従属かな?」


「秋口に侵攻した今川軍は、小牧付近で織田斎藤連合と開戦……」


小牧、長久手付近か大軍が対峙し易いのはあの辺だしな。


【爺】 「おお!」


「どうした?爺が大声をだすとは珍しい。」


「織田斎藤連合の勝利にて決着とあります。」


「なんと!!!、本当か?」


「詳細は?何が起こったのだ。」


◆◆◆


開戦時、斎藤軍が大将に斎藤道三……マジか、稲葉に、不破、安藤……有名処をかき集めたな、あっ竹中発見、合計は……一万二千?……美濃の全軍とかマジあり得なくない?、六角に牽制させとけば。まあしょうが無い本当に済んだことだし。

織田軍は……大将織田信長、柴田、ん?弟は出ないのか……元服前かな?、佐久間、丹羽、森、池田、前田、うーん馬周りの詳細がほしかったな。合計八千……どんな集め方してんだ?明らかに多すぎるぞ、かなりの無茶したんだな。

連合を組んで計二万か……十分勝負になるな、今川に合わせて増やしたのは分かるがこの後の領地経営とか考える……滅んだら一緒かな、しかし勝っても当分何もできないな。


斎藤軍に対して太原雪斎が大将の遠江、駿河兵一万六千、織田軍に対して、朝比奈泰朝と松平元信が大将の遠江、三河兵の一万ね合計二万六千


陣形は……姉川に近い形かな?いや小牧付近は戦場が広い分戦術の幅がでるはず。


戦場の左側で斎藤軍は横陣、今川軍(雪斎)も横陣で左翼が長め、戦場の右側で織田軍は方陣……いきなり守りからか、対して今川軍三河は魚鱗……こっちはゴリ押しかよ。


なるほど泰朝殿が三河の突き上げを食らったわけか。あそこも脳筋が多いからな。

主君が戻って暴走ヒャッハーしがちな三河兵を泰朝殿に押し付けたか、黒い黒い。


で織田斎藤連合が勝ったと……


「おーい、詳細はどうした?」


【爺】 「さすがに、陣形の変化や流れまでは……戦場に近寄るので精一杯です。」


「そうか……いや無理をさせて悪かったな、後できちんと褒美をやらんとな。」


戦後処理は戦死者はあれ?織田軍が勝ったわりにはやたら多いな、三河兵は少ないが潰走している、戦死は将で二十人?なんじゃこりゃ暗殺者でも潜ませてたのか。


三河兵を潰走させて今川軍本隊に横槍をかましたわけね、んで雪斎は後退か………


うん、訳わからん。


◆◆◆


「今川は負けた割にはきっちり尾張の東側を制圧してるじゃないか。」


【爺】 「報告書では今川本隊の戦死者は二千もないとの事です。」


「つまり、三河の将のみを狙って殺したのか……っておーい!」


「根来寺か雑賀の傭兵部隊ですかな?」


「織田と?つながりなんかあったのかな?だがまあ良い何が起こったのかは理解出来た。」


竹束牛戦法とか確立されるのは戦国時代中期だし鉄砲で狙撃されたらひとたまりも………


アレ狙撃?


………よし!無かったことにしよう。俺は知らん。


「良い天気だな、爺!長屋の糞尿を回収させて肥料づくりをさせるぞ。」


「あれは、若い者が嫌がりますな。」


「実験農場のトウモロコシを喜んで食べてたろう。」


「はい、喜んでましたね。」


「アレを大量に作るには肥料が要るのだ。」


「なる程、まあ体は汚れますが納得はしますかな。」


「わかった、風呂の優先権ていうか貸切にするから我慢させるように。」


「そんなに嫌がるなら専門の回収業者でも作ろうかな。」


「それが良いかと。」


やべー、なんかしらんがやっちまったな!どこからどうなったのかは知らんが、俺のせいなのは間違いないな。


◆◆◆


新南部丸


1555年 4月


八戸領 港区


「さすがに大型艦ともなると洒落にならんな。」


【棟梁】 「いや、あんたの設計図通りだから。」


「南部丸の二倍、体積は八倍か……アホだなどこの港に係留できるんだこんなもん。」


「だから、作れっていったのあんただから。」


「まあ良い、進水式をやるから海水を注入しろ。」


「これも、不思議だな勝手に海水が溜まっていく。」


「大気圧を利用したものだ、大潮にあわせて進水式ができるようにしてある、干潮時に水は引くから扉はその時閉めればいい。」


「さすがにこの大きさはレールで押し出すことはできないからな水密式の扉はかなり苦労したんだぞ。」


「苦労したのは熊八だがね。」


「そうとも言う」


「名前はどうするんだ?」


「新南部丸で良いだろ、帆船は快速南部丸だからな。」


「あっちの輸送船は?まあ完成はしてないが」


「輸送船南部丸だな。」


「この間完成したガレー船?て言うのか?あれは?」


「奴隷せ……イヤイヤ、手漕ぎ?……一隻だけだし南部丸改で良いだろう。」


北条、今川の先払い、そして予算増額……好き放題やっちゃった、うんやり過ぎたか。


結果、南部丸級の造船所が五ヶ所、水密式水門を備えた新南部丸級の巨大造船所が二ヶ所、地下まで掘り下げた輸送船用の造船所の計八ヶ所に増えていた。


保有する船も南部丸が八番艦まで完成、一隻は九戸丸と名前を変えて日本海側の安東領土崎港に、土崎港にはさらに南部丸を一隻送る予定だ。

捕鯨用の双胴船が一隻、試作のガレー船が一隻、これは新南部丸の練習艦として使っている。そして今回進水する新南部丸が一隻、帆船の試作がてら作った快速南部丸が三隻となっていた。


「南部の名前を中型艦につけてしまったのが失敗だったな、他の名前を付けにくくなってしまった。」


新南部丸はなんちゃって西洋帆船型で巨大ガレオン並みの排水量二千トンを超えた世界標準の船だが係留できる港が東日本では八戸港しか無い意味不明な船となってしまった。


「堺と駿河、北条の下田もいけるかな?まあ係留できる港を作るように交渉せんとな。やっぱり港が先だよな普通。なんて泥縄な……。」


◆◆◆


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