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三河西戦役

1554年 7月 


満を持して今川家の大軍が織田領の三河西に侵攻した。


総大将に今川氏真、軍師、総目付として太原雪斎、先軍大将には岡部元信、中軍は大将格に松平元信、朝比奈泰朝、由比正信、

後軍に鵜殿長照、本陣、朝比奈信置。


計一万八千の侵攻軍だった。


「なる程、今川氏真の初陣となったか。義元は国元でどっしりと食っちゃ寝してるのね、太るぞ。」


【爺】 「報告では先鋒の岡部と松平が烈火のごとく城や砦を落とし、尾張の国境まで進んでいます。」


ふむ、たしか手柄を上げれば、三河を返す約束なんだったか。岡部は流石と言ったところか安定感が違うな。


「今川は三河を完全に押さえたわけだが、そこで侵攻は一時的に止まったのだな。」


「落とした城の改修をしておりますな、遠江からの兵の移動も確認しております。」


手堅い、同盟関係を利用して兵の空白地帯を作ってでも三河に戦力集中させたか。


「南部家から貸し出した二番艦と三番艦は食糧や武器の輸送、負傷兵の帰還にと活躍しております。」


「補給路や負傷兵の輸送など学ぶ所は多い、詳細を記録しておいてくれ。」


これでうぜー君が滅ぶまで津島にはよれないな。あの船で今川の味方をしてるんだしね。……ちょっと勿体なかったかな?


◆◆◆


「それで尾張はどうなっている。」


「守護の斯波氏は三河に逃げたようですな。」


なる程、大義名分ゲットか。


「もしかして、美濃の土岐氏にも当たりを付けてるのかな?」


「調べさせておきます。」


しかし、大軍の運用といい、目的達成後の動きといい完璧だな参考にしよ。


「それなら、尾張は織田氏で纏まったのか?」


「それが未だに、一応盟主は織田信長ですが、祭り上げられた感じですな。」


また生贄かよ、尾張統一を果たしたとは言えんなこりゃあ。


「本番の尾張侵攻は農閑期の冬からだろうな、戦力比が更に拡大する。」


道三が生きているから美濃からの援軍も視野にいれての三河の足固めだろうな……。しかし先輩パネェっす絶対に敵には回したくないね。

尾張侵攻するとして、俺なら伊勢の北畠と近江の六角に牽制を頼むんだが……、まあ三国から二万以上の兵をかき集めたんだ尾張と美濃の兵力を完全に上回っているからな。牽制すら必要ないってか、本音は戦後の外交を睨んでなんだろうけど……。

自信があるのは分かるんだが、小さいスキができたな……牽制を入れれば、やる前に勝負は決まったものを。

絶対の自信からか?いや慎重な雪斎の行動原理と合致しない。

己の寿命から来る焦りだろうか?脚気から持ち直したとは言え結構な歳だからな。

……とは言え尾張は平野部が多いし正面決戦を挑んで負ける要素が見当たらない。

史実の信長ならサッサと降伏なり和議なりするところなのにそれもない、氏真だって三河からは動かないだろう。

理解できない、玉砕する気なのか?

兵力は尾張が六千、美濃からの援軍は多くて八千位かな、遠江と三河、駿河からかき集めた二万四千、雪斎が兵力分散や行軍の失敗をするはずは……あり得んな。

尾張を落として足場を固められたら。二十年後は今川幕府かな?

義元は嫌いだが、氏真なら取り入るスキがあるかもしれん。蹴鞠の腕でも磨こうかな?


うぜー君、安らかに眠ってくれ。


◆◆◆


千人の直参だが、募集したらアホほど人が集まってしまった。


「決死隊の関係者は優先で、残りは体力テストしときますかな。」


「マラソンさせて、上位は採用で、下位は相撲かな?」


「爺、とりあえず蕪島まで三往復、上位三百人は採用、後日相撲で順番に三勝したものから採用でケガとかも運だと割切ろう。」


「おっと、優秀な奴は感状をだすから、こんな感じで告知しといて。」


「はい、そのように。」


うちの領は人手は足りないはずなのに?何故。


さて、直参が二千で一年間訓練すれば一関攻略は何とかなりそうだ、問題は築館宿までの山道だな。


伏兵を仕掛けた誰かは、どの時点で一関攻略に気付く……


南部晴政の兵力が少ないと報告を受けた時、晴政と対峙しているのは葛西氏、策の影響から兵力が少ないのは策の信憑性を上げるだけ、問題なし。


やはり石川高信が敵を釣り上げた時だろう、だが報告を受けてからでは水沢近辺にいる我々が一関を攻略する方が早い、一関攻略時に敵の援軍はあり得ない。


花巻に築館宿付近の制圧軍が集まるタイミングは攻略と同時で行くなら、バレていても問題なし。


敵の誰かは一関攻略に気付き援軍を派遣する、その援軍は一関が落ちたのを築館宿付近で知ることになるだろう。


敵の誰かは、一関が落ちたのを知ってなにを考える。築館宿にいる派遣された敵将は……


策に嵌まるなら葛西氏の裏切りによる敵の一関の通過、嵌まらなくても事実は一関が攻略され築館宿に侵攻中。


策の存在が葛西氏の城に入城しての籠城をためらわせる。まさか葛西氏の城に攻めいる訳にもいかないからな。


大崎、伊達、最上に早馬を出して、迎撃か退却。


ここで敵将、敵の誰かは気付く、南部家の騎馬隊が平野部に侵攻する危険性に……


いや敵の誰かなら、一関攻略に気付いた時点でその危険性、籠城を選択出来ない事までわかるはず。


ならば、一関陥落を知った時点での敵将の行動選択は早馬を出して築館宿出口での迎撃だな。


山道からノコノコでてきた我々を伏兵、出口には馬止めって所かね。


結論、一関攻略しても、山道の築館宿出口付近に敵の伏兵がいる可能性が大。


ここで足止めされて敵の増援を許しては囮を使ってまで一関攻略をした意味がない騎馬隊が使える状況をつくるのが一関攻略の目的なんだから。


つまり敵の伏兵を撃破して馬止めを撤去、後から来る騎馬隊を平野部に突撃させるのが、真の仕事ってわけだ。


なんか、やんなっちゃうなー仕事が倍かよ。


◆◆◆

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