一関砦 攻略会議(密談)
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「では、一関砦の攻略の流れを説明します。」
【晴政】 「うむ、聞こう。」
「まず、何故あの砦を落とせないのか、普通に城を落とすには守備側の五倍から十倍の兵士が必要といわれていますが、一関砦の守備兵の最大三千に対して、我々は最低一万五千の兵士を揃えなければならないことになります。さらに一関砦は四方を崖と川に囲まれていて兵を配置する場所がありません、正門を攻めるには川を渡らねばならず、更に敵の援軍が到着すればいきなり川を背に砦と挟撃される。敵の増援は位置的に上方に位置するなどなど……。」
「それは、何とかなる物なのか?ワシが言うのもあれだが、攻略可能とは思え無くなってきたぞ。」
「では、攻略不可能の理由を整理していきます。」
「1つ目、三千の守備兵、これは厠や食糧から割り出した最大数であり、通常は五百位と予想されます。ただし、こちらの侵攻に合わせて増員するものと考えられます。」
「二つ目、砦の形状、一関砦は本丸、一の丸、二の丸、三の丸の階段式の廓を持つ典型的な山城で、本丸から二の丸、一の丸から三の丸、二の丸から正門を弓や投石で攻撃できます。つまり平城なら一回で済む城門突破を本丸まで四回、挟撃されながら行う必要があります。」
「三つ目は、城の四方をを川と崖に囲まれて、兵を配置する場所がないこと。」
「四つ目は敵の増援です。」
「……続けてくれ。」
「では、攻略法です。」
「まず第一に敵の増援が来る前に攻略する。」
当たり前~
「第二に正門の前に橋を架ける。」
当たり前~
「第三に一の丸、二の丸、三の丸の同時攻略をおこなう。」
当たり前?我ながらアホだな。
「敵の兵はどうにもなりませんので、この三つが攻略の鍵となります。」
ならん事もないけど、晴政のおっさんの好みじゃないからな封印っと。
【晴政】 「鍵はわかったから具体的に説明してくれ。」
「まず、時間制限があります。増援がくるまで一日ですから、一日で攻略します」
「正門に橋を架けるのは、杉の柱の浮き橋か嚢砂の計で土嚢で川を埋め素早く正門に取り付けるようにします。」
「一の丸、二の丸の攻略は、まあ縄をかけて同時に潜入するとお考え下さい。八戸領に丁度よい道具がありますから。」
「同時攻略ですから、挟撃など砦の優位性を考えなくてもよいので五倍の兵数は必要でないかと、精鋭を送り出す予定です……いえ送り込む兵の数に制限がありますから精鋭部隊が必要です。」
「最後に新しい破城槌を使い、素早く正門を破壊し順次攻略していきます。」
「以上ですが準備には南部家(八戸領のみ)の総力をあげても二年はかかるかと。」
「いろいろと問いたい所もあるが任せよう、しかし二年は長いな。」
「準備にはその位必要です。あと陽動に何回か一関に兵を出して撤退をしてください。敵の追撃や侵攻に対しては、迎撃として貧乏な領の者を花巻砦に詰めさせればよいかと、喜んで大将格を捕まえるでしょう。」
「なる程、捕虜交換の件はここに繋がるのか、お前は先手を打つなら相談しろ。」
「いえ、違う件でも種を蒔いていたもので、まあ釣れるならそれもよしです。」
「なんというか味方を釣るな、取りあえずわかった、お前に一関砦の攻略を任せるとしよう、二年は内政に重きを置くと言うことでいいのか?」
「陽動を忘れませぬよう、あと具体的に言いますと、作戦開始が川の水量が少ない夏場になります、半年前ぐらいから潜入するための訓練をどこかの領と合同で行いたい、八戸領だけでは兵がたりませんから。」
「あと、予算と鉄鉱石をお願いします、それと書状を何枚か、そうだ九戸に帰り道によりますから、鉄鉱石関連で安く都合してくれるように一筆したためて下さい。」
「くっ、白紙委任状は無しだぞ、その都度、連絡をよこせ。」
ちっ。
「以上が一関砦の攻略法となります。」
「具体的な計画案はまた後程。」
「なる程わかった、二年後の夏まで待つとしよう。」




