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新婚家庭にとなりの領の晩ごはん。

というわけで、直接不来方に行きたくないのでとなり(領)の新婚家庭に遊びにきました。


さすがぶるじょあいいもんたべてるね。


「うん、だからどうして政栄くんがうちでご飯を食べているんだい?」


気にするなよバカボン、金持ちはおおらかでないとねー。


「それはね政実殿、堺土産をもってきたからなのですよ。」


「おお、そうなのかい、それはすまないねえ。」


「ところで、話は変わるんですが、堺で金の桶を買うのを忘れてしまったんですよ、持ってませんか?」


あるか、んなもん。 まさひでじょーくよ。


「なんだい?硫酸とかの汲み出しのために硫黄採取所にあるけど、使うのかい。」


あるのかよ?ちっ、これだから金持ちはよ!ていうかいつの間に硫黄とか、まさか火薬製造してないだろうな、なんか怖い。


「あとで濃硝酸作るから貸してください。」


借りパク、借りパク!


「濃硝酸ってなんだい?」


「すごく危ないものです。」


そう、君たちには、絶対持たせてはいけない感じがするものです。キ○ガイに刃物というか、九戸に爆発物、ブルブル考えただけで震えが。


「そうなのかい、分かった誰かに用意させておくよ。」


◆◆◆


「だからね、政栄くん、全然出番が回ってこないんだよ。」


ふむ、安東領の復興と日本海側のおさえで九戸の戦力は出せないようだな。


「暇なんだよね、愛姫が内政に手を出してはいけませんとかいってやらせてくれないんだよ。」


ナイスだ愛姫、となりが景気が悪くなると困るからな。


「そんなに、暇なんですか?」


「訓練ばかりで、飽きちゃったよ。」


小人閑居して不善を為すを体現してるとか。いやアホは暇だとろくな事をしないというか、ろくでもない事を始めるからな何とか暇つぶしをさせないと、愛姫もまだまだ脳筋の扱いに慣れていないようだな。


「不来方に行くんだろ、晴政様に出番をもらってきてくれないかい?」


「農閑期がもうすぐですからね。まあ言うだけ言ってみます。」


暇つぶし(戦)させないと、なんかヤバそうなんでね頑張るよ。


「おお、そうかい頼んだよ。」


「それで、九戸の石炭鉱山で作って欲しい物があるんですが。」


「うん?石炭鉱山?……ああ、ほとんど使ってないあれか、あそこでなにか作るのかい?」


「ええ、材料も燃料もありますし。火事対策をしっかりして、コークスを作りましょう。」


運ぶのもめんどくさいし。


「コークス?」


「コークスです、高温が出る燃料です。」


「ほう、なんにつかうのかはわからないが、良い物なのかい。」


いや、用途アリアリですよ。


「錆びた鉄を還元するぐらいの温度がだせます。」


「すごいのかい?」


「すごいのです。」


「わかった、不来方の帰りにでもよってくれるかい、その間に材料を用意させておくよ。」


「わかりました、材料は書き出しておきますね。」


◆◆◆


「あと、安東領から、大陸と貿易できないか愛姫と相談してくれない?」


「大陸って、女真族かい?」


え、バカボンどこでそんな知識を、こいつほんとうにバカボンか?


「愛姫が九戸の騎馬の強化に大陸の馬がほしいって。」


だから、愛姫の能力高すぎない?


「そう、その女真族が馬に食べさせている、赤い蕪みたいな野菜が欲しいのですよ。必要なら南部丸を貸し出しますから。」


「ほう、馬にたべさせるのかい。」


お、食いついた、馬なのかやはりというか納得。


「ええ、だから愛姫に南部丸で大陸との貿易できないか聞いてみてくれますか」


「わかった、今度聞いておくよ。」


◆◆◆


「おはよう、政栄くん、さあ、朝の日課に勤しもうじゃないか。」


しまった、こいつらもか!なんとなく泊まるんじゃなかった。


「いえ、不来方までい……」

「さあ、みんな舞ってるよ。」


お前は物理的に舞わせるだろうが!こら!引っ張るな。


「ハハハハハ派は!!!」


その後訓練と称するなにかで、九戸の兵士は精強だと改めて知ったのであった。


◆◆◆


「愛、ちょっと、いいかな?」


「なんですか、あなた。」


「昨日、政栄クンが来てお土産を置いていってね、その時いろいろと話をしたんだよ。」


「あら、どんな話ですか?」


「石炭鉱山でコークス?とやらを作って欲しいのと、大陸の貿易で女真族が馬にたべさせてる赤い蕪みたいな野菜を手に入れたいそうなんだよ。」


「コークス?と野菜ですか。」


コークス?はわかりませんが、馬に食べさせるとは、豆のような戦略物資なのかしら?


「コークスについては何か?」


「そうだねぇ、たしか凄いのだとか。」


「凄いのですか。」


……わからない。


「まあ、使ってない所ですから、役に立つなら領内もまわりますし構わないかと。」


「あ、そうそう、大陸との貿易に南部丸を貸し出してもいいっていってたね。」


ふーん、虎の子の南部丸を貸してくれるくらい欲しい、ということかしら。


「わかりました、それで政栄殿は?」


「朝の日課が終わったら、不来方に行く、といって急いでいっちゃったよ。」


「……参加したのですか?」


「大丈夫だよ、われわれは体が“しほん”らしいからね。」


何の事かわかりませんが、かわいそうに。


◆◆◆


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