帰路 伊勢、津島、駿河 相模
伊勢でまた当主と源氏一門の話で盛り上がった(おもに肉体言語で)。どうも、公家より源氏一門としての血(脳筋)が全面にでているきがする。
塚原…漢字が読めん…人と上泉なんとかの紹介状をくれた。誰?いらんよ大将が白兵戦してどうするの。
◆◆◆
津島
あのうぜー君は、美濃で会談中らしい、平手殿が切腹したと言う噂は聞いていない……気分がいいので玩具セットを送っておいた。彼ならば喜んでくれるだろう。
◆◆◆
駿河
徳川家康 現在、松平元信
天下人、徳川幕府初代、忍耐、ノブのパシり、孕石キライ、氏真キライ、信玄キライ、子だくさん、ドケチ、貧乏、偽源氏、歴史改ざん疑惑。
うむ、貧乏なのは共感を覚えるが偽源氏はいかんな。すかぬ。
雪斎殿を訪ねて行った先で、後の天下人を見つけた。
ふーん、雪斎の弟子だったのは本当だったか。
歴史は勝った陣営が好き勝手できるからな。正しく伝わって無いときがあるから俺の先入観は当てにならんと思っておこう。
「雪斎殿、堺から戻ってきました。…ところでさきほどの若者は、どなた様ですか?」
いや松平って家紋はいってるから分かるけど、一応ね。
「八戸殿か、今川家臣団の松平元信だこの度元服して、関口殿の姫と婚約し今川一門に入ることとなった、なかなかの俊英だぞ、お主には及ばんかもしれんがな。」
なに!結婚…早くないか
「もしや、雪斎殿が進めたのですかな。」
「ふっ、弟子ながら優秀で我慢強い、織田との戦で大駒として初陣を飾ってもらうつもりだ。」
野郎、同盟後、すぐに侵攻をかける気だな軍の編成に先駆けて一門にしておいて大将格で使う気だな、あの三河家臣団なら頭(雪斎)がしっかりしていれば織田を蹂躙しかねんからな。くわばら、くわばら。
「なる程、三河の…軍の編成に先駆けてですか、迅速な方だ。」
「ふん、それが分かるから貴様は油断できんのだ。まあいい、田中殿は爽健であったか。」
「ええ、雪斎殿の病の事も知ってましたよ。」
「全く、どいつもこいつも、おちおち寝ておれんわ。」
ウーン織田しゅうりょうのおしらせかな?
◆◆◆
「それで、腹は決まっているようですし、使者はどなたに。」
「まだ何も言うておらんわ、使者は朝比奈泰能に頼むことにした。その後、幻庵殿、勘助殿と会談を設けるつもりだ。」
山本勘助か実在したんだな。まあいい、長尾の足止めをしてくれないと弱体化した最上を食うかもしれないからな。越後から庄内は海沿いから侵攻しやすいから気を付けないといつの間にか長尾がお隣さんなんて冗談じゃないし最上にはクッションになって貰わんとな。
「相変わらず、悪い顔をしておるの、武田の裏でもみておるのだろ。」
ちっ、それが分かるアンタも、大概だからね。長尾景虎の情報収集もしてるってか。
「武田は村上をつぶしたばかりだし、武田も反対する理由はなかろう。流れが来ているとみるべきだ。」
なる程川中島が始まったのかまだ信濃侵攻が始まったのばかりだし。十年近く謙信はうごけないな。北条も関東進出できるし。甲相駿三国同盟の流れを見た気がするよ。まあ俺も手をつっこんで一年間程早くなりそうだけどね。
◆◆◆
駿河に斎藤衆を何人か残し情報収集をさせることに、はい?俺が楽しむため?何のことかわからないな。
浜松に戻り朝比奈殿を連れて、相模国下田港を目指すことに。
イヤー面白くなってきたね他人事だし。
◆◆◆
相模 下田港
「安藤殿、久しぶりですな。クレーンの調子はいかがですか?」
「八戸殿、いやあ、積み込みや荷下ろしがはかどっていいですな。今川からの帰りですかな。」
「ええ、仕事もおわったので、約束どうり、幻庵殿を訪ねて参った次第。」
「わかりました、小田原に使いを出します。屋敷のほうでゆっくりしてください。」
◆◆◆
「八戸殿、本当に安全なのですよね。」
「朝比奈殿、一応時世の句を詠んでおきますか。」
「八戸殿?!」
意外だがいじりやすい人だった。使者にはむかないかな。いやお使いには善良そうで良いかもな。
まあ、冗談はともかく、今川No2の知将で義元の信頼も厚い人だ今川の本気も伝わるだろう。
「八戸殿、大丈夫ですよね。」
伝わるかな?
◆◆◆
小田原城
北条氏康 「八戸殿が朝比奈泰能を連れてきたか。」
北条幻庵 「先日武田から使者が来た件でしょうな。」
「太原雪斎が復帰したからな、ふん、さすがに反応が早いな。」
「ですが関東進出にまたとない好機かと大国が背後を気にせず戦えるなど誰が考えたのかは知りませんが笑いがとまりませぬな。」
「では、幻庵たのんだぞ。」
「お任せ下さい。」
◆◆◆
下田 北条家屋敷
「八戸殿、今川からの帰りですかな?」
「使者の役目も終えたので友人を連れて訪ねてきました、これは堺土産の茶道具一式です。」
食いつけ、食いつけ。
「おお、これは!上方で流行っている茶道の道具ですな、後で使い方を教えてくだされ。」
ヒット!まあ、桑の葉茶をだすぐらいの風流人だ釣れるとおもったが。
「こちらは友人の朝比奈殿、今川の重臣らしいです。」
「八戸殿!、いえ、朝比奈泰能でごさいます、お初にお目にかかる。」
「あーそうそう(棒読み)雪斎殿から北条家に行くならと手紙を預かってきまして。どうぞ。」
「これは、かたじけない、後で読ませていただきます。」
ハイ、繋ぎ役終了、あとは年寄りにまかせよう。
◆◆◆
さて、あの後改めて幻庵殿と朝比奈殿が会うことに。
俺は俺で幻庵殿と茶道具の話で盛り上がった後、八戸~駿河間の水運関係の話をした。北条家は自前の船はあるが下田に寄ることは了承してくれるとのこと、堺の品など駿河に南部商会を作って取り寄せがし易くなる事を伝えたら食い付いてきた。
弱点をさらすとはおろかな、まあ気持ちはわかる。
おっと、宇治の抹茶と引き替えに小田原の桑の木を貰った。
クックック養蚕で金儲けだぜ。
◆◆◆
「八戸殿、お世話になりました、使者の役目も全うできたかと。」
「いえいえ、お疲れさまでした、また何年後かに寄りますゆえ、雪斎殿によろしくお伝えください。」
朝比奈殿を駿河に送り届け、用事は終わった。さて伊達の背後を脅かすタネを探しながら八戸に帰りますかな。
◆◆◆




