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斯波氏攻略戦 南部の使者

1552年 四月


不来方城


南部晴政(三戸本家)は、石川高信(二戸、津軽)とともに、二万の軍勢を率いて不来方城を出陣、当初抵抗があるかとおもわれたが、一戦もせずに開城、斯波氏は本家預かりとなりあっけなく攻略はおわった。南部家は高清水を押さえ、北陸中(通称)を制覇した。


「で、また奴からの手紙か。」


石川高信

「一関は要害の地ゆえ、花巻に城の建設を、と具申してきましたな。」


「葛西などひとひねり、といきたいところだが、一理あるな。北上川を補給路としているが、伸びすぎているか。」


坊主、良いぞ進軍されてはかなわんわい。


「ふむ、不来方からでは距離もある。騎馬も使いにくい地形か。」


「よし、高信、花巻に城の建設を行う。」


◆◆◆


高清水開城の報を聞いて、急ぎ早馬をだしたわけだけど。

あぶねー、斯波氏粘れよ最低一年位、まさか一戦もせずに開城するとか判断力あるじゃん。ああ、もう、準備(兵糧)が整ったところで葛西に奇襲する案がだいなしだよ。ちくしょう、一関は伊達とやり合う絶対条件だったのに。

まあ、おっさんが勢いに乗って葛西攻めなんて言わなくて本当によかった。

不来方まで押し返されないためにも一関は欲しかったなあ。次善の策で花巻に出城を造るしか領内の防衛案がないっつうの、まさか諫めたおれが奇襲を進言するわけにもいかないしな、九戸から奇襲案を提案してくれるようバカボンに頼むつもりだったんだよなあ、ああ、やっちまったよ。

こうなったら、ヤンデレに早馬と伝書鳩と狼煙台の設置を具申してもらおう。水沢のあたりで迎撃しないと領内の開発に影響するぜ。


◆◆◆


一関は平泉藤原氏の頃からの要害の地で一ノ関、二ノ関、三ノ関の一番という意味です。主人公一手遅かった(笑)

伊達の勢力圏と南部の勢力圏のどちらで戦うのかは、かなりのちがいが国力にでることになるでしょうから。


◆◆◆


まあ、やっちまったもんは仕方ない、伊達と直接戦端がひらかれたわけじゃなし、俺は俺の仕事をしますかね。

堺に足をのばすとして、“つて”は今川氏に紹介してもらうからいいとして、ああ、あと先触れをしとかんとな。いきなり船で乗りつけたことで攻撃されてはかなわんしな。

まあ、どんなに急いでも出発出来るのは秋口だゆっくり準備しよ。


◆◆◆


葛西氏は斯波氏の家臣とするゲームが多いですが一応独立勢力としてこの小説では登場します。<(_ _)>



◆◆◆


1552年 10月


台風シーズンも終わったとみられる晴天の日に八戸港を出航、最初の目的地は石巻になった、(松島、仙台沖は浅瀬、岩礁があるためちょっとね)わかってたけど、いきなり伊達家に乗り込むのか、しかも塩釜に船をつけるなとか、嫌われてるね。

まあ、岩出山城なら石巻からのほうが近いしいいか。

一族の伊達実元があってくれるだけ、ましってか。


◆◆◆


岩出山城


完全な岩出山城は始めてみたけど、なるほど山の形状を上手く利用した要塞ですなこりゃ、たしか深井戸があったよな、水断ちは効かないと、兵糧攻めは今の情勢じゃ使えないし。攻める手が思いつかんよまったく。


会談は城の近くの屋敷となった、ちっ用心深いな。


伊達実元 


有名なパーリーの親戚、ムカデ君の父親か。

上杉に養子に行ったり、天文の乱では晴宗と敵対してる、最近では味方の大森城を攻めて城主になるなど、波瀾万丈だねこの人。

主家に敵対して生き残っている、この事実だけでわかります、ヤバイ人なんだね、りかいしました。


◆◆◆


「南部家の使者として参った、八戸政栄です。」


「伊達実元です。」


ふむ、落ちついた感じ、柔らかい雰囲気をもつ第一印象だ。


なんのやくにもたたない世間話のあと、話をきりだした。


「簡単に言うと、幾つかの提案をしたい。もちろん強制するものではないです。」


「…続きを。」


「まず、お互いの使者の殺害の禁止、いちいち、殺していては、使者のなり手がなくなります。」


「…どうぞ。」


「次に将兵の捕虜の交換、あるいは、土地、金銭での交換、これは南部家側からの希望であり、伊達家に強制するものではないです。」

「最後に、遺体の返還、できればさらし首などやめていただきたい。以上です。」


「…すぐに、返事は必要かな。」


「あくまで、提案です。もちろんこちら側から、話し合いを拒否するつもりはありません。」


「ふむ、個人的な質問なのだか。」


「なにか?」


「戦は泥仕合となりそうかね。」


「おそらく。」


「持ちかえって返事をすることになるだろうが、期待しないでくれ。」


「では、失礼。」


武闘派なら、怒り出しそうな内容だが最後まで、聞いてくれたか。

まあ、伊達家中ではこんな話は通らないよね、交渉ができる相手だと印象付けることができたらもうけもん、まあどうでもいいけどね。


武闘派と穏健派の間に諍いの種を蒔くのが今回の目的だしね。


◆◆◆


伊達実元


噂の黒軍師が大型船で乗りつけてきたと、キモを冷やしたが、ただの子供ではないか。

話も戦をなめているような内容、理解に苦しむ、一体なにが目的なんだ、まあ俺は話を伝えるだけだがな。


◆◆◆

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