表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/163

なんと、新田氏でした。

爺が無言で正座をして手を下へ向けた、座れということなのだろう、いつも陽気な爺の雰囲気ではない、真面目な話になるのだろう。

俺も爺の正面に正座をする。


「若様、隠していたわけではございません、貴方様の父上は館に居を構えている、新田様にございます。」


ん?


なんて言った?


新田?源氏の?


もしかして?あの鎌倉幕府を滅ぼした新田氏?


まさか俺、新田義貞?


キター!やったね。


足利尊氏が室町幕府を開く裏でやられ役として名高い新田義貞だけど途中までは源氏の本流!総大将だったんだよねー

西日本の勢力を集めて戻ってきた尊氏にやられちゃったけど、ちょっと気をつければ、征夷大将軍一直線間違いなし!!!

後醍醐天皇とかの付き合い方を気をつけて、早期に楠木正成を味方に引き込めば、簡単じゃん!

いけるよ!いけるぜ!


「あのー若様?、聞いておられますか?」


「ああ!爺、聞いているぞ、まさか新田氏だったとはな、私は嫡男なのか?」


確か、義貞は長男だったはず。


「嫡男でございますよ、新田行政様の」


義貞の父親はそんな名前だったのかな、まあよくしらないけど俺が義貞である可能性はあるよね。


「そうか、私は、新田氏だったのかー、源氏の本流の」


「若様?それは“にった”様では、貴方様の父上は“にいだ”様にございます。」


新田ちがいでした。



爺の話を聞いてわかったことを整理しよう。

俺の父親は、現在の青森県八戸市にある根城という城?...館の敷地内に住まいを持つ家老である。

殿様?領主様は、八戸勝義、南部氏の一族だが南部性を名のっていない、まあ傍流といったところか。

んでぶっちゃけ八戸氏と新田氏は親戚関係にあり、凄く近い血縁関係にある。

つまり、南部氏の傍流の八戸氏の家老の嫡男がいまの俺ってわけね、理解しました。

母親は俺を産んですぐ亡くなった、父親は後妻を迎え、館に後妻と住んでいるってわけだ。


あれ....俺の立場って微妙じゃないかな?弟とか産まれたら...


やばいんじゃないか...これって場合によっては廃嫡もあり得る!?


だいたい館の外に出されてる時点で跡取りと思われてないよね。


ヤバイヨ、ヤバイヨ、廃嫡フラグ立ってるじゃないか、このまま何もしないでいたら容赦なく処分されちゃう。



◆◆◆



俺は坊、名前はまだない。

数えで五歳まで成長できれば名前が貰えるらしい。(らしいってなんだよ)

父親の新田行政は「捨ておけ、その方が丈夫に育つ」と言ったそうだ。

この時代、捨て子が丈夫に育つ、て言う迷信があるみたいだけど、単なる育児放棄ですから。

爺が名乗り出て俺を引き取ってくれなかったらどうなっていたことか、爺には足を向けて眠れないね本当に感謝している。

俺が家督?を相続できたら、一族を重用するからね。(いや、爺を大切にしてやれよ)


俺の今の現状だが...


ヤバイヨ、ヤバイヨ、長男廃嫡フラグたってんじゃん。

弟が産まれたら、よくてお寺行き、名前も付けてもらってないから最悪いきなり殺されちゃう。


落ち着け俺、深呼吸だ。


スーハー、スーハー。


俺には前世の知識があるチートを使って役に立ってみせればいきなり殺されることはないはず、たぶん。

時間を稼いでおいて逃げるなりなんなりしよう、せっかく生まれ変わったのに死んでたまるか。

逃げるにしても、この時代で生きていくなら武芸は必須だよな、南部領は馬だけは豊富だし、乗馬スキルと槍だな。刀なんてほぼ使わないだろう。

よし!何をするにしても現状把握からだな、何が出来るか考える材料をさがそう。


「権爺!権爺、いるか!」


「若様?どうされました。」


「私は八戸領のことを何も知らない、だから視察をしたいのだ、現状把握は基本だからな。」


「視察でございますか?」


「ああ、八戸領を全部見て回りたい!」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ