表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/163

常陸国 乱 その三十九 谷田部の戦い

短く乱文ですが(;^_^A

◆◆◆


砂塵を巻き上げつつ中州(なかす)中央からやや左よりを黒い固まりが疾走している。

 丘の上から見ても十分に迫力がある近くで見たなら物凄い迫力だろう、但し騎馬の群れだと気付くかどうかはさだかではないが……


「ふむ……負傷者を避け斜めに水谷隊の殿(しんがり)に突入する気だろうな、まあ普通に及第点だね。」


「……頭を押さえた方が良いのでは?」


「判ってて聞いてるだろ、せっかく逃げてる敵の足を止めて必死の抵抗を受けるなんて愚策だよ、斜め後方から殿や後衛を切り取りながら何度も突入する方が戦果が上がるさ。」


「しかし、政栄殿ほど慎重な方がよく徳寿丸様の出撃を認めましたね、てっきり不興を買っても止めると思ってましたが。」


黙って笑ってた奴にだけは言われたくないんだが(怒)。


「実際の所如何して唐の物語のように騎馬部隊を騎乗のまま運用しないかわかるか?」


「……いきなりな質問ですが先の質問の答えと関係あるのですか?」


「そうだね、この日ノ本の国が斜面も含めて山地が七、平野がだいたい三くらいの割合だということ、要するに騎乗したまま戦う場所が基本的に少ないということ、これが一つ。」


「二つ目は、単純に馬が少ないそして馬が小さい。」


「馬が小さい?」


「そう小さい、大陸の馬はアレと同じ位の大きさで走りに特化して足が長く胴が細い、この国にいる馬とは違う生き物だと言ってもいい。」


「要するにこの国の馬は完全武装の武者を乗せて一定以上の速度で走り廻れるほどの力が無い、だから馬に鎧を着けず裸馬に近い状態で乗っている訳だ。」


「ところで頼久、御主の弓は走る騎馬に通用するか?」


「愚問ですね、大弓なら騎乗してようがいまいが馬だろうがなんだろうが射殺して見せますよ。」


うーん、流石は戦国に生きる男だね、理知派の優男でも一定水準の武芸は修めていると。


「うん馬の皮は人より厚いとは言え鏃が付いていれば矢を簡単に通してしまう、あんな大きな的を最低限の鎧をつけて乱戦の中に放り込むとか説明すれば無茶だと子供でも判ることだな。」


現代なら動物愛護団体やJRAにえらい怒られること間違いないね。


「……つまり序盤から相手の将や弓兵を集中的に狙わせたのは終盤の騎馬による追撃を想定しての事ですか。」


「そう、組織的な抵抗や弓による遠間からの攻撃がなければ、騎兵は圧倒的な力の差を見せるからね、この戦いは相手の兵を減らす事が目的じゃないから、本来追撃は不要なんだけどね。」


「水谷殿の退き戦は余計であったと。」


「ま、そういう事だね、大将が追撃に出るとかあり得ないんだけどまあ背後から馬上攻撃反撃無しなら徳寿丸様ならほぼ大丈夫でしょ頼久だってそう思ったから反対しなかったんだろ。」


そう、騎馬が使えないなら使える戦場を作り出せば良い、武田信玄は騎馬は移動に用いるべきで騎乗して戦ってはいけないと言っているが、それは甲斐の国の特殊な事情で(貧乏とは言ってはいけない)騎馬兵種自体が国のコストパフォーマンスに合わなかったからにすぎない、彼が越後、駿河を早々と制し平野部に進出していたら無敵(そりゃ戦わないんだし)の騎馬部隊の違った運用が見られたのかもしれない。


「だがこれで徳寿丸様の名声は確実……に上がる………といいなー(もしかしたら騎馬部隊と認識されない可能性もあるかも)」





短い文の短期投稿なので評価、ランク除外でやっております。<(_ _)>


改定版で直す気なのでしばらくこんな感じで失礼します。<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ