常陸国 乱 その三十七 谷田部の戦い
まだまだ不定期ですが<(_ _)>
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谷田部川側 多功下野連合
多功房朝
「水谷殿思い切ったな……うん悪くない、右廻りで相手のより弱い所に廻り込みながら分断して距離を開け始めてる。」
多功綱継
「親父、分析は良いからコッチをなんとかしてくれ、もう後ろは葦が茂ってるぬかるんで動きがとり辛い。」
「それなんだが綱継、不思議だと思わんか。」
「なにがだよ」
「ほれ、ソコの辺り葦が刈り採られてるだろう。」
「は?何言ってんだよこんな時に、葦はなんにでも使えるんだから誰かが刈り取って行ったんだろ珍しくもない。」
「こんな都合よく奴らの本陣から川まで綺麗に見通せるようにか。」
「どういう事だよ、短く早く!速くしてくれ限界が近いって!」
「うーん、あいつらが刈って行ったんじゃないのかな、ほれ中央も草が刈られて中洲の平坦さが際立ってるだろ、奴ら土浦城で足止めを食ってた時からここを戦場にすべく準備してたんじゃないのかって事だ。」
「……親父、戦の準備に戦場の草刈りなんて聞いたことないぜ、何処の暇人だよ。」
「難しい事じゃない、近くの村の連中に金を渡して葦や草を刈らせ目立つ穴を埋めたんだろう、確かに広いが二、三日あれば出来ない広さじゃない。」
「そんなことしてなんに………」
「そうだ、今俺達は追い詰められているだろ、奴らが有利なように。」
「頭!準備できやしたぜ、柵と案山子も何体かつくりやした。」
「よし、潮時だな水谷殿には悪いが囮になって貰って俺らは目立たないように葦に紛れて逃げるぞ。」
「は?どうやって。」
「若、葦を揺らさないように縛って根元に道を作ってやす、鎧とかは捨てて這いつくばって逃げるんでさ、川の深い所に出たら対岸に泳いで渡って後は一目散でさ。」
「そういう事だ、案山子に踏ん張ってもらってとっととずらかるぞ、三十六計逃げるになんとやらだ。」
戦場を造るか……物語に出てくる唐の将軍じゃあるまいし野戦築城の才とかどんだけ広い目をしてやがるんだ、水谷殿気をつけろよこんな用意周到な奴が切り札を残して置かないはずがない、絶対なにか隠し持ってるぞ。
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中央 佐竹側本陣
……正直愕然とした、まさか正面から左翼の土手っ腹に横槍を入れるとか……ナニそれ後衛を入れ替えながらユックリと距離を取って一気に離脱するのがスタンダードな正面撤退でしょ?そんなもの川を使って直ぐに半包囲………出来ない。
「やられた。」
分断された左翼の先端に伝令が届かない、しかもこのままだと横槍から時計回りに後輩を襲われることになり一方的に蹂躙される。
どうするどうする?
やってはいけない事は判ってる、左翼先端を止まらせる又は反転させる事だ、立ち止まった所を蹂躙され負傷者で追撃が不可能になる、つまり反転包囲は不可能予め準備してればともかく流れに任せていた左翼を制御下に置いて反転させれば隊列が整う前に怒濤の勢いの水谷隊が襲いかかってくる……駄目だ伝令が間に合わない以上左翼に打てる手立てがない……詰んだ。
伝令
「右翼谷田部川沿いで抵抗していた部隊が見当たりません。」
「は?報告は正確に!どうしたって?」
「わかりません、先程まで川沿いに柵を作り抵抗していたのですが……反応が無くなったので物見の者を向かわせた所、柵の後方川沿いの葦に紛れて鎧をつけた案山子が何体かありますが後はもぬけの殻です。」
な!葦に紛れて逃走したのか?いつの間に。
少し押込みすぎたか、まあいい逃げたなら問題ない問題は壊滅しつつある左翼だ。
徳寿丸
「政栄、約束であったな。」
良い笑顔だな………




