盲目の軍師 誕生
やっちまったか、こうなるかなとは思ってたが、まさか撃退するとはな、ツメがかなりあまいがギリギリ及第点ってところかな。
だが、後でブン殴る!
アホの蠣崎が暴発したってことは、大浦がチクったてことか大領の癖にケツの穴のちいせえことで。
まさか、陰謀は俺が軍目付けに選ばれたところからじゃねえだろうな、ああだめだ、疑いだしたらキリがねえや。
とにかく、政栄が追撃しなかった以上、ここまでだな。
後はゆっくり時間をかけて、締め上げてやる。
「おーい、盛政どの宴席を抜け出してどうしたんじゃ?」
「ああ、なんてもない、今戻るよ。」
「報告、ご苦労だった。」
◆◆◆
いくさのあと、父上ににババちびるほど怒られた。
次の日、三戸城の援軍がきてやっと一息つくことが出来た。
蠣崎蔵人は逃げ延びたようだ、まあ追撃なんてしないけどね。
何処かの領の仲裁がはいる前に田名部領に侵攻してとれるだけの土地を切り取るべきなんだけど、物資がない、関所まででせいいっぱいだ、戦後は経済制裁で締め上げてやる。
さて、輿にのり黒頭巾をかぶってたたかった俺は目暗(めくら、スラングですが勘弁ね)だと言う噂が流れている。
なにその中二設定、大谷刑部の真似しただけってやべー、やっちまったか!黒頭巾て目暗の人の目印なんだったか?
まあ、いいか、じじいが帰ってきたら聞いてみよ。
◆◆◆
じじいが、戻ってきた、報告を済ませた後“ゴン”と強烈な一発を貰った。
裏事情の説明とこれからの方針の後、お前はこれからどうしたい?と聞かれた。
“すぐに、答えは要らないじっくり考えろ”だそうだ。
どうしたい?
今までガムシャラに領内開発を推進してきたわけだが....
塩の生産、他領との軋轢、八戸領の防御力の低さ...
今できることをただやるだけではいかんのか?
無意識に目をふさいでいたこと....
内政とは正反対の力...
暴力を振るう....違う!
いや内政だって立場が替われば単なる暴力だ。
本来の南部領のこれから....
既に蠣崎氏の反乱は起こっている。
三陸仕置きも、この時期だっただろうか?新井田領の取りなしがあったはずではなかったか?
俺のやりたいことか.....
クックック、イヤーだめだめ、お気楽、極楽が心情の俺がシリアス的に考えてもだめだな、やーめた。
来る者は拒ます、去る者は追わず、挑む者は粉砕だ!!
うん、これでいい、俺にシリアスは似合わん。
おう、シリアスにかまけて、じじいに黒頭巾の話を聞くのを忘れていたぜ、聞きにいこ。




