表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/163

八戸領 防衛戦

蠣崎氏の野望?


うちの、田名部領は貧乏だけれども馬と塩の取引でどうにかやっている、小領ではあるがなぜか、塩や馬がたくさんとれる不思議な土地であるんだ、恐山のせいかもしれんな、ブルブル。

そしたら、隣の大浦の甥っ子がよ新田殿の領で塩を大量に作って売る出すつもりだってきいただよ。

困るだや、ウチは塩で食ってんだからよ、あそこは、馬でもカチ合ってんだし本気でウチをつぶすきだべ。

だども、あそこには鬼(盛政)がいるだで近寄ることもでぎんだよ、どうすべー。

だっきや、南部の当主様がまたキレて、鬼が三陸さでがげだってんだからよ。今しかねえだや。

鬼のいぬまにちょこっといって、その塩造りしてる小屋だかなんだかをこわしてくんべ。


◆◆◆


防衛戦


じじいが三陸征伐に出発した十日後事件は起きた。

田名部領の蠣崎蔵人が攻め込んできたのだ。

八戸領の北にある関所を夜半に打ち破り近くの砦を攻撃していると早馬が告げてきた。













なんでじゃー


いや、蠣崎の反乱は10年以上先の話だろ?八戸政栄の最初の戦だから覚えているぞ、たしか、新田盛政が戦場のけがが元で翌年亡くなるはずだ。

理由だって大飢饉で自棄になって暴れ回ったと書いてあった。

なんで今なんだよ?


はっ! あれ?あのじじいを負傷させた?

いや、まてまて、もう一度思い出せ、蠣崎の反乱は、八戸、九戸、三戸の南部連合軍で十和田の草原で開戦、連合軍を半壊させられたが、新田盛政が一騎討ちで蠣崎蔵人を追い返した。


あれ?勝ってないじゃん、しかも、じじい翌年死んでるし。

蠣崎蔵人は北海道の同族を頼って落ち延びたから死んでないね。


やべー、じじいクラスの豪傑じゃねえか!

どうする、どうする?

逃げるか、逃げるべし、逃げよう、逃げるとき、逃げれば、....


逃げれば、どうなる?


◆◆◆


蠣崎蔵人の反乱は史実ですが、内容は翌年新田盛政が亡くなること以外創作です<(_ _)>


◆◆◆


逃げればどうなる?


八戸の町は、皆はどうなる?





















とかは、どうでもいい!(え?)


逃げたら?ただ生き延びる選択は最悪だ負けるよりたちが悪い。

今なにもせずに逃げたら、脳筋の南部一族内で浮かび上がることはない、絶対にだ!

現代の常識で逃げて最後に勝つは今は封印だ。

負けてもいいから、最低限迎撃戦をしなければ....



嫡男廃嫡ルート復活かよー



落ち着け、まずは深呼吸だ、


スーハー、スーハー、


勝つ必要はない、これ大事!

じじいがが騎馬部隊を連れて行ったわけだし不利な状況にあるのは誰にでも理解可能。

戦場で膠着状態を作り出して三戸の援軍が到着すれば後は誰がに指揮をまかせてしまえばいい。

新井田領には、守りを固めるように、伝令をだしていざという時は逃げ込む。


結論!

時間稼ぎをしてヤバくなったら新井田領に逃げ込む、三戸の援軍が到着したら俺の勝ち!あとはしらん。


◆◆◆


「じい、みなを広間へ集めよ。」


「若様?大殿からは籠城がむりなら撤退せよと言いつかって御座います。」


じじいは、ある程度の予想をしていたわけね、ここにいなくても状況はお見通しですか、しかし弟たちが成長したとき俺がどうなるかは保障されてないんじゃー!


わかってるよ、あのときの無茶すんじゃねえぞの意味もな!


落ち着け、テンパっても誰も付いてこないぞ、余裕を見せるんだ笑顔、笑顔だよ!


「わかっている、むちゃなぞせん、約束する。あと父上に守りを固めるように、三戸城には援軍をたのむとしようか、早馬をだすとしよう、書をしたためるゆえしばしまて。」


あせるな、余裕を見せるんだ。


◆◆◆


みなを広間に集め軍議を開いた。


そして気づいた。


じじいの予想どおりなら、戦慣れしたやつを残して置けよみんな黒塗りの鎧をきてついていったじゃないかよ!


あほかー!


じじいの心の声「いやあ、忘れてたわ、ハッハッハッ」


落ち着け、きれそうだが落ち着け、笑顔だよ笑顔!


「軍議を始める、まずは、敵は蠣崎蔵人、田名部領の領主だ。」


「爺!てきの総数はわかるか?」


「はっ、物見と早馬が告げてきたのは、騎馬多数、二千程とのことです。」


騎馬部隊中心の機動力型の編成ね、補給とかは考えてない典型的な脳筋野郎ってわけね。最悪です。


「相手の目的だが根城を落とすことだろうか、誰か意見はあるか。」


「若、田名部領の特産品は塩でございます。」


ガーン、まじ?必死こいて二年以上かけてようやく本稼働できるかってところだぞ。


落ち着け、笑顔だよ俺。


「ふん、そんな施設なぞくれてやる、爺!工場に残っている者には避難するように伝令を出しておけ、命のほうがだいじだ。」


いえ、工場を死守して欲しいよできるならね。


目標がそこなら、海岸付近を一気に南下だな、ルート確定。


「念のため、城下の者を避難させるように、人的被害はないほうがよい。」


ただ働きしてくれる、貴重な人材ですからね(鬼)


「戦場は馬淵川下流の平原を想定して動くぞ、蕪島まえに本陣を置く陣幕を多くもて、爺、足軽に丸太を一人一本と麻紐を大工町からもっていかせろ。」

「あと、騎馬は使わず輿こしで指揮をとる、目立つようにな。」


◆◆◆


馬淵川河口付近


よかった、まだ敵は着いていないか。


「爺、現在の状況は?」


「蠣崎の騎馬部隊は砦を落とし、真っ直ぐこちらへ向かっています。」


ふん、ルール予測があってるてことは、目標は塩の生産工場か。


他領の事情を考えてなかったとは、自分のマヌケさに腹が立つぜ。


「爺、兵の頭を呼んで来てくれ。」


「部隊長ですか?」


「そう、それ!」


うちは、足軽頭とか組長ではなかったのか、やべー聞いておくんだった。


部隊長を集めて、今回の策というか、柵の設置場所を指示。

戦闘が始まったら本陣まで敵を誘いこみ、馬防柵ので動きをを止める、四列の横陣から二列の槍兵を回り込ませて、敵を三方から囲み、海側へ追い落とす。


戦の流れと、経過予測、敵の予想外の動きへの対応を話した。


何その顔、あれ、俺なんか、間違ったことを指示したかな?


まあいい、おれは本陣の仕掛けに行くとしよう、小細工の類だがやらないよりはましだろう。


◆◆◆


騎馬、日本の武将で騎乗のまま部隊を運用しているのはほんの僅かな人だけでしょう、かの武田信玄でも馬を下りて戦うべしと記録に残しているくらいだ。まあ狭い国土と深い森という、特殊な環境なんだから、武田信玄は正しいと思うんだけどね。


さて、わざと河口付近の広い荒れ地に戦場をもってきたんだから、調子にのって騎乗してかかってきてくれよ。

すでに退路には馬防柵を配置済みだ、一当てして壊滅状態になってもなんとか、新井田城にたどり着く位は出来るだろう。

できれば、夜間の見えづらい状況が最高だったんだが夜明けを待つあたり手強いなあ。

まあ、ほんと、小細工しただけだし、だめだったらさっさと逃げだそう、さあて作戦は伝えてあるあとは目立つだけだ。


◆◆◆


夜が明けて戦が始まった。


馬淵川を挟んで、横陣の相対から始まった。


もちろん横陣の前面には馬防柵をたてている、いきなりの騎乗突撃で全滅したくはない。


蠣崎氏は騎馬部隊2000に対して、こちらは足軽が3000数がおおいのが唯一の救いだ。


弓合わせもそこそこに河口側を避けて上流側から回り込むように動き出した。河口付近は浅いとは言えある程度は動きが鈍る。この動きは想定どおりだ川を渡りきるまで弓兵のみなさん削れるだけ削ってくれ。


さて、川をわたったら驚くよね本陣が丸見えなんだから。


うん、吶喊してきたよ当然だね。


でも横にも越えにくい高さの柵があるのはみえてないのかな?


さて冷静に状況を確認されてはいけません、本陣の陣幕のうえからに輿が見えるように高く上げて貰う。


「八戸政栄、ここにあり!」


小さな鎧に、黒い頭巾を目深かにかぶり、ただこしに乗ってあぐらをかいている、担ぎ手がこえを張り上げるのだ。


こええーやっぱ怖いので頭巾をおろして目をふさぐガクブルですよ、ガクブル立つなんて無理無理。


はっ!よく考えたら人形でいいじゃん?しまった俺が直接やる必要がない頭巾をかぶってんだ、なおさらだ。


ええい、ままよ、左手をあげると、源氏の旗、八戸氏の旗が乱立する。


おお、勢いが上がった、ものすごい勢いで突っ込んでくるよ。





勝っちゃった。


◆◆◆


特に奇をてらったわけではない、陣幕の裏に足場用の丸太の先をとがらせたものを並べていただけだ、先頭が丸太に勝手にぶつかっていっただけだけど、もうダメ、スプラッタすぎ。

勢いがついた馬はいきなり止まれないが流石は馬に慣れているだけはある、方向を修正して進行方向の左手へ曲がっていく、ちなみに無理に右に曲がろうとした騎馬は柵に足をとられて転がっている。

さらに悪辣なのは横陣のうしろの見えなかった所に、本陣から海にむかって斜めに目立たないように柵が設置してあった。

騎馬は海にむかって走っていく、止まることも曲がることもできずに後方にいた騎馬はとまることはできたがそこは既に囲まれている、もう助かる目はないのだ。

海へ飛び出し泳ぎ続けているがいつか力尽きるだろう。

あとは、敵の足軽なのだが、今更いいか、あとは守備陣型にして後退しよう。吐きそうだ


◆◆◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ