用語解説
このページでは、本作「デッドアライズ・イリュージョン」に登場する専門用語のうち、使用頻度の高いワードを選んで解説いたします。
ネタばれにならない程度に、出来るだけ分かりやすく記すよう心がけております。
本編をお読みになる前に、まずこのページをざっと読んで頂く事をお勧めいたします。
【吸血鬼関連】
◆吸血鬼
太古の昔より人類と同じく地球で生きてきた生命体。その存在が公的に確認されたのは物語開始時点の数百年前である。外見は人間と変わらないが、人間を陵駕する身体能力と不老不死性を誇る。人間の血液のみでしか栄養を摂取出来ない。
◆新始祖
コミュニティの長を務める、強大な力を持つ吸血鬼の王達。
◆ドラクロワ
新始祖の生き血を材料に生み出された吸血鬼。コミュニティ内では新始祖の次に序列が高い。
◆アルカロイド
ドラクロワに吸血され、吸血鬼として生まれ変わった人間の総称。《コミュニティ》内では最も序列が低い。アルカロイドになった人間は人間だった頃の記憶を全て失い、代わりに吸血鬼としての偽の記憶を宿す。この現象を「化血」と言う。
◆ダンピール
人間と吸血鬼の生殖行為で誕生した、人間と吸血鬼のハーフ。世界人口に占めるその割合は非常に少ない。
◆はぐれ
何らかの理由でコミュニティを離れた吸血鬼の総称。主に二種類に分けられる。一つはコミュニティを追放され、吸血鬼達から差別の対象で見られている「名無し」。もう一つは、コミュニティが消滅した結果、居場所を無くした「宿無し」と呼ばれる吸血鬼。
◆D細胞
世界中に存在するあらゆる生命体の中で、吸血鬼のみがその身体に宿す細胞の名称。吸血鬼の身体能力、再生機能、不老不死性を発現させている直接の要因と見なされている。
◆血戦術式
新始祖、及び一部のドラクロワのみが使用可能な特殊能力。分かりやすく言うなら、物理面・精神面に干渉を起こす超能力。自身の血を媒介に発動させる能力の為、吸血鬼個人の血液量にもよるが多用すると命の危険に関わる。
◆吸血鬼へかけられた呪い
血盟戦争終結のきっかけを作った現象で、今もなお吸血鬼達へ多大な影響を及ぼしている。
その内容は『吸血鬼が人間への吸血行為を成した時、吸血鬼だった頃の記憶はそのままに、肉体が人間になってしまう』という物。この呪いにより、吸血鬼は自由に人間を吸血する事が出来なくなり、種の存続という点で甚大な影響を被っている。国際白十字機構がルージュボトルを配布するきっかけにもなった現象である。
この呪いは血盟大戦において人間の味方をしたある一人の吸血鬼が宿す血戦術式により、全世界の吸血鬼へ向けて掛けられた。
呪いは、大戦後に生まれてくる吸血鬼達にもその影響が及び、現在の所、解呪の方法もないとされている。
【コミュニティ関連】
◆コミュニティ
吸血鬼達の生活圏となる自治領のこと。コミュニティは、その長たる新始祖の血統に連なる吸血鬼達で構成され、世界のあちこちに点在している。その多くは密林の奥地や、深い渓谷など、人間が簡単には入り込めない場所にある。
◆オメルタ
新始祖によってコミュニティ内に敷かれたルール、約束事の事。もっと言えばコミュニティを円滑に運営する為に制定された法律といえる。通称「血の掟」とも呼ばれる。これを破る事は、即ち新始祖を裏切る事に繋がる。
◆神話群
人間達が日本神話や北欧神話、インド神話等、自身の生まれた土地に根差した神話を語り継いできたように、吸血鬼達も自身の血統に纏わる神話を語り継いでいる。この吸血鬼達の神話を神話群と呼ぶ。神話群の内容は血統、即ち各コミュニティによって様々であり、コミュニティの数だけ吸血鬼達の神話が存在する。
特に、神話群が戦事に纏わる内容を有するコミュニティでは、戦いの際にその神話群になぞらえて戦いを挑み勝利する事は、コミュニティに属する吸血鬼にとって最高の名誉とされている。
【組織関連】
◆国際白十字機構
世界連合の主導の下で設立された国際機関。呪いにかけられ、人間を吸血する事に抵抗感を覚えた吸血鬼の為にルージュボトルを配っている組織。そのほかにも、人間に敵意を持つコミュニティの動向を探る等の諜報機関めいた仕事も担当している。
◆鬼縛連隊
日本が抱える、唯一の対吸血鬼専門の戦闘部隊。共栄圏と列島本土に本庁舎を有し、そのほか全国に数多くの分庁舎を有している。
◆民間軍事会社
正規の軍隊でないにも関わらず、有事の際にはビジネスとして自社の社員を傭兵として戦場へ送り込む事を生業とする民間の会社。本作では、吸血鬼関連の事件や有事を専門に扱う民間軍事会社が数多く登場する。
【国家・都市関連】
◆共栄圏
東京湾に浮かぶ人工島に建造された都市の名称。吸血鬼と人間の共存共栄を名目に造られ、世界中から多くの移住者を募った結果、大都市として栄えている。また、世界的に珍しい存在であるダンピールが多く確認されている場所でもある。第一区画から第四区画までの、合計四つの区に分かれている。共栄圏内での主な交通手段はするバスとタクシー。電車は開通されていない。
【歴史関連】
◆血盟戦争
物語開始時点の2020年より100年前に、世界的規模で起こった人間と吸血鬼の武力戦争。人間と吸血鬼双方に多大な被害が及んだ。10年の長きに渡るこの戦いは、人類の勝利という形で幕を閉じた。
【その他】
◆ラミア・プロジェクト
物語開始時点より数年前、当時の文科省主導の下、年間国家予算50億を投資されて始まった一大プロジェクト。その内容は『D細胞の再生医療への応用』という、成功すれば世界の医療業界に多大なる利益を与えるであろうものだった。
しかし、予算に見合うだけの結果が出ないという理由で、プロジェクトはたった一年で破棄されてしまう。