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第3章:見つめる過去と踏み出す現在と―第1話.キャラクター選択→スノウ

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それが物心付いた頃、一番最初に明確に意味を理解した単語だった


なぜなら、周りの全てがその色で出来ていたから


白い建物、白い部屋、白い人々、そして白い自分


そう、あの頃は僕も白かった


毎日をただ生きているだけの、白い空っぽの自分


そんなある日、白い女の子を見つけた


その子は白いのに、その白は他とはまったく違っていた


最初に見た時、とても綺麗だと思った


同じ名前の色でもまったく違うものが有るのだとはじめて知った


だから、僕はその子に話しかけることにした


もしかしたら僕も空っぽの白ではない何かになれるかもしれないと思ったから


そして僕達は友達になった


そうしたら、その後も友達は増えていった


いつの間にか周りの色は白ではなくなっていた


たくさんの色が周りにあふれていた


僕も空っぽの白ではなくなっていた


そして―――――






「しかし、いきなり抱きつかれた時には驚きましたよ」

「あ、あれはあんな所で会えるなんて思っていなかったから、ついその……ううはずかしい」


上品な紅茶の香りが漂う中で、天真とスノウは旧交を温めていた。食器も家具も繊細な作りで落ち着いた雰囲気をかもし出している。ゆったりとした空気の中で二人は10年ぶりの再会に話を弾ませていた。


「でも本当にまた会えて良かった。皆もずっと心配していたから」

「それは私もです。と言いたい所なのですが、私は実は10年以上前の記憶を無くしていまして。すみません、皆のことを忘れてしまうなんて薄情もいいところですね」


そういって頭を下げる天真。そんな彼の姿にスノウは慌てる。


「そんな!それは仕方がないわ。私達がこっちに来たっていう事は向こうに残った天ちゃんは私たちの記憶を失っていたって言う事なんだから」


元の世界からこのシナルに来た人間の情報は元の世界から失われる。その人物がいたという痕跡が、人々の記憶も含めて全て失われるのだ。その強制力は絶対で、確かに当時8歳前後の子供がそれに抗えたはずはないだろう。


「それでも、覚えているべきでした。皆との大切な記憶なのに」

「ううん、本当にいいの。それに、天ちゃんはきちんと私のことを思い出してくれたもの」

「さすがに、大切な人の記憶を忘れたままでいるというのは私自身が許せませんからね」

「た、大切な……」


その言葉に頬を赤く染めるスノウ。ちなみにこの場合の天真の大切とスノウの大切には若干の食い違いがある。


「それでえっと、スノウさん」

「……むう」


それまで上機嫌だったスノウが一転、なにやら不機嫌な表情になったことに天真は戸惑う。


「あの、何かおかしかったですか?」

「呼び方」

「え?」

「“スノウさん”なんて他人行儀な呼び方は止めてほしいの。口調もなんだか丁寧すぎるし、昔は“雪ちゃん”“天ちゃん”だったのに」

「いえ、それは本当に小さい頃の話ですし、この話し方も何年も使っていましたからいまさら変えられないと言うか」


それに、さすがにこの年でちゃん付けは恥ずかし過ぎる。


「ええっと、ではどう呼びましょう?」

「うーん、天ちゃんには雪って呼んでほしいかな」

「……いきなり女性を呼び捨てというのは」

「いきなりじゃないわ。ずっと一緒だったもの。それとも、いやなの?」

「あー」


悲しげな顔を見せるスノウに自分の抵抗は無意味だと思い知る天真。


「分かりました雪。では私のことは葉上でも天真でも好きに呼んでください」

「うん、わかったわ。天真」


そういえば昔から変なところで強情で、何時もこっちが折れていたなあと昔を思い出す天真。と言うか、その論法だとこの口調もいつか改めなければいけないのだろうか。


「じゃあ雪」

「どうしたの?天真」

「……やっぱり少しはずかしいですね」

「……うん」


顔を赤らめながら新しいお互いの呼び方を決めた二人。なんとも言いがたい空気が流れる。だが、決して不快ではなくむしろ、


「だああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


そんな雰囲気をぶち壊す怒号。びっくりした二人がその発生源に眼を向けると、


「何時まで恋愛アドベンチャーの再会した幼馴染ルートをプレイしているつもりだあああああああ!」


顔をこれでもかと言うくらい歪めて怒り狂っている美亜の姿が。第2段階に変身したのかと思えるほどの威圧感を感じる姿だ。


「その通り!放置プレイのこっちの身にもなれってんだ!何が幼馴染だ!しかも美人でスタイル良くて性格も良さげでおまけに男にほの字!うらやましくない!うらやましくなんかないんだあああああ!!!」


そしてこちらは血涙を流しながら叫ぶハヌマーン。嫉妬の臨界点を超えたらしい。


「おいしー」


そして、一人我関せずの姿勢でお茶請けのクッキーを食べている桃子。どうでもいいがメイドの格好をして主人と同じテーブルに着いているのはどうか。

現在部屋の中にいるのはこれで全員だった。そして美亜は更に叫ぶ。


「何で魔王城まで来て他人のフラグ立てを眺めてなきゃいかんのだああああああああ!!!」


あのコロッセウムの事件より2日、天真たちは魔王クリムゾンスノウの招きで魔族の首都ニューオーダーにある王城オリジンに来ていた。




フーッフーッと荒い息をつく美亜に恐る恐る天真が声をかける。


「あの美亜さん」

「だまってろスケコマシ」

「すいません」


殺られる。天真は視線を合わせただけで確信した。


「おい、魔王」

「ひゃいっ」


美亜の地獄のそこから響いてくるかのような声に、震えながら応えるスノウ。と言うかこれではどちらが魔王か分からない。


「お前言ったよな?全部説明するから来いって。で、なによ。あんた私らにバカップルぶりを見せ付けるために呼んだのか、ええ?」

「ひゃううううう」


カタカタと小動物のように震えるスノウ。ちょっと涙目になっている。さすがに見かねた天真が再び口を出す。


「あの美亜さん、そんな言い方はちょっと。雪もおびえていますし」

「黙ってろエロゲー主人公」

「ごめんなさい」


喰われる。そう魂が理解した。


「まあまあー皆落ち着いてー」

「いや、あなたは落ち着き過ぎだと思うんですが。桃子さん」


緊張感のかけらもなく声をかける桃子に、(美亜の姿を眺めて)落ち着いたハヌマーンがあきれた声を出す。そしてその頃になってようやく美亜が我に返る。


「こほん、ごめんなさい。ちょっと焦ってたみたいね」

「……ちょっと?」



ゴスッ



不用意な発言をしたハヌマーンはテーブルの下に沈んだ。全員それを無視。


「それで、魔王様?」

「ううううう」


いまだにバイブレーション付きの携帯のように振動し続けているスノウ。その瞳の焦点は合っていない。


「あー美亜さん、駄目です。今思い出しましたが、この状態になった雪には通常の方法では話が通じません」

「……えっと、魔王様なのよね?本物の」

「そうだよー」


なにやら初対面の時とはまったく違う表情を見せるスノウに内心の魔王像を完膚なきまでに破壊される美亜。と、天真が立ち上がってスノウのほうに歩いていく。


「まあこれ以上馬鹿話を続けるのもなんですし、さっさと再起動をかけましょう」

「再起動って、パソコンじゃないんだから。それとも、叩いて直るの?」

「ショックを与えるという意味では当たらずとも遠からずですね」


そういいつつスノウの顔を自分に向ける天真。相変わらず頭を抱えて震えている彼女の顔をおもむろに両手で包み、額が触れるかというところまで自分の顔を近づける。


「雪」


しっかりと目を見つめて呼びかける。するとスノウの震えがぴたりと止まる。


「大丈夫、ここには君を傷つける人たちはいない」

「……本当?」

「本当だよ。それに何があっても僕が守るから、心配要らない」

「……分かった。信じてる」

「よかった。じゃあ顔を上げて、皆のところに行こう」

「うん」


そして顔を離しスノウから離れる天真。額の汗をぬぐい一息つく。


「ふう、久しぶりなのでちゃんと効くかどうか心配でしたが何とかなりましたね。では話の続きをって、皆さんなんでそんな目で私を見ているんですか」


ものすごく生暖かい視線を向けられていることに気付く天真(なぜか一匹血涙を流している)。


「……ホスト」

「……ジゴロー」

「嫉妬の神よっ!今こそ我に奴を断罪する力をっ!奴の血を御身に捧げんっ!」

「ですからこれには色々とわけがありまして。と言うかそこの白いの、なんで邪神(推定)を召喚しようとしているんですか。そしてなぜににじり寄って来るんですか」

「……ああゆうことを人前でやっちゃ駄目でしょうが」

「一番効率のいい方法を選んだだけですって」

「だから普通にそういうことを」

「このままー話がー進まないのはー困るんじゃーないのー」


言い争いになりかけた所に桃子の制止の声。確かに今は時間を浪費している時ではない。


「わたったわよ。まったく、幼馴染だからって……」

「え?何か言いましたか?」

「なんでもないわよ」


美亜の台詞の後半が聞こえにくかったのだが、なぜか怒っている彼女にこれ以上声をかけるのもどうかと思う天真。そのまま自分の席に戻る。


そこでふと先ほどの自分の言葉を反芻し、その内容に顔を歪めて


「しかし、約束も果たせなかったくせに何が守るか。肝心な時に傍に居られなかった未熟者のくせにどの面下げて……」


それは無意識のうちに出てきた言葉なのだろう。天真には声に出したという自覚はなかった。そして、偶然それを聞いたハヌマーンも何も言わずに黙っていた。


「えーっと、そうそう。美亜さんたちに詳しい話をするんだったよね」


ここで正気を取り戻したスノウがようやく話を進めようとする。


「そうよ。というかここまで無駄に長かったけどようやく本題ね。それで魔王様」

「あ、私のことはスノウで良いよ。友達は皆そう呼ぶから」

「……いいの?6王の一人を呼び捨てで。それに友達って」

「大丈夫。魔王って言ってもただのまとめ役だから、それに天真のお友達なら私にとってもお友達だから」

「えっと、じゃあスノウって呼ぶわ。よろしくスノウ。私のことも美亜で良いわよ」

「分かったわ、美亜」


そう言って微笑むスノウ。その笑顔を見ながら美亜は思った。


(あーあ。だめだわこりゃ)


自分は魔王を殺すために今まで動いてきた。そして、殺される魔王というのは残虐非道で人間のことを虫けらとしか思っていなくてとにかくそいつを殺してしまえば世界が良くなるようなそんな存在でなければならなかった。


だが、今思えばそんな幼稚な考えもここにくるまでにすでに揺らいでいたと思う。転化者も人。あの時コロッセウムで天真が言っていたことだが、そのことについては薄々自分でも認めなければいけないと思っていた。姿形が変わっても心まで変わる人物なんて実際は少数派だったし、転化者の知り合いには本当にいい人も何人も居たからだ。だが、弟のために魔王はどうしても殺さなくてはならなかった。


だからどんなに自分の考えが歪んでいると分かっていても、殺す魔王やその手下の魔族たちは悪者でなければいけなかった。そうしなければ自分の心が守れなかったから。良心が疼くのを止められなかったから。


そして、とうとう魔王に会うことが出来た。


現実の魔王は綺麗で、少し天然で、幼馴染の男の子に恋していて、自分の命を狙っていたはずの人間を友達だなどというお人よしな女の子だった。


(そんなの殺せるわけないじゃない)


認めたくなかった現実。魔王も自分と同じ人であるということを突きつけられて胸の中の決意がこれまで以上に揺らぐのを感じる。


自分を友達だといってくれた人を見逃すか。


弟を助けるためにその手を血で染めるか。


「そして俺様は」

「で、スノウは天真の幼馴染なのよね」

「スルーですか!俺様の存在その程度ですか!?」

「あー分かった分かりました。自己紹介くらいはさせてあげますから。妄言は勘弁してくださいよ?」


ハヌマーンの言動に少し気分が和らぐ美亜。今はとにかく話を聞くことに専念しようと胸の内の感情を無理やりなだめる。


「こほん、はじめまして魔王様。わたくしハヌマーンと言います。こちらの天真君とは無二の親友をさせてもらっています。」

「知り合ってまだ1週間も経っていないんですが」


いつものごとく女性へのアピールを始めた色ボケ猿にあきれた声をかける天真。しかし、ハヌマーンはそんな外野の声を完全に無視。


「はじめまして。私のことは美亜と同じようにスノウとでも呼んでくれればいいわ。後、そんなにかしこまらなくても大丈夫よ?」

「よし、じゃあ俺様は桃子さんと同じようにスノウちゃんと呼ばせてもらうぜ!」

「微妙になれなれしいわね。まあ私達が言えた義理じゃないけど」


だがそれもハヌマーンの持ち味かと思い直す美亜。


「それで、ハヌマーンさんは怪我のほうは大丈夫?」

「はっはっは、この不死身の男ハヌマーンあれしきの怪我など物の数にも入りません」

「まあ、一時かなり危険なところまで行っておきながら短時間でそこまで回復するのは、ある意味不死身と言うか」

「お医者さんがーゴキブリ並みのー生命力だってーほめてたよー」

「……それは本当にほめているのかしら?」


医者ですら瞠目するほどの生命力らしい。無駄なところで高スペックの男である。


「本当にごめんなさい。あの時は弟の凍夜がずいぶんと迷惑をかけて。もっと早く止められればよかったんだけど……」

「いやいや、弟さんはスノウちゃんのためを思って戦っていたんだし、スノウちゃんにも事情があったんだろうし、俺様達も別に恨んでいるわけじゃないから気にすること無いって」

「……まああの時はお互いに譲れないものがあったわけだし、ハヌマーンの言う通り別に恨んじゃいないわ」

「全員に複雑な事情があったわけですし、誰かを責めるのはお門違いでしょう。というわけで雪もこの件に関しては彼を責めない様に。もちろん自分を責めるのもなしですよ」

「皆、ありがとう」


その目を少し潤ませながら安堵の息をつくスノウ。やはり身内が怪我をさせたのを気にしていたらしい。


「さて自己紹介も一通りすんだことだし、そろそろ話を聞きましょうか」


そういって一同を見回す美亜。この言葉に全員がやや表情を改める。もっとも、一人だけ余り変化が見受けられなかったが。


「まさか魔王その人から直接話を聞けるなんて思ってなかったからね、色々と聞きたいことが多すぎるくらいだわ」

「そうですね。私も今まで棚上げにしていた疑問をこのあたりで消化しておきたいですし」


そういってスノウのほうを向く天真。


「それで、まず聞いておきたいんですがなぜ雪が魔王なんてやっているんですか?」

「えっと、実は私だけじゃないの」


その言葉に首をかしげる美亜とハヌマーン。しかし、天真はその言葉を予期していたように頷いた。


「なるほど、さっき少しそんなことを言っていましたが、やはり皆がこっちに来ていたんですか」

「そう。私達、あの研究所の人間全員がこのシナルに来ているわ」


そして魔王は告げる。この世界の始まりを。


「私達が、この封鎖された世界にはじめて訪れた人間なの」


作「スノウの愛情値が3上がった。美亜の愛情値が1下がった。桃子のやる気は0だ。ハヌマ−ンの嫉妬値が一億とんで3上がった。」

天「何をいきなり言っているんですか」

作「何って、パラメータ変動」

天「……もういいです。ところで、第3章の開始は3月からだったのでは」

作「そう、その話なんだが、ちょっと聞いてくれ」

天「ど、どうしたんですか。まじめな顔をして」

作「10日以上前の休日ことなんだが、俺はその時、来る日のために試験勉強をしていた」

天「……」

作「いい加減疲れてきた俺は、気分転換もかねて第3章を少し考え始めた」

天「……」

作「すると、恐ろしいことに……」

天「(ごくり)」

作「目の前のパソコンにはなぜか第6話までの原稿。時間は10時間以上たっていた。」

天「勉強しろ」

作「そんな事言ったって!?俺は大学時代期末テストの前日小休止と思って見つけた長編ネット小説を徹夜で読了した男だぞ!?」

天「あなたもう社会人でしょう。いい加減サラリーマンの自覚を持ちなさい」

作「でもー」

天「また落ちるつもりですか?」

作「ぐっ。それは……」

天「まあ6話もあるなら週一更新で一月以上持ちますから、今度こそ勉強しなさい。」

作「……分かりました」

天「よろしい」

作「木曜のDSソフトソーマブ」


ザシュッ


天「前書きでも記載しましたが、このたびネット小説ランキング様に登録いたしましたので、この作品を気に入っていただけた方はぜひ清き一票をお願いします」

天「それでは今回はこの辺で。また次回」

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