第2話.回想。そんな理由
その導きは誰の望みか
〜〜〜天真の回想:事が起きる数時間前〜〜〜
高校卒業の後、知人の所に就職が決まったのでその準備を進めてきたがそれも終わって手持ち無沙汰になってしまった。このまま就職まで休みを満喫してもいいが、さすがに体が鈍りそうだと考える。
「道場で修練でもしましょうか」
家の離れには剣道場があり、祖父がそこで天真を含めた門下生に剣を教えている。しかも普通の剣道ではなく、もうずっと昔から受け継がれている歴史のある実践剣術である。
修練のために道場着に着替えようと思ったその時、
「へ……だ……」
唐突に声が聞こえた。
あまりに突然のことに最初は空耳かとも思った。しかし、
「へ……さだ……」
その声は繰り返し聞こえてくる。この家には今は自分一人。誰か帰ってきたのかとも思ったが、この声は家族の誰のものでもない。
しばらく耳を澄まして声がどこから聞こえてきているのかを確認する。
「……剣道場?」
母屋から離れまでは距離があり大声でも出さなければ声は届かない。しかも聞こえてくるのは小さく呟くような声だ。物理的にも届くのはおかしいと思えた。だがその一方、何故かその声が剣道場から聞こえてきていると確信できる。
「まあ、こういう状況には慣れていますし」
そう呟く天真。実際彼は一般人というには少し難がある人間であった。
彼のこのあたりの事情についてはいずれ明らかになるとして、天真は特に警戒することなく剣道場へと向かった。どこからか聞き覚えの無い声が聞こえてくる。そんな怪しい状況であるにもかかわらず、天真にはこの声の主が悪いものではないという確信があった。
なぜそう思うのかは彼にも分からない。しかし、この手の自分の直感に関して天真は全幅の信頼を置いていた。いままでこの感覚に命を救われたのは一度や二度ではないのだから。そんなわけで、聞こえてくる声に耳を傾けながら移動する。
「シ……へ来……さだ…………よ」
声は目的地に近づくほどはっきりと聞こえてくる。
お約束だなと心の中で呟きつつ、道場の出入り口までたどり着く。少し呼吸を整えて気を引き締めてから、引き戸に手をかけてそれを一気に開け放つ。
「シナ……へ来……定め……者よ」
かなりはっきりと聞こえてきた声に耳を傾けながら道場内を見渡す。しばらく視線を彷徨わせていたが、不意にある一点で動きが止まる。
「……御神刀?」
道場の一番奥に祭られている刀。自分の剣術の師匠でもある祖父によれば確かあの刀は開祖から代々うちの流派に伝わる家宝で、継承者の証でもある。そういう古い物なだけに色々と言い伝えがあったはず。
「確か人が鍛えたものではないとか、神代の金属で作られているとか、古すぎて九十九神になっているとか、持ち主がふさわしくなければ不幸になるとか、道具として使用するとギラが使えるとか、特別な宝石をはめると10種類の形に変形するとか……」
後半明らかに間違っていると思われる言い伝え? を口に出しながらゆっくりと御神刀に向かっていく天真。
「そして……たまに人に語りかけることがあるとか」
その言葉を口の中で転がしつつ御神刀の前に立つ。さっきまで聞こえていた声はもう聞こえない。それでも普段とは違う静謐で神秘的な雰囲気を湛えた刀を前にして、これが自分を呼んでいたのだと確信する。
御神刀の前で逡巡することしばし、意を決して刀に触れる。そして、
「う……あああああああああああああああああっ!?」
いきなり脳裏に浮かび上がる、否、御神刀から流し込まれるイメージ。
見たこともない大陸。異形の住人たち。その中心にそびえ建つ天を貫かんとする白亜の巨塔。自分を飲み込まんとする巨大な何かのイメージ。
そして……最後に浮かび上がったのは、なぜか幼い自分と……
「…………っ」
そのまま闇の中へと落ちていく意識。そんな彼に届く言葉。
「シナルへ来たれ。定めを打ち破るものよ。」
作「はい、そんなわけで天真君の回想の回でした」
天「立ち直りが早いですね」
作「過去を振返らない男なもので」
天「つまり、反省していないと」
作「え?い、いやーそんなことないべさ?わだすもきちんと反省してまんがな」
天「言語野に重大な欠陥があるように思いますがそれは置いておくとして、ということはこれからはきちんと週一で更新していくと。ゲームもせずに」
作「……」
天「……」
作「……」
天「……」
作「もうすぐほしいソフトが出るんだよねっ(ハート)」
天「必殺…」
作「ちょっとなんでまた刀出してるのっ?てゆうか天真君本編とキャラが違」
しばらくおまちください
天「それではまた次回」




