逃げの一手
とりあえず、悲鳴がした方向へ走ると、女の子が緑色のビール腹巨人に襲われている状況に出くわしたものだから、条件反射で巨人に飛び蹴りをきめたら文字どおり吹っ飛んだのだが、それがいけなかった。
どうやらこの巨人は、ゴブリンという魔物を統べるリーダー的存在らしく、もしさっき俺が飛び蹴りしたみたいに攻撃すれば。
「マテヤゴラァ!!」
「待てって言われて待つ奴なんていねぇよ!」
今の俺みたいに手下であるゴブリン達に追われる。
「お願いですから、速度を緩めてください!」
「無理なんで、しっかり掴まっといでください」
「そんなぁ」ギュッ
プチッ
「テメェラリア充ハセンメツ。ソウダロ?」
「「「ソウダァ!!!」」」
「リア充ハァァ」
「「「ブッコロォス!!!」」」
「あわわ、ゴブリン達が速くなりました」
・・・やっぱどんな所でもやっぱああいう奴らはいるんだな。
ちなみに、女の子は、お姫様抱っこで運んでる。
「王都です!」
走ってると女の子が城壁に囲まれて先っちょしか見えてない王城を指さしたが、遠くからでも見えたけど、以外にでかいな。
「以外にでか、うぉっ」
「チッ」
危なねぇ!?
今横から飛び出してきたゴブリンの斬撃で危うく頭と体がおさらばさせられそうになったな。
しかし、ゴブリン達による包囲網がもう出来てるな・・・こうなったら仕方ない。
「加速します!」
「え、ちょっとまってさぃぃぃぃぃぃ!」
女の子の制止の言葉を無視して加速してゴブリン達の包囲網を無理矢理突破して城下町へ入る門に辿り着いた。
門の両端に立っていた、門番のおっちゃん2人は、かなりの速度で森から飛び出した俺を魔物と勘違いしたらしく、持っていた槍を俺に向けて構えた伸びているが女の子を見ると構えを解いたので用件を伝える事にした。
「おっちゃん、この子頼んだ」
「お前はどうするんだ?」
「追ってきてる魔物を迎え討つ」
「そうか、死なないように気いつけろよ」
「分かってる」
さて、ゴブリン共こっからは俺のターンだ。