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武器は賢く使いましょう

「ちょっと藤原さん。お話したいことがあるのだけど、いいかしら?」

「ええ、いいですよ。」


予想通り、リュウと分かれて、廊下を歩いていると、先ほどまでリュウの近くでリュウの様子を伺っていた、山崎百合さんと、そのオトモダチが、私を呼び止めました。




「あんたなんかリュウ様に相応しくないのよ!」

「そうですか。」

「分かってるんだったら、さっさとリュウ様のお側から離れなさいよ!」

「……では、どうしたら相応しいと認めていただけるのでしょう?」


「それは……もっと可愛くて、頭もよくて、性格もよくないとリュウ様に相応しくないわ!あなたには無理よ!」

「確かに、その条件に私は当てはまりませんね。」

「分かってるんだったらっっ!!」



「では、誰だったら相応しいんですか?」


「そっ…それはっ!」

「ご自分なら相応しいと?」

「あんたよりは相応しいわよっ!」

「ほかの皆さんも、私ではなく、山崎センパイなら、リュウの隣に立っていても構わないというのでよろしいですか?」



「えっっ……。」

「確かに百合は美人だけど……。」



オトモダチは、見るからに動揺し始めました。

愛華さんの言われるように、恋する相手に相応しいのは自分だと、全員が思っているのですね。


動揺が広がった今がチャンスです。


「因みに、その『リュウに相応しい人』の基準を作ったのはどなたですか?リュウ…のはずありませんよね?」


「その基準を作った方は、リュウに相応しい人を決める権利がある方ということですか?恋人…とか?まさか、恋人どころか、友人でも、知り合いですらない、山崎センパイが作られたとか言いませんよね?」

「っっっ!」


「っっみんな、あんたはリュウ様に相応しくないって言ってるわ!釣り合ってないって!!」


「そうですか。…では、そのみんなとやらにリュウは入っているんでしょうか?おかしいですね。私はリュウに常日頃から『ずっとそばにいろ』だの、『お前だけは特別だ』だの、『もらってくれる奴が居なかったら、俺がもらってやるから』だの言われているんですが。」


「ああ、そういえばついさっきも、デートにOKの返事をもらいましたし。」






パンッッ!!!


いった~~~~……。

思いっきり頬をはたかれました。

女の子の力でも、全力で叩かれるととても痛いです。


でも、タイミングはバッチリでした。






「京香っっっっっ!!!!!」



「リュウ……。」


センパイたちから離れ、リュウに駆け寄ると、涙をホロホロ溢しながら、リュウにすがりつきます。


リュウが私を見て、心配しながらも、感情が荒れ狂っているのが分かります。


リュウは、自分が原因で私に危害が加わるのを、非常に嫌っています。

人嫌いの原因も、実は私が関わっています。


昔からリュウはもてました。非常にもてました。

リュウと仲良くなりたい、リュウの特別な人間になりたいと願う人は、山ほどいました。

けれども、リュウはそういった人には興味をいだかないみたいです。


そして、リュウは興味がある人間と、そうでない人間への対応が全く違いました。


興味がある人間には自分から関わるのですが、興味がない人間に対しては…。




「お前誰だ。俺の可愛い京香を叩きやがって!!!」



ああ、やっぱり顔も覚えていませんでしたか。

リュウと山崎センパイは、クラスも一緒ですし、毎日話しかけたり、差し入れをしたりしていたようなんですが…。

少し気の毒でもありますね。


「二度と京香に近づくな。」



私を連れて、その場を去ろうとします。

でも、リュウの場合、実は私を避難させた後で、再度戻り、相手に忠告しているそうなんです。(愛華さんの情報によると)


私があれこれ言うより、リュウにビシッと一言言ってもらったほうが効果がありそうですね。

言いたかったことも言えましたし、あとはリュウに任せました!

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