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性悪女流デートの誘い方

「リュウ、今度の日曜日に私とデートしませんか?」


私が、リュウの教室に訪ねて行ったとき、リュウはたくさんの人に囲まれていました。


私にいちゃもんをつけたり、嫌がらせをしたりする人がたくさんいますね。


但し、少し距離をおいて遠巻きに見つめているだけで、誰も話しかけません。

多分、リュウに近づきたいけれど、どう話しかけようか悩んで、声をかけれないのでしょうね。


でも、私に嫌がらせをする暇があったら、リュウと話しかけたほうがいいと思うのですが。



それなのに皆さん、私のところにやって来ては

「あんたなんかリュウ様に相応しくない。」

だの、

「リュウ様からさっさと離れなさいよブス!」

だの、散々なことを言ったり嫌がらせをしたりしてきます。



まあ、確かにリュウに比べたら、ブスでしょうとも。

リュウは、一言でいえば、超絶美形だそうです。(愛華さん命名)

煙るような色の切れ長の眼に、スッと通った鼻筋、厚すぎず薄すぎずな唇、一つ一つのパーツが整っているのに、それが透き通るような決め細やかな肌の絶妙な位置に配置されています。

また、絹糸のような細さと艶やかさをあわせ持った黒髪は、思わず触ってみたくなります。

調和のとれた四肢は、ある程度鍛えられた綺麗な筋肉がついていて、優雅に動き、人々を魅了します。

そして、自分でデザインしたアクセサリーをつけています。

大体いつも、イヤーカフに、ネックレス、指輪。

学校ですので、校則ギリギリまでつけています。

それがまた、リュウの雰囲気にピッタリ合っていて、魅力を倍増させているように感じます。


幼いころから見ている私ですら、カッコいいと思うのですから、慣れていない人は、余計に夢中になるのでしょうね。




まあ、そんなこんなで、リュウは、小さいころから、こんな風に人に囲まれていました。

女の子だけでなく、老若男女を虜にしていくのには驚きましたが。

ですので、周りを避けて、近づくのも慣れたものです。


リュウに近づき、声をかけると、俯いていた顔をあげてくれました


「デート?どこにだ?」

「チーズケーキの美味しいお店があるそうなんですが、そこに行ってみたいのです。でも、カップル限定なので困ってるんです。」


えっと……愛華さんのアドバイスによると、家でリュウと過ごすときみたいにするとよい、ということでしたので……。



リュウに近づき、リュウに抱きつくと、いつも家でしているように、膝の上に乗せてくれました。

膝に座ると、教室の椅子の上だからか、いつもと安定感が微妙に違います。

もぞもぞと動き、安定する場所を探しますが、くすぐったかったのか、リュウに腕を回され、胸板に押し付けられました。

あっ、ようやく安定したので、顔を上に向けて、リュウと目を合わせます。


「お願いできませんか?」



あれ?先ほどまで騒がしかった周囲が静まり返ってしまいましたね。



「…ったく、仕方ねーな。」

「ありがとうございます!」


「じゃあ、日曜日の10時にリュウの家に行きますね。」

「分かった。」

「あっ、あと、愛華さんとレンも一緒ですよ。」

「……そうなのか?デートっつうから二人かと。……なあ、二人で行こうぜ?」


リュウが、私の髪を弄りながら誘ってきます。

もう!何だか今日のリュウは甘えたい気分なんですね。

でも……


「ダメですよ。愛華さんと行きたくて、付き合ってくれる人を探したんですから。」

「はあっ。このワガママめ。俺に言うこと聞かせるなんてお前だけなんだからな?」



さて、リュウの了承も得られましたので、教室に戻りますか。




今までの経験上、教室へ戻るときに仕掛けてくるでしょう。

そこが勝負です!


性悪女の名に相応しく、性悪な対応をさせていただきましょう!

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