性悪女の道も一歩から
「ファ~~~。」
大きな欠伸がでてしまいました。
いつもより、30分早起きするのはちょっと辛いです。
でも性悪女の道も一歩から!頑張ります!
「レンお早うございます。」
「京香ちゃんおはよっ!京香ちゃんと一緒に登校できるなんて嬉しいな。」
「懐かしいですね。」
「幼稚園や小学校は、毎日一緒に登校してたもんね。本当、中学受験なんてするもんじゃないと後悔したよ。」
「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいですね。」
「……本気なんだけどな(ボソッ)」
「どうしました?」
「んーん。何でもない。」
二人で話しながら登校すると、道のりがあっという間でしたね。
……早起きは辛いですが、ときどき頑張って起きて、一緒に登校するのもいいですね。
「じゃあレン。またあとで。朝練頑張ってください。」
「京香ちゃんに応援してもらったんなら気合い入れなきゃな。頑張るよ。」
愛華さんが、今日は早く来てくださるというので、お喋りを楽しみましょう。
「私も、チーズケーキ大好きなので、行ってみたかったんです。」
「京香ちゃんも好きなんだ!じゃあ今度の日曜日にい…」
話に夢中になっていると、いつの間にか朝練が終わっていたらしく、レンが教室へ入って…………あれ?入ってきません。
「お願い!1回だけでいいんだあ。」
「無理。」
「…っでもお。ちょっとだけだしい。」
「……」
何だか揉めているみたいですね。
作戦通りです。
では、私も突入します!
「レーンっ!」
ぎゅっっっ!
「ねえレン、今愛華さんと話していたんですが、日曜日に私と愛華さんと、レンとリュウででデートしませんか?」
「京香ちゃんとデート?勿論行くよ!」
レンの背中に抱きついて、振り向いてくれたレンに、上目遣い+小首かしげで尋ねます。
昨日愛華さんに特訓していただいたんですが、本当に私ので効果があるんでしょうか?
……あ、レンが嬉しそうな顔で笑っています。
この笑い方は、非常に嬉しいときのなので、成功したみたいです。
チラッと弓道部の部長さんを見ると……うわあ。
やっぱり成功したみたいですね。
顔を歪ませておられます。
えーっと、ここで……
「くすっ」
レンに見えないように、相手には見えるように、小さく笑みを歪ませ浮かべながら笑うのがポイントだそうです。
「~~~~~~~~~~。藤原さんっっっ!!!」
「はい。何でしょうか?」
「レンくんは、私が先に誘ってたの。遠慮してもらえるかしら!?」
「そうなのですか?…でも…ねえ、レン。レンは部長さんと私、どちらと一緒に出掛けたいんですか?」
「京香ちゃんと。もともと部長さんは断ってたんだよ。だから一緒にデートしてね?」
「部長さん、申し訳ないですけど、レンは、私のほう選んだみたいなので、もらっていきますね?ごめんなさい?」
満面の笑みで、部長さんに謝ると、レンとてを繋いで教室に入ります。
「京香ちゃん、凄かった!完璧い!」
「京香ちゃん可愛い~~。」
愛華さんが褒めてくださいました。
レンは、なぜだか、可愛い可愛いと言いながら、私に抱きついて離れません。
でも一先ず、弓道部の部長さんにはやられた分をやり返しましたし、立派な性悪女に一歩近づきました。
次は、リュウをデートに誘いにいきましょうか。