親友に協力を求めましょう
「私、性悪女を目指そうと思うんです。」
「………………は？」
「………………え？」
「ですから、性悪女になろうと思って。それで相談したかったのですが。」
「おいおい、ちょっと待て！何でいきなりそんな話になってんだよ！！」
「そうだよお。何かあったの～？」
「性悪女と言われたのですが、そのように言われるのならば、いっそのこと立派な性悪女になってやろうかと。」
「…………ハア。立派な性悪女ってなんだよ？性悪女に立派も何もねーよ!」
「うふふふふっ。京香ちゃん素敵っ！協力するねっ！」
「ちょっと愛華！！」
「いいじゃない。だって、京香ちゃんをいじめるあいつらなんてだいっきらいだし？傷付いても全然構わないし？」
「そりゃ私だってそうだけど… 」
ジーンときました。
私のことを本気で心配してくれているのが伝わってきます。
なんと素敵な親友たちでしょう。
私にあんな幼馴染みたちがいても、私と仲良くしてくださる…。
私、運が悪いと思っていましたが、友達運だけは素晴らしいんじゃないでしょうか。
「それに、京香ちゃんって性悪女の素質あると思う！！」
「え゛？」
……確かに性悪女を目指してはおりますが、素質があるというのも……ちょっと……
「あっ！ごめん。違うよ！？性悪女になるために絶対必要なものをもってるって言いたかったの！」
「……絶対必要なものを…ですか？」
「うん。」
「なんだよ、それって？」
「それはね～え、自分に心底夢中なイケメン男子！」
「なるほど。日向も葛城も幸村も、京香にメロメロだしな。」
「なっちゃん、メロメロって死語だよう。」
…………ちょっと待ってください。
今までそんな風に思われてたんですかっ！？
「ちょっと待ってください！愛華さんも夏さんも誤解しています。」
「え～？誤解じゃないよお？」
「レンは、今までお世話をよくしていたので、その延長で頼ってくるだけですし。リュウのは単なる人嫌いで、幼いころから一緒の人じゃないと駄目なだけですし。アキラは、私には態度悪いのに、他の人にはとっても優しいんですよ？」
「京香ちゃん……分かってなかったのお？」
「京香って…鈍かったんだな。」
二人が顔を見合わせて、何だか失礼なことを言っています。
聞こえてますよ！
「分かった！京香ちゃん！私たちが京香ちゃんを立派な性悪女にしてあげる！」
…協力ありがとうございます。
頼りになる親友たちです。
……愛華さんの素敵な笑顔が何だか怖かったのは……気のせいですよね？
