高校で英語の学習をしなくてもいいと思います
高校で英語の学習をしなくてもいいと思います!
だって、英語なんてだいっきらいです…。
一生日本に住むんですから、英語ができなくてもいいじゃないですかあ。
旅行にも行きません!
日本国内で日本語だけ使って生きていきます!
……というわけにはいかないですよね……。
分かってはいるのですが、なかなか…。
だって嫌なものは嫌なんですもの。
国語や数学だったらいいのですが、英語だけはどうにもならないんですよね。
愛華さんに聞いてみましょうか。
あ…ダメでした。愛華さんは確か今日はダンスのレッスンのはず。
お忙しいところを邪魔してはいけませんね。
夏さん…は、お家のお手伝いがあると言っておられましたね。
今頃、教室の生徒さんに、お点前を教えておられるのでしょうか。
幼馴染みたちは……部活や生徒会でまだ帰ってません。
英語は出席番号で当てていくので、このままいくと……明日当たるんですね……。
聞きに行ったら、きっと10分程で……。
いやいや、早まってはいけません!
きっと余計に手間と時間がかかります。
でも……壊滅状態だった中間テストを考えると……。
あー!うだうだ考えてるよりも、さっと行ってさっと教えてもらって、さっと作ってしまいましょう!!
コンコンッ
「お兄ちゃん、ちょっといいですか?」
「どうした?きー?」
「実は…英語の課題が分からなくて……。」
「ははっ!それで泣きついてきたのか。ガトーショコラな。」
今回はガトーショコラですか…。
お兄ちゃんに聞くと、学校の先生より分かりやすく教えてくれるので、とっても嬉しいんですが、代わりに必ずお菓子を要求されるんですよね。
まあ、作るのも食べるのも大好きですし、ちゃんと台所に置いてあるものを考えて注文してくれるので、買い物にも行かなくていいですし。
平日に作るのは少し大変ですが、大丈夫でしょう。
「じゃあ、この文法に変えるとどうなる?」
「え~と…さっきと同じで、whatから始まる?」
「その通り!できたじゃないか!!」
お兄ちゃんと勉強していると、分からないときは、冷ややかな目で見られて、正直こわいぐらいですが、ちゃんと分かったときは、こちらが照れるくらい褒めてくれるんです。
照れくさくはありますが、頭を優しく撫でてもらったり、ハグしてもらったりする時間は、私の至福の時間でもあります。
大きくなるにつれて、褒められることが少なくなっていきますしね。
きもちよく撫でられていると、一階からバタバタっっと音が聴こえてきました。
「ただいま。きょうか、直人にい。」
「暖人。おかえりなさい。」
「おかえり。」
もう暖人が帰ってくる時間なのですね。
じゃあ、英語はお兄ちゃんのお陰で、明日の授業分はよく分かりましたし、時間も迫っているので、夕飯とお菓子作りに取りかかりましょう!
「おい、直人。抜け駆け禁止だったはずだぞ。」
「きーから俺の部屋に来たんだから、抜け駆けじゃないだろ?」
「ずりいぞ。」
「悔しかったら、お前も俺と同じくらい賢くなればいいじゃないか。」
なんだか、お兄ちゃんと暖人でこそこそ話しています。
二人はよくこんな風に、『男同士の話』といって、私を話に入れてくれません。
いいなあ…。お兄ちゃん、早くお姉ちゃんを連れて来てくれないですかね。
そんなことを考えながら、台所に行き、ガトーショコラと夕飯のオムライスを作りました。
なんだか食べたい気分だったので、今日はとろふわ卵のホワイトソースがけを作りました。
それでは、いただきます。
お兄ちゃんや暖人に食べてもらったガトーショコラ。
いつもは残りを親友たちと食べるのですが、今回は『一口サイズで』『多目に』作りました。
さて、小道具も揃ったので、次の性悪女へのステップを踏み出しましょう!!!