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「ふはは、やっとこの日が来たな?」
「は、一つ月でございます。」
「準備はできておるか?」
「はい、もちろんでございます。」
「では、始めろ。」
「はっ。」
「勇者召喚・・・・・・開始!!」
「これであいつに対する手段が手に入る。」
パァっと光った瞬間に出てきた棺のような物。
「何だ、これは・・・」
「いったい・・」
「失敗したのか?」
「いえ、どうやら中に人が居るようです。」
「そうか?成功か!」
「そうか、良かった。犠牲まで払って行ったのだ。失敗では済まされん。」
「ようございました。」
「うむ、で、開くのか?」
ガキン、チュイン
「ビクともしません。傷すら付いてません。」
「しかたなしか。何とかせいと言いたくはあるが、召喚の成功だけでもマシの成果だな。」
「は、逃げる事は叶わぬでしょう。」
「だろうな?言葉も通じる様にしておらぬし、理解もできそうになさそうな年頃みたいじゃな?」
「今、首輪を嵌めれれば問題が無いのですが・・・隷属用の契約書の準備を致します。」
「頼むぞ。」
「こいつにはこれから働いてもらわねばな。あの暴れん坊め、わしまで脅かしおって・・・」
「私の教育が至らぬばかりで申し訳ありません。」
「いや、仕方あるまいよ。あの〔雷〕のスキルは厄介よ。特異なるスキルの上に攻撃にはもってこいのもの。滅多にでないスキルに扱いがままならぬのはいか仕方があるまいよ。」
「ありがたき言葉。」
「これでなんとかなるであろう。」
「はっ、お任せ下さい。契約が終われば今度こそ教育を成功させます。」