微睡
目を閉じたら闇の前に微かな光の残像が、白く視界を包み一瞬後に来た、黒。
それでも眼球が痛くなるほど探せば、まだ在る白。
単色を好まないこの世界の色は全て淡色。
口の中に残る甘ったるい毒は飲み込めないから、でも吐き出せないから、舐め回す。
いつか溶けて無くなるのか
でもそれすら物足りなくて、新しい薬を含む僕は天使。
コバルトブルーの空を心臓の横にしまっておいたんだけど、今やアッシュグレイ
だから結局賞味期限より早く終わらせてしまわなければいけない。
急かさないで。
何故、生きたいものは死にゆき、生きるものは死にたがる、か。
その答えは至って単純明確で、ただの無い物ねだりでした。
退化を恐れ、衰退に諦め、進化を憧れ、維新に戦慄く。
そして停滞を嫌う。
私は微睡む。
たゆたうように、眠りについて
まだ差し込む木漏れ日を鬱陶しく愛して
羽を畳んで足を折って
丸くなって
私は微睡む。