第五録:古道具屋の主人と錬金術師
ええ~長らくお待たせしました。
執筆が進まず、今日までかかってしまい申し訳ございませんでした。
それでは、東方錬術録。
ゲームスタート!
竜耶Side
俺は昨日、魔理沙にスペカを使ってお仕置きし、吹っ飛ばした。
魔理沙が家に戻って来ると、服が所々破けていたので着替る為に、部屋に入った。
部屋から戻ってきた魔理沙は、その服をゴミ箱に入れた。
俺は、ゴミ箱からそのボロボロの服を取り出し、錬金術の再構築を使って
こっそりっと服を修復した。「(ちょっと形が違うかも知れないが、まぁいいか?)」
そして、俺は眠りに着いた。
翌日・・・・・・・朝になっているが、俺はまだ昨日の疲れが残っている為
未だに、ソファーで眠っている。
すると、隣からガチャっと扉を開ける音が聞こえる。魔理沙が起きて来たようだ。
起きようと思えば起きれるのだが、俺はそんな事お構えなしに寝る。
「まぁ、昨日は何だかんだで疲れてるんだし、今は寝さしといて?」
突然、魔理沙がテーブルの方向に目を向けると、ある物を発見したのであった。
魔理沙Side
朝日が差し込み、その光でアタシは起きだした。
「ふぁ~あ、よく寝たなぁ~。それにしても、昨日は酷い目にあったんだぜ・・・・・・」
それにしても、竜耶も上達したもんだぜ。まぁ、その性で、お仕置きは散々だったけど・・・・
てっ言うか、あのスペカは流石だったなぁ~、アタシのマスタースパークと
ほぼ同威力だろうな?
と考えながら、寝巻きを脱ぎ、何時もの白黒の服に着替える。
着替えを終え、扉を開けると、案の定ソファーには竜耶が静かな寝息を立てながら
眠っていた。まぁ当然だ。竜耶の話では、昨日は天狗の長と戦って来たらしい・・・・・・・
勝負は引き分けって事になったが、それでも十分凄いと思うぜ。
何たって、この幻想郷に居る最強クラスの実力者が手加減したとは言え、其れでも
あの化け物染みた強さを前に、あの程度の軽傷で済んだのだから。
アタシは、朝食を作ろうとキッチンの方を向いた。
すると、テーブルに何かが置かれている。
「まぁ、昨日は何だかんだで疲れてるんだし、今は寝さしといて・・・・ん?
コレは・・・・・私の服?なのか・・・・・」
それにしても、アタシ、こんな服持ってたっけか?何にしても、この服はどうして
スカートの丈がこんなに短いんだろう?
まぁ、デザインも良いし着てみるか?竜耶は丁度寝てるし。
アタシは、テーブルに置かれてた服を持ち、自分の部屋に戻って着替えて見る事にした。
竜耶Side
「ん~~・・・・よく寝たか?は微妙だが、これ以上寝ると身体が痛くなりそうだ」
俺は、そう言ってソファーから起きて、キッチンに向かい朝食の準備をする事にした。
「あれ?なんか忘れてる気もするが・・・・・・・まぁ、いいか?」
と、そんなこんなで朝食の用意が出来たので、テーブルに次々置いた。
「魔理沙の奴遅いな・・・・・・・戻って二度寝でもしてるのか?」
そう想い、俺は魔理沙の部屋に向かって扉に手を掛けた時だった。
「あれ・・・・・・・か・・・・・・ちまった・・・・・・・」
何やら、声が聞こえるが良く聞こえないなぁ?まぁ、起きてるんだし、部屋の整理でも
してんのかね?とお構えなしに、俺は手に掛けていた扉を開けた。
ガチャ
「おい、魔理沙。朝食とっくに出来・・・て・・る・・・」俺は、朝食の準備が出来たから
知らせようとしたが、途中で絶対見てはいけない場面を見てしまい言葉が詰まる。
「へ?」っと魔理沙は呆けた顔でこちらを見る
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
俺達は、少しの間だけ沈黙し続けていた・・・・・・・・
「「う・・・・・うわあああああああああ!!」」
そして、その沈黙の空間に互いの叫び声が響き渡る。
「見るなぁーーーーーーー!?」魔理沙の格好は上着は着ているものの
スカートの腰の所にあるチャックが引っかかって、下着が丸見えの状態だった。
顔を真っ赤にして、言い放つと同時に魔理沙は近くに有った六法全書並みの本を
音速並のスピードで俺の顔面に投げつけた。
「ぶぅぐほ!?」魔理沙によって投げつけられた本が、俺の顔面に直撃した。
奇妙な声と共に、俺の視界は真っ暗になった。
魔理沙Side
「はぁ~はぁ~・・・・・」着替えてる最中に竜耶が来たもんだから、アタシは近くに有った
何かを投げつけた。
数分して、落ち着いたのか冷静さを取り戻したアタシは、引っかかったチャックを直して
服装を整える。それから竜耶の方を向く。
かなり酷い事(主に顔の部分に埋まってる巨大な本)をしてしまった。
アタシは、竜耶の顔に埋まってる〝ソレ〝を引き抜くと、見事に、その形通りの型が
そのまま、残っていた・・・・・・・・・・
「ああ・・・・・またやっちまったんだぜ・・・・・・・」とアタシはかなり反省しながら竜耶を
ソファーまで運んだ。
少しして、竜耶が復活したが、ちょっとだけ不機嫌だった・・・・
「うぅ~、竜耶ぁ~だから悪かったてば」
「だからって、本を音速並で、しかも顔面にぶつける奴居るか?おおぅ・・・・痛ぇ・・・・・・・」
と、顔を押えながら手鏡で自分の顔を見ている。
「そ、それに、ノックしなかった竜耶だって悪いんだからな!」
「いや、声が聞こえたから、てっきり部屋片付けてるんだと思ったけど
なんで、また着替え直しってんだ?」
「テーブルの有ったこの服を、着て見ようとしただけだぜ?」
そう言うと、アタシは今着ている服で一回転しながら、竜耶に見せてみた
「ああ、思い出した。それ魔理沙が捨てた服を、俺の錬金術で再構築して奴だ。
その時は眠くて手元狂っちゃって、若干違う感じになったけど、
まぁ大丈夫だろっと思ってそのまま、テーブルに放置して寝たんだったな」
「へぇ~それにしては、結構デザインセンスいいな? 気に入ったし
今日からコレで行くんだぜ!」
アタシは、竜耶が新しい服を作ってくれたから嬉しくてしょうがないんだぜ!
竜耶Side
魔理沙は、俺が再構築で作り直した服を着て、かなり上機嫌だった・・・・・・
まったく・・・・・俺の顔のこともう忘れてるよ・・・・・・
「そういえば、魔理沙。俺がまだ行ってない所って在るのか?」
「行ってない所ねぇ~?あ、まだあそこ行ってなかったぜ」
「あそこ?」
「ああ、魔法の森の入り口に古道具屋があるんだよ。そこ案内するの忘れてたんだぜ」
「森の入り口か・・・・・・基本は空飛んで移動してるから、知らなくて当然か?
なぁ?朝食食ったら、連れてってくれないか?」
「別に構わないんだぜ。アタシも最近行ってなかったしな」
俺達は、少し遅めの朝食を済ませると、空を飛ばずに移動する事にした。
魔理沙に案内を頼み、暫く歩いてると様々な物が無雑作に置かれた建物が見えてきた。
「着いた、ココが香霖堂だぜ。」
「ある意味、凄いな・・・・・・・・」車のタイヤに、道路標識に、公衆電話に、狸の置物ね~・・・・・・
他にも色々有るけど、置物以外はハッキリ言ってゴミだろ?
ツッコミ満載だが、あえて何も言えなかった・・・・・・言ったら店主が可哀想になった。
と、お構え無しに魔理沙が店に入ろうとしたので、後を追った。
魔理沙Side
ギィィ~・・・・・・っと扉を開けると、その中には、また様々な物が数多く置かれ
其処には店主と思われる男性が、カウンターの椅子に腰掛けていた。
「この一風変わった道具屋に、一体何をお求・・・め・・・って、何だ?魔理沙じゃないか」
「何だとは、酷い言い草じゃないか、香霖。それに、今日はちゃんと用事で着たんだぜ?」
「君が、ココに来る用事って、八卦炉が壊れたか、物を盗みに来るかどっちだろ?」
「おい、魔理沙。置いてくのは酷くないか?」と、直ぐに、後ろから竜耶が入ってきた。
竜耶Side
「おや?ここら辺じゃ見ない顔だね?ふむ・・・・格好からして外来人かい?」
「ああ。俺は霧島 竜耶。あんたがこの店の店主か?」
「僕の名前は、森近 霖之助。この香霖堂の店主だ。時々、魔理沙見たいに香霖って
呼ばれる事もある。まぁ好きに呼んでくれて構わないよ」
「なら俺も、香霖って呼ぶよ。俺の事は竜耶で構わない」
「さて、2人共。今日は一体何をお求めかな?」
「俺は、行ってない場所が他に無いか、魔理沙に聞いたらココを案内されただけだ」
「まぁ、適当に見てくれ。気に入った物が有れば持って来てくれ」
俺は香霖に言われ、様々な品物を見て回った。
魔理沙が何やら、物を盗ろうとしてたので俺は問答無用の拳骨を叩き込んだ
ドゴン
「ふぎゅっ!?おぅぅぅぅ~・・・・・い・・・・痛い・・・・酷いんだぜ、竜耶・・・・」
魔理沙は涙目になって、俺を見上げている
「「それは、お前(君)が悪い」」俺と香霖は、涙目になってる魔理沙に向かって
同じタイミングでツッコミを入れた。
「って、あれ?魔理沙?服装が何時もと違うような?」香霖は、いつもと違う事に
気が着いた。
「ああ、これは竜耶が作ってくれたんだぜ。活けてるだろ!」
魔理沙は、クルっと一回転して可愛さを香霖に、アピールしていた。
俺は、ふと視線を逸らすと、古錆びた刀と大きな紅い宝石の様な石が目に入った。
「ん?この刀・・・・・・古錆てるけど・・・・其れなりに強い霊力感じるな?」
「ああ、それは布津御霊って言う神剣なんだけど、模造品だと思うよ?
幾らなんでも、大昔の神剣なんて早々残ってるはず無いからね。まぁ、買い手も無いし
今回は無償で譲るよ」何とも気前が良い香霖だが、此れは此れで値が張るだろうに。
「ならこっちの、やけに大きい紅い宝石は何だ?ルビーか?」
「僕も最初見たときは、ルビーかと思ったけど、どうやら違うらしい。僕の能力を使っても
全然わからないんだよ。こんなのは初めてだね」
「香霖も能力持ちだったのか?」
「そうだよ。僕の能力は『道具の名前と用途が判る程度の能力』だよ」
「俺は『錬金術を操る程度の能力』と『あらゆるモノを解析する程度の能力』だ」
「へぇ~、能力を二つも持ってるとは・・・・・しかも僕の能力に似た感じの能力だね」
「なら、試しにこの紅い宝石を能力で解析して見ようか?」俺は、かなりの大きさの有る
紅い宝石の塊に手を翳し、「解析開始」と呟き調べてみた
「・・・・・・・・・・・・この宝石は『鮮血の月』と呼ぶらしい。しかも、鉱物かと思ったら
高純度の紅い魔力結晶だな」
「へぇ~、アタシも採掘で魔晶石の類は採った事は有るけど、ここまで大きな物は
流石に初めてだぜ?」そう言うと、魔理沙は、更に物珍しそうに紅い結晶を見つめて
居る次の瞬間
バチッバチチ!と突然俺の手が光り出す
「ちょ!竜耶!?何いきなり能力使ってるんだよ!!」
「知らん!?俺は練成なんて発動させた覚えは無いぞ!こいつが勝手に!!」
と言ってる内に、光に包まれた宝石の方を見たら、何時の間にか、
透き通る紅い大剣を握り締めていた
「これは・・・・・・・また、凄いものが出来たね?」
「す、済まない香霖。品物を勝手に・・・・・・・・」
「ふむ、これが錬金術か?まさか、ここで見れるとは思わなかったな」
「あと、今持ち合わせが無いのだが如何すればいい?」
「そうだね・・・・・・・・・・・・・・・
今度、錬金術で便利な道具が出来たら、是非見せてくれないか?
もし気に入った物が有ったら買うよ。コレでどうかな?」
「本当にそんなので良いのか?」と、竜耶は少し唖然としながらも、再度確認を取った
「ああ、構わないよ。今度、君の店がオープンしたら、時々足を運んでみるよ」
その後、俺と香霖は色々話しで意気投合し盛り上がった。
何度か、魔理沙がまた物を盗もうとしたので、俺はその度に拳骨をお見舞いした。
「其れと、香霖。このパソコンは、電力を供給しないと動かないぞ?」
「そうなのか!?では後でやってみる事にしよう!ありがとう竜耶」
そう言って、俺達は香霖堂を後にし魔理沙の家に帰った。
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一方
外の世界・守矢神社の境内
早苗Side
「はぁ~・・・・・・・・・・・・・・・・・」私は今、溜め息を吐きながら境内の掃除をしています。
何故、掃除をしているかと言うと、私はあの事故の次の日、私は高校を中退し
そして、現在は神社で巫女の仕事をしながら、現人神としての修行をしています。
あと、神奈子様と諏訪子様のお二人は、交代しながら転移の術式を組み上げていますが
思ったより作業が難航していて「下手したら、1年以上掛かるかも」と苦笑いして
いました。
「先輩・・・・・・・・私は如何したら良いんでしょうか・・・・・
先輩が亡くなってからの私は、毎日が空を切る様に過ぎてあの頃の思い出が
走馬灯の様に次々と甦ってきて、その度に涙が込み上げて来ちゃいます」
私は空を見上げながら、涙を流していると神社の中から、小さい人影が此方に
向かって来る。其れは諏訪子様だった。
「早苗・・・・・・・もしかして泣いてるの?」と諏訪子様は、そんな私を心配してくれている
「いいえ・・・・・・・・・・・・ちょっと、雨が降っただけですよ?」そう言いつつ
私は、空を見上げながら必死に涙を堪え様としていた。
すると、諏訪子様が私の手を取って同じく空を見上げていました。
「御免ね、早苗。私達は神様なのに、早苗の、その悲しみを、涙を救えなくて
自分自身が情けなくなるよ」
「でも、なるべく早く終れる様、頑張るからさ、だから・・・・・・・・・」
「わかってますよ。其れに今の私を先輩が見たら、呆れられそうですから
私は、身体も心も、そして魂も強くなって見せます」
涙を流しながらも、強い決意をその瞳に宿す姿を、諏訪子様はただ、見つめ続けていた。
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ああ~早く紅魔境編に入りたいな~