9話 ゼミ
現代。誰によって「俺」は轢かれたのか!その理由は?
全てが明かされる衝撃の9話、開幕――――!
―現世―
ブロロロロロ……
「うぅ……僕の眼鏡が……」
俺を轢いたトラックは、一目散に去っていく。ひき逃げだ。
俺は愕然としながら、腕時計を確認する。
時間は9時半。間違いなくゼミに遅刻だ。
ただでさえ「おちんボ」政策によって迫害されてるのに、これでは何をされるか分かったものではない!
俺は憂鬱な足取りで、大学へと向かう。
ーゼミー
「ちょっと教授w杉君まだ来ませんよw」
「トラックで轢いてもらうよう知人にお願いしたんだよ」クスクス
「あのオタクメガネ野郎、どんな顔で入ってくるか楽しみだなあ!」ワハハ
ガチャ
「杉君、次遅刻したら退学って前回言っ――――」
「―――――なッッ!??」
彼の顔には、眼鏡がなかった。
「チーズ臭い眼鏡が無くなってるじゃないか!」
「これじゃあ、迫害に足る理由が無くなってしまう!」
「あ、あの……」
俺は、立ち尽くす。
「このクソメガネ野郎!興を醒めさせやがって!」
ゼミ生の男の一人が、俺に殴り掛かる。
「おい!待てよ!」
「アイツにオタクアイデンティティの無い今、手を出して処分させられるのは俺達の方だぞ!?」
他のゼミ生が、男を制止させる。
「はぁ、もういい。席につけ。」
教授は、残念そうにナイフを仕舞う。
こうして俺は、迫害される日常から逃れた。
この大学の在り方は、本当に正しいのだろうか――――?
誰によって「俺」は轢かれたのか!その理由は?
こたえ
誰:教授
何故:ひまつぶし