19話 希死念慮
ざわ……ざわざわ……
エロ社、会見会場。
俺は全身を布で覆われ、壇上に立たされる。
記者たちは、好奇の目で俺の方を見つめる。
「緊急での記者会見と言うことで……その……何があったのでしょうか?」
記者は、俺の姿には言及しない。だが彼らは、既にインターネットにばら撒かれた俺の写真を見ているのだろう。
「私はまだ学生であり……会社という組織を背負うにはまだ経験不足でした。」
俺は深々と一礼すると、足早に会見室を出る
パシャパシャパシャパシャパシャ!!
「どういうことですか?」
「全身に彫られていた入れ墨は一体何なんですか!?」
「琴さん……琴さん!!」
「失礼、これ以降の質問はお控えください。」
副社長は俺を庇う。いや、元副社長か。俺が辞めたあとは、彼が上手くやってくれるだろう。
……
「琴ちゃ〜ん、ご飯、できたわよ〜」
……
「ここに、置いておくからね……」
……
壁。
いつからだろうか。
俺は部屋の中で、壁を見つめている。
何故だ?
何故、俺は壁を見ている?
「ふぐっ………うわあああああああ!!!!」
突如、脳裏に込み上げる死体の山々。
死んだメンバーたち。いや、違う。俺が、俺が殺したんだ。
俺が、自分の事しか考えなかったから。母親を誘拐させたから。俺が、あの波止場にメンバー達を招集したから。俺が、俺が、俺が……
俺の都合で、彼らはヤクザの弾丸を浴び、死んでいった。
……
「うわあああああっっっ!!!うわああああああああっ!!!」
再び視界に映ったのは、バケモノ。罪の形。窓に反射する、自分の体……
入れ墨で全身に隈無く模様を彫られ、俺から生きる場所を奪った、忌々しい体。
「はあああっっ!!はああああっっ!!」
俺は、胸を手で強く押さえ、勢いよくカーテンを閉める。
もう、疲れた。
喉を通らない食事。動かない体。その汚れは洗っても落ちることはない。もはや涙も枯れ、限界に達した俺は、ある一つの結論に至る。
「そうだ……そうだよ!アハハハハ!!!」
寝ることもできず、常に曖昧だった思考は、不思議と徐々にクリアになっていく。
死のう。
―――異世界―――
「うおっ♡♡♡♡♡チンポすっご♡♡♡♡♡♡♡」パンパンパン
「もっと<魅力>のギア上げろ雑魚が!!!」
「いやあああああああああ!!!♡殺してえええええ♡♡」
「オラッ!金玉喰らえやッッッwwww」ベチンッ
「殺してくれ……殺してくれ……」
「惜しいなあ!もう少し右!」
生け捕りにしたサキュバスとドレインを拷問する人類!!
「流石に魔族、楽には死なないっすね笑笑」
「オイ、次の四天王は何を見せてくれるんだ?」
「……」ピクピク
「う〜ん、じゃあ、先に言った方の拷問時間を2時間減らしてあげますっ!」
「「!!!!次の四天王は時間をッ……」」
「……時間?」コキキ
ドサッ
首が落ちる拷問官
「!!??!」
「オイ……この程度の人間に遊ばれるとハ……四天王も落ちたものダナ……」
「あら……♡来てくれた……のね……♡」
「クロノダイル!俺達を助けろ……!!」
「おい!拷問官がやられた!急襲だ!」
「早すぎる……まるで動きが見えなかったぞ……!!」
「移動速度が何だ! 我々にはキンタマがある!"勇者金玉" 、直ぐに準備しろ!!」
「だめです!!勇者金玉、動きません!!」
「な、何!??」
「ぐわあああ!!」
「ごはあああ!!」
窮地に陥った人類!
どうなる!?




