12話 集団処刑
―現世―
ここはどこだ?
俺は、暗闇の中で目を覚ます。腕には手錠がかけられている。
「さあ諸君!注目したまえ!」
カッ
聞き覚えのある声とともに、眩い照明が俺の目を突き刺す。
慣れない目をゆっくりと開けると、そこには手錠をかけられた『おちんボ部』のメンバー達が、全裸で幽閉されていた。
「お前たち!フルチンじゃないか!」
「先輩!下校中に襲われて、気付いたらこの倉庫にいたんです!」
さすがおチンボ部だ。こんな状況下でも、股間は滾りに滾っている。
1日3食、バイアグラだ!
スピーカーの方に目を向けると、そこにはチェッカーシャツの大学生、「御宅 杉」!
さらにその正面には、メガネの男達が隊列を成している。
「我々は長いこと迫害を受けてきた。フィギュアを転売されたり、アニメシャツを重ね着させられ、その上から火をつけられた者もいる。」
「何言ってんだ!とっとと解放しろ!」
「子を成し得ぬ連中など種として滅ぶべきだろ!」
「ハハハハハ!『子を成し得ぬ存在』か、面白い。今からの我々の行為も似たようなものだ。」パチン
杉は指を鳴らす。
ザッザッザッザッ
「な、何をするんだ!!」
メンバー達は、メガネ男に引き摺られ、仰向けの姿勢で等間隔に配置される。そして、開脚させられた姿勢で地面に固定される。
「さあ、ショータイムだ!」
パッパーー!!!
巨大なクラクションが倉庫に鳴り響く。
ブロロロロロ
メンバー達に迫りくるのは、見渡す限りの大型トラック。その数、なんと500台!
メンバー達は、恐怖とパニックに呑まれ泣き叫ぶ。
「やめろおおお!」
「来るなああああ!」
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
トラックのタイヤが、開脚したメンバーの股間に食い込んでいく。
「あああああああああああっ!!!!ああああああああ!!!」
「ぐぎぎいいいいいいっ!!」
「お、お前らあああああああああ!!!」
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
みんなの生殖能力が、おチンボ部が。
俺たちの青春が潰れていく音が、倉庫に響き渡る。
「っ頼む……頼む……辞めてくれ……」
俺は泣きながら杉に懇願する。
「部長であるお前が『おちんボ』廃部を宣言すれば、考えてやろう。」
皆を救うためには、宣言するしか無いのか……!
「……お……、俺は本日を持って、おチンボを、廃部……」
「先輩ッッッ!!駄目だあああああああああああッッッ!!!」
大きな声が、俺の意識を遮る。
「……!?」
「センパイッッッ!!駄目だッッッ!!」
「認めちゃ駄目だッッッ」
「「「「俺達……金玉が無くてもセックスできますッッッ!」」」」
その声は、おチンボ部1000人の、何重にも重なり合った、『想い』だった。
おチンボは、俺たちの仲間だった。
入学したての俺を、温かく受け入れてくれた先輩達。
おチンボの部長として、ここまで付いてきてくれた後輩の皆。
俺は特別なんかじゃない!お前らと一緒に居たからこそ、特別になれたんだッ………!
俺は泣きながら、その言葉を口にする。
「杉……!悪いが、認めるわけには行かないッッッ!!」
「ハハハハハハ!!泣かせるぜ!!」
「閣下!どういたしましょうか!」
「やれ!」パチンッ
パッパーーー!
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
「ぐぎいいいいいいい!!」
「あああああああ!!ああああああ!!!」
「廃部を認めなかったとしても、全員の金玉を潰されては最後。この勝負、初めからこちらに分があるのさ。何、仮に認めたとしても、金玉は潰すつもりだったがな!ハハハハハハ!」
ブチンッ
ブチンッ
ブチンッ
失われゆく仲間の金玉を、眺める俺。
俺は、ここで終わってしまうのか。
「ああああああああああ!!!」
「ぎゃあああああああ!!」
「ふふふ……聞こえるか?あの悲鳴が……」
杉は振り返る。
「なっ……!?」
しかし、悲鳴を発しているのが彼の部下だと杉が気付くまで、そう時間は掛からなかった。
杉の視界に映り込んだのは、文字通りの血の海だった。海面には所々にピンク色の肉片と、チェック柄の布が浮かんでいる。
「一体これは何事だ!!」
「閣下!ヘリが!ヘリコプターが……」ピチチュチュチュ
杉の手下は、一瞬で血の霧と化す。
「ンン〜ン、困るよぉ、将来有望なボクの部下をこんな目に……」
「あなたは―――『エロ社』社長!?!」
それに、宙を舞っているのは、トムキャット―――軍用ヘリだ!
前方向に装備された大口径のガトリング・ガンが、メガネのチェッカーシャツ共を躊躇なく肉片へと変えていく。
「世界5大企業のエロ社は、社内に百個師団規模の軍部を有しているのサ。内定社員一人守れないようじゃ、エロ社の名も守れないからネ。」
倉庫の壁はとっくに風通しがよくなり、トラックの運転手は火だるまに悶えている。
「「「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!」」」
解放されたおチンボメンバーの熱い想いが、倉庫の中に響き渡る。
「く、くそおおおおおお!」
杉は、周囲を囲まれる。
つづ
く




