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第89話 画竜点睛


「いつかは来ると思ってはいたけど、

レベル100超えとはね……」

 どうやらこの世界のレベル上限は99や100ではないらしい。新しい発見だ。だが今はそんなことを考えている場合ではない。


 蒼字そうじは強敵を前に身体がビクついて動けない……と言う事はなく、さくらや陽菜乃ひなの、ジャンヌにキャンベルさん、みんなに怪我をさせたことに対して腹が煮えくり返る。暴走しそうな身体を必死に抑えていた。

 

 

 それに無闇に突っ込めば殺される。


 蒼字そうじが前に出ようと動くと一瞬で距離を縮め接近、リルと同じ竜人族で特別な力『竜装』腕の表面に強固なウロコをつけ攻守共に使える力で殴りかかる。


 直撃はヤバい!!『墨払い』


 ネウロの拳を筆から出した黒い魔力で受け流し体勢を崩したところに拳をねじ込んだ。


「い!?かてぇー」

 殴ったのに自分の手が痛かった!?


「あんた硬すぎだよ!どうなってるんだ!」


「フン、俺の竜装は金剛石の如く硬い、お前の攻撃などまるで効かんぞ!」


「な!?」…………『墨払い』

 また、一瞬でネウロは接近、

 再び受け流しを行おうとするが、


「同じ手が二度も通じると思うか?」


 ネウロは右腕の拳を受け流しを受けながら回転、その勢いを遠心力に変えて左腕が俺の左側頭部を狙う。


 さっき以上の力、無防備て受ければ頭が吹き飛ぶ。


『風陣』風太が駆けつけ拳の軌道を変える。


 俺と風太は再び距離を取り、

「油断するな!コイツ一瞬で距離を縮める術を持っているようだ!止まらず動き続けろ!」


 俺は風太の助言を受けすぐに走り出す。


 ネウロの動きは瞬間的に加速するが、一定の距離で速さが落ちる。つまり一定の距離をとれば一瞬で詰められることはない。


 距離を取りつつ、攻撃に移る。


『点撃 散らし墨』

 黒き弾丸がショットガンの如く、ネウロに炸裂するが、何ごとも無かったように突撃、俺はさらなる攻撃に移る。


『一筆書き一閃 乱』

 連続の斬撃を飛ばす、さすがのネウロも今回は腕に魔力を集中させ、より強く硬質化し受け止めた。俺は止まった瞬間を見て更に距離を離す。


「どうするつもりだ?離れていては埒があかないのではないのか?」

 風太が並走しながら聞いてくる。


「それは分かったが、アイツ隙が無さ過ぎなんだよ。無闇に突っ込んで馬鹿力でぶん殴られたら一発アウト!作戦を考える時間が欲しい」


「それはいいが、逃げる時間を稼ぐにもキツイ相手だ。わかってるな!」


「あ〜分かっているよ」

 

 考えろ!………相手の方が数段高い身体能力のうえに戦い慣れしている。正攻法で勝つのは難しい。

 相手の動きをよく見ろ!隙を見つけるんじゃない隙を作る攻撃をするんだ!


 それから距離を置き攻撃を仕掛るが、

 まさに鉄壁、尽く攻撃を防がれる。


「だー全然思いつカーン!大体こいつなんなんだよ!こんだけ攻撃してるんだから少しは怯めや!」


「ボヤいている場合か、躱し続けるのも結構大変……ワーン」


 ネウロの拳から衝撃波が放たれ風太が飛ばされた。


「フウタ〜……良くもやったな!これでも喰らえ〜」

 火札を投げ、5つの火球が飛ばす。

「バンバンバンバンバン」ネウロは拳を高速振り火球を消し飛ばし、接近を許してしまう。


 ネウロの拳が俺を捉える。


「エヘッ」

 俺は危険な状況にも関わらずニヤリと笑う。


 俺の背中から墨帯が伸び、


『縛筆』


「ム!」ネウロの身体を束縛し動きを封じる。


「油断したな!隙がないならこっちがワザと隙を作り誘い込む!油断させたんだよ!」

 

『一文字 一閃直書き』


 俺が筆を振り上げた瞬間、「ブチ」………「?」

 目の前には、腰を落として渾身の一撃を放とうとしているネウロが居た。


「イヤイヤイヤ、待った!待った!?」

 俺は腕を交差させガード態勢を取るが、受ければ死にはしないが両腕の骨が砕けるのは避けられない。


「させません!」

「ご主人様に手を出させない!」


 二人の美人が電光石火の如く鋭い突きを放ち、間に入って助けてくれた。

 

 後退するネウロ。

 ネウロは鋭い目つきに変わる。


「また貴様らか無駄だ!もう分かっているだろう!確かに貴様らは強いが、闇人となった俺には及ばん」

 ネウロから黒いオーラが放たれ、

 角の色がより黒く変化する。


「これで、俺の身体能力はさっきの倍だ!」

 

 俺達はネウロに攻撃を仕掛る。

 ジャンヌ、キャンベルさんの鋭い剣撃と隙を狙った

俺の術で激しい戦闘が繰り広げられた。


「クッ」

「カハァ」

「キャー」

 

 攻撃は尽く防がれ、ネウロの攻撃を受け吹き飛ばされるがなんとか耐え着地した。


「まったくしつこい奴らだ」

 膝をつき立ち上がろうとしている俺達に更なる追撃をするネウロ。


 身体から溢れる黒いオーラが熱を持ち、

 右腕に黒いオーラが集中していく。


「爆ぜよ!黒天爆竜衝こくてんばくりゅうしょう

 拳から放たれた黒い球体は前方100メートルに衝撃波を放ち全員弾き飛ばした。


 轟音と共に弾かれた俺達は瓦礫と共に落下、

 かなりのダメージを負った。


「ガハッ……つえー、か、勝て…ない」

 俺は圧倒的な強さに挫けそうになる。


 しかし、倒れている。ジャンヌやキャンベルさん達を見ていると、は〜諦める訳にいかない。そう思えてくる。俺は踏ん張って立ち上がった。



「ん!………もう諦めろ!お前では話にならない!力があることは認めよう。しかしお前と私では戦士としての経験値が違う!勝てる見込みなどないのだ」


「はぁ!関係ないね。勝てないから諦める?やなこった。俺は仲間を守れる人間になりたいんでね。今、この場を諦める選択肢はない」


「そうか……良いことだな。

だが!お前に勝たせるつもりはない。

せめて戦士として葬ってやろう」


 ネウロから凄まじい黒いオーラが放たれる。


「俺がお前に一つだけ確実に勝っているものがある!だから、俺はそこに勝機を見いだす」


 俺は筆片手に魔力を高める。


『魔力ブースト』…………『画竜………』


 筆を高らかと上げ魔力を放出、それは黒き龍となりうねり上がる。龍の大きさは時間と共に更に大きく強大なものとなった。


「ほぉ、なるほど、大したものだ。それがお前の奥の手か、確かに受ければただではすまないであろう。当たればだがな!」


「それなら当たるまで攻撃し続けるだけだーー」

 俺は筆を大きく振った。


 黒龍はうねりながらネウロを向って突進、

 凄まじい破壊力に地面が爆ぜる。


 黒龍を前にネウロは横に飛び躱す。黒龍はそれを追うように曲り追撃、ネウロは縮地を使うことで瞬間的に加速移動、連続で回避した。


「いつまでもついてきおって、邪魔だ!」

 

「爆ぜよ!黒天爆竜衝こくてんばくりゅうしょう


 凄まじい衝撃波が龍を包み吹き飛ばそうとするが、その中を龍は貫き泳いで進む。


 ネウロは驚きながらも縮地で移動し距離を離すが、どこまでも黒龍は追いかけてきた。


 ネウロは攻めあぐねていたが、焦ってはいなかった。躱すことは十分出来ると判断したからだ。しかしその考えは甘かったと後に思う。



 蒼字そうじは声を漏らす

「ここまでが………限界か…」


……………『画竜点睛がりゅうてんせい


 俺は新たなステージに辿り着いた。

 

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