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第76話 キャンベルさんと一緒

ここからは本編に戻ります!



◆アルヴィア姫の視点


「アルヴィアよ!勇者と共にガルディア辺境伯領サマリンへ向え」


 ここは城にある戦略会議室。

 国王を初めとする国の重役、そして国王軍最高責任者アルバート団長が居た。


「お父様、それは魔王軍の進行が確認されたと言うことでしょうか?」


「うむ、そうではない、お前も知っているであろう。ガルディア辺境伯領は我が国の防波堤の一つ、ここが崩れれば多くの脅威が侵入する恐れがある。ここ最近多数の魔物が現れたと報告を受けている。その偵察をして貰いたい」


「そうですか、分かりました。その任謹んでお受け致します」

 深々と頭を下げるアルヴィア姫



…………………………▽


 会議室を出たところで声をかけられた。


「アルヴィア、ごめんなさいね、いつもあなたにばかりに苦労をかけてしまって」

 

「お姉様…お姉様は悪くありません。

謝る必要など御座いませんわ」

 私はお姉様をなだめるように言う。


「本来であれば私が行くべきなのに、あなたをまた危険な場所に行かせてしまう、姉として恥ずべきことです」


「お姉様良いのです!お姉様はこの国を守る重責を担っておられるのです。むしろお力になれない私をお許しください」


「アルヴィアは優しいわね。私は大丈夫よ。これ以上言うとアルヴィアを困らせてしまうわね。アルバート団長には出来るだけ良い護衛を付けて貰えるように言っておくわ」


「お姉様、ありがとう」


 私は笑顔でお姉様と別れた。



……『怖い』


 お姉様はとても素晴らしい人、容姿端麗で頭も良く正義感も強い、誰もが羨ましい完璧な女性、それがお姉様……でも()()、一緒に居たくない、すぐにでも離れたい。こんなふうに思ってしまう私は酷い妹です。


 お姉様はこの国にかけられた呪いを一身に受け止めこの王都から出ることが出来ない。


「だから、お姉様が出来ないことは私がやる!」

 お姉様を怖いと感じてしまう。それでも私はミネルヴァお姉様を尊敬しています。出来ることはすべてやると私は気持ちを高め歩いて行った。




…………………▽


蒼字そうじの視点


 屋敷に引っ越し、ルビーが家族となって2週間が経った。


「おい!ルビー、あれはワザとだよな!ワザとしか考えられないぞ!」


「さ〜何のことでしょ?(¬_¬)」


「ぬぬぬ!」

 腹立つ〜コイツ腹の中では笑ってやがるだろう。



 ルビーは俺が思っていた以上に完璧に家事をこなしてくれた。最初はあの駄女神の関係者と言うことで不安はあったのだが問題なさそう。しかしここ数日、ワザととしか思えない、イタズラをするようになった。

 内容はショボい、タンスを開けると物が落ちてくるとか布団に入るとチビ風船が入ってるとか、椅子に座るとブーって鳴るとか、ドアに手をかけたら感電するとか大したことないけどイラッとする。


「ま〜ま〜これはルビーのコミュニケーションの取り方なのかもしれないよ」

 レイチェルが間に入り俺をなだめる。


「しかしだな!言わずにはいられないと言うか」

蒼字そうじ最初のうちだけだよ!初めのうちはなかなか環境になれずについついイタズラをしてしまう。子供とかでよくあるじゃないか、自分にかまってほしいのさ」


「そうか……確かにまだ短い付き合いだし、ルビーからすると、もしかしたら俺達との距離を縮める為に……」


 小声で話していたがルビーに聞こえていたようで

「ちなみにドアの件はレイチェルさんですけどね!」


 俺はレイチェルの方に向くと、「テヘッ」っと可愛く笑っていたので「コツン」っと制裁をくわえた。



………………▽


「それで、今日はどうするの?モグモグ」

「レイチェル食べるか話すかどっちかにしろ。俺は冒険者ギルドに行くよ!ここ最近全然顔を出せてなかったから、たまには依頼を受けないと」

「でも、Bランクならノルマとかそんなにないんでしょ」

「ん〜ま〜そうだな、一ヶ月に一件以上依頼をこなせば良いから大丈夫なんだけどさ、たまには魔物と戦わないと実戦の感覚が失われる気がして」


「ご主人様それは正しいと思います。私との訓練だけでは限界があります」

 俺はここ最近剣の訓練をジャンヌとしている。これは実戦を想定行うようにお願いしてやり始めたのだが、これがま〜厳しい、この時だけはご主人様とか全く関係ない、ボコボコにされる。もうダメ〜と言っても許してくれない。「大丈夫です!ご主人様ならもっとやれます」この一言が永遠に続く、剣の腕は格段に上がった気がするが、ジャンヌが鬼教官に見えるようになった。



………………▽


 久しぶりの冒険者ギルド、相変わらずここは騒がしい、ま〜活気があって良いことだ。


「ふざけんなよ!」

「テメェー調子に乗んなよ!あ〜」


 お〜小競り合いしてるよ!

 馬鹿だね〜そんな事してると、


「何をしているのですか!」

 凛としてすご〜い圧が乗っている声が聞こえた。


 小競り合いをしていた冒険者は、脚をガクガクさせながら後ろに下がっていく。


「キャンべルさんだー!」

「人をお化けみたいに言わない!制裁!」


「ギャーー」

 小競り合いしていた冒険者はキャンベルさんの電撃を受け、激痛で雄叫びをあげて黒こげになった。



……▽


「うん!いつも通り何も変わらない光景だね!」


「おっ!これは久しぶりですね。蒼字そうじくんやっと顔を出してくれましたか」

 

「ギルマス!」いきなり大物が現れ俺はたじろぐ。


「やぁ〜!C級昇格試験依頼だね!」

 前も思ったけど、この人ずいぶんと距離感が近い、と言うか気が抜けたような喋り方をするな。


「どうも、その節はお世話になりました」


「あ〜気にしない気にしない、君なら楽勝だと思ってやったけど、あれじゃつまらなかったね」

 そう言えば、C級試験にAランク冒険者のしかも問題児をワザとあてがったのはこの人だったな〜。油断すると遊ばれそうだ。気をつけよう。


「ギルマスがこんなところで何をやっているんですか?」


「気がつかなかったかい?私は結構ここに顔を出しているよ。やはり冒険者をこの目で見ておかないとどんな人物か分からない、情報収集さぁ」


「もしかしてギルマス、変装魔法とか使えます?」


 ギルマスは口に指を当て「シー」と言った。

 つまりそういうこと、俺も今まで気が付かないなんてことある訳が無い。


蒼字そうじくん、少し話があるんだけど

ちょっと良いかな?」



……………▽


 俺はギルマスに呼ばれ連れて来られたのは、なんとギルマスの部屋、滅多に人を入れないって聞いてたけど、嫌な予感がする。


「ちょっと待っててね。お茶がもうすぐ来るから、その前に少し話をしよう。実は今困っていることがあってね、君に是非協力して貰いたい」


「それは構いませんが、まず内容を聞かせてください」


「もちろん、それを聞いてから判断して欲しい。実はここ最近ガルディア辺境伯領で魔物が大量発生していると報告を受け、こちらからもBランク以上のパーティを数組送っているのだが、どうも状況は芳しくない。魔物が増える一方で対策が取れていないようだ。そこで君に力を借りたい」


「内容は分かりましたけど、なんで俺なんですか?俺はただのB級冒険者ですよ」


「私はそうは思いません。あなたには今回のような場面に必要な探索するスキルがあるのではないですか、例えば猫耳食堂のお嬢さんを救った時のように」


 ちっ、どこかで話が漏れたか、別に黙ってて欲しいとも言ってなかったし、ただそれをこの人から聞いたのが怖いね〜どこまで俺のことを知っているのやら。


「ま〜そんな怖い顔をしないでください。何もしませんよ!それで行って頂けますか?」


「構いませんよ。困ってるなら協力します。

それでいつ行けば良いのですか?」



「コンコン」話をしている途中で

ドアを叩く音が聞こえた。


「あ〜入って」

「失礼致します!」


「あれ?キャンベルさん、こんにちは」


「お客様は蒼字そうじ様でしたか、これはどういうことですか?ギルドマスター」


「流石キャンベルくん、察しが良くて助かるよ」


「それはおかしいと思いますよ。わざわざ私に10分後にお茶を持ってくるように伝言すれば」


「ま〜ま〜お茶が冷めちゃうよ。こっちに座って」

 キャンベルさんは渋々といった感じで席に着く。


「それでは役者は揃いましたね!今から二人には一緒にサマリンに向かって貰います!」


「「…………はぁ!?」」

 俺とキャンベルさんから同時に声が出た。


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