幕間 一花とセレーナ
◆一花の視点
私は日課の浮遊散歩をしていると声をかけられた。
私は幽霊だから滅多に声をかけられないけど、ここは聖神教会、見える人が案外多い、仮に見えなくても感じられるからすこし気をつけないといけない。
「あ!セレーナさん、オットト」
ちょうど曲がり角でセレーナさんが現れたから急ブレーキ、ややタタラ踏むように止まる。
「一花さんお散歩ですか?」
「はい、いつもさくらの傍にいるとさくらも窮屈な気分になるかと思って毎日少し離れることにしてるんですよ」
「さすが一花さん、気配りの出来るお母さんですね。この二人も見習って欲しいものです」
ん?セレーナ様の後ろには蒼字くんではなく見慣れない二人の護衛が居た。
「一花さん紹介するわ。私の弟のレットンとハーストンよ!二人共こちらは勇者さくらのお母様様、一花さんよ」
私は軽く会釈すると二人も挨拶してくれた。ぱっと見強そうて怖い印象があったけど、セレーナ様とのやり取りを見ていると優しい一面が見えた。
「そうだ!一花さん今お時間あります?」
「はい、まだ大丈夫ですけど」
「少しお話したいの、私の部屋まで来てくれるかしら」
「はい、喜んで」
私もセレーナさんお話がしたがったので喜んで了承する。
部屋の前に着くと、セレーナ様が止まり、
「二人共、私は一花さんと二人で話がしたいから席を外してくれる」
「ねえさん、それは出来ないって何度言わせるのさ〜」
「今回は良いでしょ!勇者のお母様よ!これ以上ない信頼度があるわよ」
「確かにその辺の奴らよりは100倍良いけど、危険性がないわけじゃない」
「はぁ〜本当にハーストンは頭固いわね〜」
「ほんと!一花さんを見習ってほしいわ」
「ねえさん、僕はね!」
「ハーストン、もう良い、たまにはねえさんの好きにしてやろう」
「にいさん?」
「たまには息抜きせんと勝手に外に出られるかもしれんぞ。むしろ後々のことを考えればそっちの方が面倒だ!」
「それは……そうかもだけど」
「ほれ、行くぞハーストン」
レットンさんが歩いていくと渋々といった表情でハーストンさんもついていった。
「ふふっ二人にはあとで埋め合わせしないとね。それじゃ部屋に入りましょ一花さん」
嬉しそうに笑うセレーナさんに促されて部屋に入り席に着くと、お菓子とハーブティーを出してくれた。
最初は他愛もない話から始まり、この世界の話、元の世界の話、そして蒼字くんの話になった。
「蒼字くんはいつも無理して倒れるんですよ!なんとかなるから大丈夫、先に行けとか言って、あんまり自分の命とか勘定に入ってないんですよ!」
私はついつい過去のことを思い出し熱く語る。
「確かにそういうところあるかも、デーモンロードを相手に一人で立ち向かうあたり、無謀もいいところでしたし」
「デーモンロードって名前が強そうですね!
どんなやつなんですか!」
「ん〜悪魔の中でも最上位にあたる強力な敵、普通なら千人規模の軍隊を派遣したいところかしら」
「へーー蒼字くんらしい無謀具合、私も元の世界で理由あって地獄に落ちそうになった時があったんですけど、自分も地獄に落ちる可能性があったにもかかわらず魂だけになって蒼字が助けに来てくれたことがあるんです。普通そんなこと出来ないですよね!」
「ふふっ、話を聞けば聞くほど、蒼字はお人好しで無謀な人だこと、だからこそ近くでブレーキをかけてくれる人がいないと彼は死んてしまうわ。私達がしっかりとしないとね」
「フフッ同感です」
私とセレーナさんは笑いながら話を続けた。
思っていた以上に時間が経っていたようで、しばらくするとセレーナさんの弟さんが私を探しているさくらを連れてやって来てお茶会は終了、私はもっと話したかったから残念だけど。でも年上の親友が出来たみたいで嬉しく思った。
次から本編に戻ります。
また見てくださいね!(◡ω◡)




