第66話 30階層 ゴブリン軍団との戦い
休憩中、30階層に降りる前に軽食を取りつつ作戦会議をしていた。
「レイチェル30階層のボスはどんなヤツなんだ?」
「階層主はゴブリンだよ」
「は?ゴブリンってあのちっこいヤツだよな」
「もちろん普通のゴブリンじゃないよ!ゴブリンキングだから舐めてかかると蹂躙されちゃうよ」
レイチェルの話によるとを敵はゴブリンキングを指揮官とした。ゴブリン軍団、ホブゴブリン、ゴブリンアーチャー、ゴブリンマジシャン、ゴブリンプリースト、ゴブリンランナー等、計100匹を超える数を魔物を相手にしなければならない。
「なぁ〜レイチェル達は前にどうやって倒したんだ?」
「ん?え〜〜っとね!あんまり覚えてないかな。ん〜〜〜あ!思い出した!レビィが一撃ぶち込んで
全部倒しちゃったからあんまり覚えてないんだ〜」
「レイチェル言っている意味がわからん」
「えっと簡単に説明するとレビィが戦略級魔法をゴブリン軍団のど真ん中にぶち込んで、それでほとんど片付いちゃたから………アハハ」
「それってアハハで済む内容なのか?そのレビィって人、相当強い魔法使いなんだな」
「うん、ま〜ね!ただ魔法使いっていうよりかは、レビィは魔術師かな」
「ん?何か違うのか」
「魔法を使うことには変わりないんだけど、レビィは知識や技術を独自の考えに基づいて魔法を発動する法則を生み出したんだ。だから魔法の威力が格段に上がるのに魔力(MP)は抑えることが出来るんだ!」
「それは凄いんだよな。確か戦略級魔法って基本的に一人では使えない魔法だったもんな」
以前ギルドでキャンベルさんに教えてもらった。
「レビィって有名な大魔術師レビィのことしら」
セレーナ様がその人物をしているようだ。
「レビィは大魔術師になるのが夢だったから、そうかもしれないかな」
「それは凄いけど、さっきの話は参考にならないな。一撃で片付けば楽でいいんだけど……」
戦略級魔法が使えない以上どうにもならん!
これは一から考える必要がありそうだ、敵が100匹以上、対してこっちは4人だからな。相手の強さにもよるけどまともに戦うのは無謀も良いところだ。それならしっかりと作戦を考えて挑もう。
「みんな、何でも良い意見を出してくれ」
その後4人で話し合い作戦は決めた。
「セレーナ様は無理しないで下さいよ」
「大丈夫、自分の身くらいは守れるわ。蒼字は心配性ね〜」
今回はセレーナ様にも参戦してもらう。出来れば下がって欲しかったけど、セレーナ様の魔法があれば勝率はかなり上がる。みんなの生存率が上がるのであればやるしかない。
「良し!階層主のゴブリンキングを倒すぞ!」
「「「お〜〜」」」みんなの気合が上がった。
………………………▽
30階層に入りまずは身を隠す。
「風太、来い!」
風に巻かれ一匹の犬が召喚された。
「なんだ……今眠いんだがな〜」
前足で器用に目を擦る風太、ぱっと見可愛いが、かなり年上のおっさんなのでそんな事は言わない。
「レイチェル、風太に例の物を」
「はいはーい」
「なんだ……この変な形の人形は?」
風太は眉間にシワを寄せ嫌がっている。
気持ちは分かる。不気味だもんこれ!
「ふっふっふ〜これは私が作った呪いの人形なのだ」
「バカ野郎!そんなもん近づけんな!」
風太は全力で後方に下がる。
「ま!そうだよな〜そんなもんに関わりたくないわな。しか〜し、風太の今回の任務はこれを持ってゴブリン達の後方に待機することなのだ〜残念!」
「何が残念だアホが!……まったく、自分でやれーと言いたいところだが手伝ってやる。ただ本当に大丈夫かこれ?」
「大丈夫だよ!これは何回か作って上手く動いているから問題なく使える。でも壊さないでね!キズが付くだけでも呪いが漏れるから」
「まったくお前は危険な物を作るな。いつか死ぬぞ」
「実験に危険はつきものなんだぜ!」
「風太、言うだけ無駄だぞ!レイチェルはそういうヤツだ」
俺はやや呆れながら言うと「ひどいぞ!」っとレイチェルから抗議された。
風太は文句を言うがなんやかんややってくれる。
気配を消して走っていった。
「さてと、レイチェルもう一つのアイテムも宜しく」
「はいは〜い」
レイチェルが出したのは種
「これを仕掛けるんだな。面倒だけどさっさとやろう」
俺達はその種を地面にまく。
「それじゃ〜待ちますか」
それから近くの岩で座っていると一匹のゴブリンが俺達を見つけて雄叫びをあげる。
「ドドドドー」地鳴りのような足音が聞こえてきた。
「ん?これは……多くない?」
パッと見ではあるが数百匹はいる。
「思いの外多いけどレイチェル発動だーー」
俺の号令を合図に水玉が投げられ、地面に落ちると破裂し水が大量に撒かれた。
すると「ニョキニョキニョキー」っとツタが伸び、近くにいるゴブリン達に巻き付き始めた。
「ギャーギャー」と鳴き声が聞こえる。
『作戦その1∶相手の動きを制限する』……成功
俺とリルは離れた位置で攻撃、俺は一文字、リルは近場にあった石を投げ、次々とゴブリンを倒していく。
「ギャギャギョエー」
雄叫びをあげながらツタを躱し接近してくる数匹のゴブリンランナー、機動力がかなり高いようだな。
俺は墨帯を飛ばしゴブリンランナー達の足に巻き付け、
「オリャー………リルー頼んだ!」
墨帯をブン回しゴブリンランナー達をリルの方向に飛ばすとリルは次々とカウンターパンチで倒す。
『作戦その2∶出来るだけ数を減らす』………成功?
作戦通りの動きは出来ているが予定より数が多い。
『作戦その2予備∶セレーナ様宜しくパワーアップ』
「セレーナ様、お願いしまーす」
「いくわよ!
流れよ!聖なる息吹『ウィンドアップ』」
リルの腕と脚に風の魔法の効果が付与され、走り出すと風の如くスピードを上げ、風の力を纏った拳がゴブリン達を攻撃、みるみるゴブリンの数を減らしていく。
「ギョキェキャキャ」
離れた位置から魔法を放つゴブリンマジシャン
火球、かまいたち、岩等様々な魔法がリルに向かって飛んでいく。
『ホーリーシールド』
セレーナ様はリルの周りに聖なる結界を張り攻撃を防ぐ。
「セレーナ様、ありがとうございます!」
セレーナ様は手を軽く振り合図を送る。
そろそろだな。「風太!やってくれー」
「ホイッ」
風太は口に咥えていた。人形をゴブリンマジシャンに投げて、風の刃で切断、人形から黒いモヤが湧き出てくる。
「ギョギェーーー」
ゴブリンマジシャンは首を抑え倒れて動かなくなった。
俺は遠くから眺めて
「あんな物どうやって手に入れたんだ?呪いが湧き出る泉でも見つけたのかよ」
俺は半分呆れ、半分心配でレイチェルに声をかける。
「あれは今から行く階層で発生している毒みたいな呪い。私達じゃ〜どうにもならなかったイレギュラーが
いるんだ。きっと後で会うことになるよ」
レイチェルはやや意味深な言い方をする。
「蒼字そろそろ出てくるよ!」
レイチェルが指を差した先を見るとゴブリン達が整列しておりその間を神輿のように担ぎ上げられた椅子の上に座っているゴブリンキングが現れた。
「そろそろ本番みたいだぞ!みんな気合いを入れろ」
俺の号令でみんなは再び戦闘態勢を取る。
『リアルマップ 転記』『ステータス 転記』を使い
情報収集する。
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『サマーリン』 Lv:63
種族:ゴブリン
年齢:5
称号:ゴブリンキング
職業∶階層主
加護∶なし
魔法∶なし
HP:85500/85500(+0)
MP∶0/0
気力∶9500/9500(+0)
魔力:0(+0)
筋力:80000(+30000)
耐久:60000(+50000)
敏捷:43000(+500)
運 ∶0(+0)
スタミナ∶8500(+0)
技能:固有スキル 『王の雄叫び』Lv4
∶コモンスキル『剛力』Lv6
『指揮能力』Lv4
『斧術』Lv5
装備∶残虐の斧+30000
残虐の鎧+50000
王の雄叫びの効果∶この声を聞いたゴブリンは
身体能力が2倍アップする。
※ただし王を超える能力アップは
しない。
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キングと付くだけに強いが倒せない程ではない。むしろこいつを倒す難しさは周りにいるゴブリン達にどう対応して切り崩していくかだな。
『ギャギャギョギョギョェーー」
ゴブリンキングの声に呼応するようにゴブリン達が雄叫びをあげる。恐らく今のが王の雄叫び、つまり他のゴブリン共は身体能力が上がっている。
「みんな気をつけろ。ゴブリン達はパワーアップしている。さっきまでと同じと思うな!」
ゴブリン達は武器を振り上げ走って来た。




